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完璧なガタブツ情報を手に入れる方法など存在しない

Date 2011/12/20 17:38  Modified date 2015/04/05 Author やまざき ふみひろ  Tags 仏像

 もう8年以上前になるでしょうか。半年ほどですが、京都に住んでいたことがあります。

 当時勤めていた会社の仕事が京都であり、借り上げのアパートにしばらく住むことになったのです。当時はちょうど結婚した直後。仕事なんだからついてくる必要ないという私の静止も何処吹く風で、嫁ハンも一緒についてきました。元々京都が大好きな嫁ハンは、2度目の新婚旅行気分だったのでしょう。
 アパートはもちろんワンルームです。ご飯を食べるような机もなかったので、荷物を送ったときの段ボールを机がわりにしてご飯を食べていたのを覚えています。窮屈で、ともすればなんだか惨めな食事風景だったかもしれませんが、新婚ということもあってなかなか楽しいアパート生活でした。

鞍馬寺

 あれから10年近く経ちます。

 なんということでしょう。広い家に住みたくてたまりません。

 いや、贅沢は言いません。押入れの中でもよいので、自分の空間をいただけないでしょうか。…家を持ったら、自分が入る厨子みたいな押し入れを持ちたいです。こんにちわ、仏像好きです。

 さて、仕事のほうは大人の事情に巻き込まれ、ノイローゼをこじらすような面倒なことになってしまったのですが、折角京都に来ているということで、休みの日には嫁ハンと二人であちこち京都観光をしてまわりました。
 当時、さほど仏像に興味のなかった私は、ごくごく普通に観光ガイド本を買い、お庭が綺麗なお寺や美味しいご飯のお店などを求めて京都の街を歩きました。そう、ごくごく普通の観光客ですね。
 そして、観光ガイドを頼りにごくごく普通に訪れたふたつのお寺が、私を仏像好きの道へと誘ったのです。

 国宝第一号 弥勒菩薩半跏像率いる広隆寺と、修学旅行でお馴染み三十三間堂。

 ご存知のかたも多いでしょうが、どちらのお寺も仏像が祀られている点では同じなのに、その雰囲気はまったく異なります。
 とても静かな広隆寺。表通りは交通量も多く非常に賑やかなのですが、南大門をくぐって一歩境内に足を踏み入れると、表の喧騒は嘘のように静まり返っています。弥勒菩薩半跏像が安置されている霊宝殿はまさに静寂の世界。沢山の仏像が安置されているのですが、一段高いところでニッコリと笑っている弥勒菩薩は、ひときわ特別な空気をまとっていて、対面すると本当に一対一で向かい合っているような、そんな気分にさせてくれます。
 対する三十三間堂は非常に賑やか。その派手さ故か、修学旅行生にも人気スポットなのはご存知のとおりで、沢山の参拝客をこれまた非常に沢山の仏像が出迎えてくれます。大きな千手観音を中心に、左右千体の金箔で光り輝く等身大千手観音立像が立ち並ぶ光景は、まさに仏像の森。現世とは違うどこかへ迷い込んでしまったような、そんな錯覚を覚えます。

三十三間堂

 そんな静と動のコントラストに見事にやられ、私はすっかり仏像好きになってしまいました。多分、どちらかのお寺一方だけではダメだったんだと思います。同時期にこの静と動を感じる体験があったから、私は「仏像って面白い見方ができるんだな」と思うようになったのでしょう。

にい”がた”の”ぶつ”ぞう「ガタブツ」に巡りあうには

 京都や奈良などでは神仏と観光地が見事に融合しているので、一般的に、ガイド本やネットの情報をたよりに観光地に出かけていくと、結構な確率で素敵な仏像に出会うことができます。
 ところが、新潟ではそうもいかないのですよね。新潟では、京都や奈良のように犬も歩けば仏像にあたるような環境とは違うのです。新潟を歩いてぶつかるのは、たいてい米とお酒。

 「京とは違うのだよ、京とは!」

 右手にはムチ。左手には指サック。顔面には蝶々をモチーフにしたアイマスクをし、レオタード姿で天を仰ぐ。新潟に戻ってきた私は、両者の間に広がる圧倒的な性能差を前に、思わずランバ・ラルになりきりそんなセリフを放ったのでした。

