ちょっと時間が経ってしまいましたが、春、夏と続き、新潟県立歴史博物館の秋季企画展「にいがたの土偶」の内覧会に行って参りました。「縄文」というと反射的に「火焰土器」を思い浮かべてしまう長岡人ですが、馬高の土偶も国指定重要文化財なんですよねー。
それでは早速ですが、テープカッターズのご紹介です。
今回のテープカッターズは左から、
- 新潟県立歴史博物館館長 中島太郎
- 財団法人新潟県埋蔵文化財調査事業団 調査課長 北村亮
- 新潟日報社 取締役 広報事業部長 栗山和広
- 新潟県立歴史博物館友の会 会長 鈴木重壱
となっております。(敬称略)
今回はこれまでは無かったカメラ目線タイムも設けられました。「目線お願いしマース!」って声あげたらそれっぽくて良かったかな?
はい、カットー。
自分、左利きなので、もし仮にテープカッターズに選ばれたらどうしたらいいのか、テープカットを見るたびに思うんですよねぇ。どうでも良いことですけれども。
開門ー。
内覧会!
通常、こういった展示では縄文の初めから最後までを並べる事が多いそうですが、今回の企画展は土偶の中でも縄文中期のものに焦点を絞った展示となっております。展示は地域ごとにまとめられており、それぞれの地域での形の違いなんかが分かりやすくなっています。
入口にあるのは国指定文化財になっている馬高遺跡の土偶 a.k.a. 「ミス馬高」。ケースは360度観察することができ、ミス馬高の頭頂部も見ることが出来るという、マニアにはたまらない展示方法となっています。
全体に、とにかく展示品の数が多いです。並べられるだけ並べました、という感じ。
こちらは長野県の姥ヶ沢遺跡の土偶。土偶はバラバラな上に一部がなくなっていることが多く、こんな風に完全な形で見つかるのは珍しいんだとか。
この土偶は、大英博物館で開催された「The Power of Dogu」に出品されたことから、海を渡った土偶として地元では愛されているそうで、昨年、「姥ヶ沢ビーナス」という愛称も決定されました。
歴博の中の人が、姥ヶ沢ビーナスを保存している中野市立博物館の中の人とお友達だそうで、「貸してー」と言ったら「いいよー」と快諾してくれ、今回、展示出来ることになったそうです。友達って大事。
ポスターに使われている吉野屋遺跡の土偶。写真中程にある、半分黒くなってる土偶がたぶんそれと思われます。ポスターの写真と色調が違うので、当日は気が付きませんでした。。
土偶と一緒に土版なども展示されています。この三角形土版は大きな遺跡で見つかることが多いそうです。発掘中にこれが見つかると「でかい遺跡くるぞ……!」と調査員の心がざわめくとかざわめかないとか。
展示の後半(全体の1/3くらい)は「発掘された新潟の歴史2011」と題された埋蔵文化財調査事業団による展示となっています。
歴博的推し土偶はこれだ!
「歴博的に推していきたい」と言っていた土偶がこちら。
会場中程にある長峰遺跡の土偶です。ポイントは、上半身に長山タイプの特徴がみられ、下半身に棚畑タイプの特徴がみられるところ。
巻き髪状の囲み(カッパみたいな頭)や後頭部にあるお下げ髪状の表現(写真では確認出来ませんが)は長山タイプの土偶にみられる特徴です。一方、棚畑タイプの土偶は豊かな腰回りと出っ尻、左右の足の長さが異なる太く短い足が特徴。
この長峰遺跡の土偶はその長山と棚畑、二つの異なるタイプの特徴を併せ持つ、ハイブリッドな土偶なのだそうです。
そんな感じ
今回の展示は、今までに比べて展示数が多いです。点数が多すぎて何をどう見たら良いのか分からない! というレベル。なんとなく眺めていてもなんとなく違いが分かるかもしれませんが、「推し土偶」にポップが付いてたりしたら良いんじゃないかなぁ、と思いました。「歴史的に今キテる土偶」みたいな。
そして、このうちわの存在を覚えている人はいるかな? このうちわを提示すれば、観覧料が2割引になるぞ!
他にも過去の半券で2割引、企画展のフライヤーに付いている割引券で100円引、JAFの会員証の提示で100円引になります。
土偶展だから埴輪のぬいぐるみかー。……って、アレ?
歴博友の会のブログによると、あれからショップのラインナップがさらに充実し、土偶のレプリカなんかもあるみたいですよ。毎度おなじみの歴博お値打ち企画展図録、今回はなんと600円での提供となっております! 埴輪のぬいぐるみは買わなくても図録は買うべき!