先日、結婚十年目の記念日ということで、その記念に雪国A級グルメの認定店でイタリアンを食べてきました。
こんにちわ。フリーランス仏像愛好家のやまざきです。
「仏像が好きです」と自己紹介すると「歴史もお詳しいんでしょうね」などと言われることが多いのですが、全くと言っていいほど詳しくありません。
歴史どころか、年号や日付というものを覚えられない性分でして、人生の1/3強を生きてきましたが、ソラで言える年号は「いいくにつくろう鎌倉幕府」だけなのです。
「最近、関が原の戦いもようやくわかってきました」
…と書こうとして念の為にWebで調べたところ、200年ずれてました。
最近の子供は「いいくにつくろう鎌倉幕府」って覚えないらしいですね。なんでも解釈が変わったとか。
ということは、ゼロだゼロ。俺の知ってる年号、ゼロ。
誤解を招くように言うならば、私は両親に関しても誕生日はおろか年齢すらよくわかっていなく、妻や息子の誕生日なども偉大なるGoogle先生のお力をお借りして、ようやくおぼろげながら把握できてきたという感じです。赤ちゃんだとか、ピチピチとか、よぼよぼとかで表現すれば用事は足りると思うのです。
「年号なんて覚えて何かいいことあるか?なんの役に立つんだ?そんなもの勉強しなくていい」
と、父親から執拗に言われて育ったというのがその原因なのですが、このことについて話をしだすと随分と長く語らねばならないので、本題に入ろうかと思います。
先日、結婚十年目の記念日ということで、雪国A級グルメの認定店でイタリアンを食べてきました。
日付を覚えられない私が結婚記念日だなんてどうかしてるかと思いますが、それもこれも二ヶ月近く前から嫁ハンが十年目の結婚記念日だとアピールしてきたためなのです。でも、去年も十年目だとか言っていた気がします。
新潟でイタリアンと言えば、フレンドとみかづきの柔らかいミートソースぶっかけ焼きそば風味なんですが、こちらは八海山麓の風土が香る生粋の魚沼イタリアンのお店でした。
向かったお店は、JR浦佐駅のすぐ近く「和伊’sダイニングBar Grassa グラッサ」。とっても美味しい料理を食べてきました。
雪国A級グルメとは
雪国A級グルメは、食材の情報公開を行い安心・安全な食を追求する日本初の試みなのだそうです。
新潟の魚沼市、南魚沼市、湯沢町、十日町市、津南町、群馬県みなかみ町、長野県栄村の広域7市町村が、一体となって観光客を迎えようと発足した「雪国観光圏」。その雪国観光圏が雑誌「自遊人」をプロデューサーに迎えた食のプロジェクトです。
雪国A級グルメの要旨は以下の3点。
- 生産地の情報公開を行い、安心・安全な食を追求する日本初のプロジェクト。
- 地場の食材を使い、雪国伝統の調理法を生かした本物の味。
- 化学調味料や必要以上の食品添加物に頼らずに調理したもの。
A級グルメといっても決して高級料理を示すものではなく、その登録・認定要件は、「食材の産地を公表できること」、「安全性に配慮した食材を、雪国伝統の調理方法で提供すること」。
三歳になる我が家の息子は、最初に受けたアレルギー検査で結構強い反応が出てしまい、随分と食べ物に気を使ってきました。家での食事はもちろん大変なのですが、外出したときが更に大変なのですね。自然食を扱っているようなお店を見つけるのは意外と難しいので基本はお弁当だし、まちなかだとお弁当を食べさせるところを探すのも一苦労ですからね。
最近の検査ではアレルギーの時期を乗り越えたことがわかって、だいぶ楽にはなってきましたが、やっぱり口に入れるものは安易な食べものに流されないように気を使っていきたいです。最近はおっさんである私のほうが、アレルギー時限爆弾に悩まされるようになってきたのが更なる問題です。
和伊’sダイニングBar Grassa グラッサ
店はJR浦佐駅のすぐ近くでした。
上越新幹線というSPEEDIなタイムマシーンを作った角栄像に手を振り、お店に入ります。
思ったより広い。
テーブル席が3つ、4つとカウンター席で20席ほど。また、二階のテラス席や個室もあるそうで、計30席のようです。事前に3歳の子供と一緒に行くと伝えてあった私たちには、和の個室が用意してありました。こういう気配り嬉しいです。
コースなどは頼まずに、メニューを見ながら食べたいものを決めました。本日のオススメなどが書かれた黒板もあります。
キャベツの温サラダ アンチョビソース
