夏を乗り切るために食べるもの、そしてばあちゃんを思い出す味……それがクジラ汁なのであります。暑い中でこの熱々のクジラ汁を飲めば夏バテ知らず! この風味がたまらない!
クジラ汁の作り方
クジラについて
鯨肉というと赤身を想像する人が多いかと思いますが、クジラ汁に使うのは皮と脂身の部分。塩漬けにされているので「塩くじら」とも呼ばれ、写真のようにスライスしたもの、または5mm〜1cm幅の細切りになっているものがパック入りで売られています。
夏になると新潟県内、少なくとも中越地方のスーパーならどこでも手に入ります。今回は「イオン県央店」で購入。「原信」なら間違いなくあります。
ちなみにばあちゃん世代の「くじら」のイントネーションは「く↑じら」。田んぼや畑、ウサギ、後ろと同じく、3文字の単語は最初の文字にアクセントがくる現象が発生。
野菜について
クジラ汁になくてはならない野菜、それはナスとユウゴウ! ユウゴウとは夕顔(ユウガオ)のこと。ユウガオが訛ってユウゴウまたはユウゴと呼ばれます。花を観賞するユウガオとはまた別の品種です。ユウガオが手に入らない場合は冬瓜で代用可。(試したことはないですが、ユウガオと冬瓜の食感は似てます。)
今回はシンプルにナスとユウガオだけで作りましたが、うちではこの他にじゃがいも、カボチャ、玉ねぎ、インゲンあたりも入れることがあります。
材料:お椀5〜6杯分
- 水:5カップ
- ナス:200gくらい
- ユウガオ:200gくらい
- だしの素(本だし):小さじ1〜2
- クジラ(脂身部分):40〜50g程度
- 味噌:適量
手順
- 野菜を一口大に切る
- クジラを5mm〜1cm幅に切る
- お湯が沸いたら鍋に本だし、ナス、ユウガオを入れる
- 野菜に火が通ったらクジラを入れ、ひと煮立ちさせる
- 味噌を入れて完成!
1. 野菜を一口大に切る
野菜は一口大に切ります。切り方は各ご家庭で異なると思いますのでお好きな形でどうぞ。
ユウガオは厚めに皮を剥きます。こちらも一口大にカット。母に聞いたところ、「皮はもうちょっと厚めに剥いてもいいかも」という助言を頂きました。
2. クジラを5mm〜1cm幅に切る
すでに細切りになっているものはそのまま使えばOKです。
3. お湯が沸いたら鍋に本だし、ナス、ユウガオを入れる
本だしを入れ、ナスとユウガオを煮ます。じゃがいもやカボチャなどの硬い野菜を入れる場合は水から入れて煮てください。
ユウガオは火が通るとうっすら透明になってきます。
4. 野菜に火が通ったらクジラを入れ、ひと煮立ちさせる
クジラを入れてひと煮立ちさせます。台所にクジラの香りが広がります。
5. 味噌を入れて完成!
クジラに塩気があるので味噌は少なめでいい場合もありますが、クジラの油でしょっぱさを感じにくくなるので、味を見ながら味噌の量を調節してみてください。基本的にはみそ汁や豚汁と同じ濃さでOK。でも自分はちょっとしょっぱめのほうがおいしく感じます。
これで完成!
完成したくじら汁
クジラは53g入れましたが、かなりたっぷり、贅沢な感じになりました!
クジラから出た油によって表面に膜が張り、いつまで経っても熱々! そしてこのクジラの風味がたまらない! 「うぉー! 夏だー!」という気持ちになります。あ、クジラはプニュプニュ、ゴムゴムした食感です。皮の部分はちょっとかため。
しかし、食べ慣れていない人は「うわぁ……なんかくさい……そもそも台所がくさい……あ、そんなにいっぱいはちょっとムリッス」となる可能性が高いです。くさみが気になる場合は生姜やみょうがをちょっと入れるといいかも。調べてみたところ、クジラを湯引きしてから使う方法や、臭み取りを兼ねてネギやゴボウを入れるレシピもありました。でも私はがっつりクジラの風味があるのが好きです! 大好きです!!
そんな感じ
今回買った鯨肉(塩くじら)は698円/100gでしたが、商業捕鯨再開で今後は値段が下がってくるのかも? 「安ければもっと気軽にいっぱい食べられるのになぁ」と思う、夏の風物詩なのでした。