 さてそんなわけで、今回は「どこにどんな仏像がいるのかさっぱりわからない」を解消するための情報源などについて書いてみようと思います。

ガタブツ情報を手に入れる方法

ウェブサイトなど

 立体地獄絵図や閻魔様に狙いを定めた地獄縛りや、乾き物をツマミに即身仏参り、柿の種を食いながらの木喰行脚など、一言で新潟の仏像巡りと言っても様々なプランが考えられるのですが、ありがたいことに新潟県では『文化財の一覧』を比較的わかりやすくまとめています。ネット上で公開されていますので、まずはそれを活用してみましょう。

 文字だけの一覧ではわかりづらいので、写真付きの情報を得たいならば次の『にいがた観光ナビ』でキーワードに「仏像」や「観音」を入れて検索。現在のところ木喰仏の情報が多いのですが、見やすくなかなか頼りになります。また、『各市町村のサイト』に写真付きで仏像情報が紹介されている場合もあります。市町村のサイトは、国や県指定の重要文化財にはなっていない仏像も紹介されていることが多いので、オススメです。

 また、私のサイト『ガタブツ』もマイペース更新ながら、新潟の仏像を見に行ったときの感想などをまとめています。手が入るのは遅いですがそれなりに更新していますので、よかったらご覧ください。新潟の仏像を地図上にまとめたガタブツマップもわりかし使えるのではないかと思います。

書籍など

 私の仏像の見かたや興味を持つものはどうやらあまり一般的ではないらしく、そのスタイルがゆえか「仏像好きへのスタートラインはなんだったか?」という話題になると、大抵みうらじゅん氏の著書『見仏記』の名があがります。いやいや違うのですよ。私が初めて買った仏像の本は、モデルである はな さんの「ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう」でした。そのあたりは、なんというかおじさんの皮をかむった渡辺満里奈さん、あるいは矢口真里さんを想像していただければ私を理解するのもカンタンだと思います。
 ちなみに『見仏記』の2巻と4巻では、みうらじゅん氏といとうせいこう氏が新潟のお寺をめぐった際のお話が楽しく綴られていて、ガタブツを知るうえで本当にオススメの一冊です。

見仏記〈2〉仏友篇 (角川文庫)

  • 著者/訳者:いとう せいこう みうら じゅん
  • 出版社:角川書店 ( 1999-01-01 )
  • 文庫:332 ページ

見仏記4 親孝行篇 (角川文庫)

  • 著者/訳者:みうら じゅん いとう せいこう
  • 出版社:角川書店 ( 2006-01-25 )
  • 文庫:262 ページ

遍路の旅 越後八十八カ所霊場

  • 著者/訳者:高橋与兵衛
  • 出版社:新潟日報事業社 ( 2004-10-01 )
  • 単行本(ソフトカバー):186 ページ

新装版 越後の名匠 石川雲蝶

  • 著者/訳者:木原尚
  • 出版社:新潟日報事業社 ( 2010-06-30 )
  • 単行本(ソフトカバー):135 ページ

木喰仏をめぐる旅 木喰仏を巡る旅

完璧なガタブツ情報を手に入れる方法などない

妙高寺近くの橋

 さて、いろいろとガタブツ情報を入手する手段を取り上げてみましたが、実は一番よいのが”足で稼ぐこと”なのです。例えば、朝 家を出るときに「今日のラッキーカラーは”緑”」と強く意識して家を出ると、その日はネタが滑って青ざめているお笑い芸人のハリセンボンさんを見るたびに『シュレック』を思い出してしまうという現象があります。
 それを心理学では『カラーバス効果』と呼ぶのですが、同じように出かける前に少し”仏像”という単語を意識して出かけてみてください。意外にも道路沿いには仏像に関する看板が多いことに気が付きます。また、仏像ガールとして活躍されている廣瀬郁実さんに以前お会いしたときに「地元の人しか知らないような仏像やお地蔵さんも紹介されていますけど、どうやって調べてるんですか?」と伺ったところ、「そうですねー。地図をじっと見ますね。」とおっしゃっていました。これ、私も実践するようにしています。

 少し視点を変えるだけで、何気ない風景に色がついてくる瞬間を感じることができると思いますよ。

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