おお、やべえ。なんかオサレっぽいのが出てきました。
キャベツの中の柔らかい人がドーム状に膝を抱えてうずくまり、アンチョビソースがかけられています。蒸されたキャベツは甘く、アンチョビソースの塩気が抜群で、このソースをご飯にかけて食いたいです。
ピザ,マルゲリータ… M
ボローニャ風ミートソースのタリアテッレ
津南ポークの骨付き豚ロースのロースト,バルサミコソース
ピザは薄くモチモチした生地のもの。チーズとオリーブオイルがたっぷりかかって、たまらない美味しさです。ご飯に乗せて食べたい。
パスタはタリアテッレを頼みました。平打ちの麺で、麺それ自体がモチモチですっごく美味しいです。こちらのお店、調理に使うお水はすべて八海山の湧き水を使用しているそうです。そのせいもあるんでしょうかね、とにかく麺が美味いのです。ご飯に乗せて食べたいです。
そして津南ポークのロースト。
「小さい。でも美味い。」みたいな小洒落た肉が来るものだと思ってたら、野球のグローブみたいな、美味くてデカくて豪快な肉が来た。厚いお肉なので、ローストするのに時間がかかる。
このお肉が出てくるころには嫁ハンは腹一杯の様子で、4/5は私が食べることになりました。もう食えねえぞ。
脂身がとにかく甘く、塩コショウが効いている。
嫁ハンにあまり脂身を食わせてもらえなかったのが残念ですが、角煮のように脂身と肉本体を同時に口の中に放り込むのが正解ですね。ちっと酸味のあるバルサミコソースをつけて食う。脂の甘味に塩胡椒、そして肉の旨みとソースの酸味で昇天します。
ご飯にソース吸わせて食いたい。
このお肉は2500円。ちっとばかし奮発して頼んだんですが、これ4,5人で来てツマミとして頼んでも充分ですね。駅の近くなんで、ワインを呑んだくれても安心だ。
もっと評価されてほしいな
雑誌「自遊人」は、元々東京の日本橋に編集部があったのですが、編集部ごと新潟に引っ越してきたそうです。食や温泉を扱う雑誌であったことと、編集長の岩佐さんのコメ作りへの興味。そして、大手出版社に対抗するためのコスト削減の一環として、2004年には湯沢へ、そして2006年には南魚沼市へと移ってきたそうです。最近では温泉宿も経営しているという。
実売部数では同類誌の中でもサライに次ぐ第二位だとか。こんな雑誌が新潟に来てくれて、そしてこんなプロジェクトを手がけてくれるるなんて嬉しいですね。
icoroの中では時々話題になるのですが、山奥の旅館で蟹をはじめとした海鮮料理が出てくる、通称「山蟹問題」があります。通称は今考えました。
夕食にはその土地とは関係のない、思考が停止したお決まりの御膳が並べられる。地酒が沢山ある新潟なのに、首都圏のスーパーで買えるようなお酒しか用意されていない。掃除も行き届いていなく、せっかくの温泉には蜘蛛の巣が張っている。
温泉しかない田舎だから若者は出ていくし、何にもない田舎だからお客も来やしませんか。でも、訪れるお客はいるわけだし、そのお客さんにとってみたら、その1回がそのお店の、そのお宿のすべてになると思うんですよね。
山海の幸が揃ったお料理を望んでいるわけではないし、豪華絢爛な設備を求めて田舎に来ているわけではないと思うんです。きちんとした手仕事、行き届いた掃除、訪れた人を楽しくさせようとするサービス精神。そんなものが大事なんじゃないかな。人がいなくて暇なんでしょ?だったら、掃除する時間あるよね。
雪国A級グルメに認定されるようなお店はもっと評価されてほしいし、山蟹問題なお宿はもっとこういう取り組みを見習ってほしいです。思考の停止した”おもてなし”の大合唱はいりませんから、訪れる人が何を求めて来ているのか、何がおもてなしなのかを考えてほしいです。
JRでは雪国観光圏の電車やバスが二日間乗り放題になる、雪国観光圏パスなるものも発売しているようですね。都会の皆さんも、是非新潟で美味しい料理と自然を味わってみてください。
あ、お食事は昼飯でした。贅沢したんで晩御飯はお茶漬け一杯です。
関連リンク
- 南魚沼市・浦佐駅近く、イタリア料理~和食、手打ちそば 和伊’sダイニングBar Grassa
- 雪国A級グルメ 食材の情報公開に本気で取り組んだ日本初のプロジェクトです
- 自遊人 編集部 – Yahoo!ブログ
- 雪国観光圏|小説雪国や北越雪譜で描かれた自然や文化を今に伝える地域
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