「蚕のさなぎ田舎炊き」はいわゆる佃煮です。長野県松本市のど真ん中にあるスーパーで発見したのでした。

ホントは蜂の子が欲しかったのですが、予想外にお高くて今回は断念しました。シーチキンの缶詰サイズで1,000円以上。そして、蜂の子の缶詰がPB(プライベート・ブランド。イオンの「トップバリュー」みたいな)商品になっていたのには驚いた。
他になんか面白そうなのないかなーと思って佃煮コーナーを眺めてみたら、イナゴの佃煮と並んで「蚕のさなぎ田舎炊き」なるものを発見。こ、これは……!

サナギの佃煮を「これは……!」と思って見ていたら、脇からおっちゃんが手を伸ばして普通にカゴに入れた光景を、私、忘れない。まるで晩酌のつまみを放り込むかのような、あたかもそうすることが日常であるかのような自然な動き。ただものではないなっ?!(ただのおっちゃんです。)
だから自分もおっちゃんにならって、あくまで自然なアクションでカゴに入れたった。郷に入りては郷に従え。
そういえば、諏訪湖に泊まったとき見たケーブルテレビで、「この辺(諏訪地域)では養蚕が盛んだった」と言う話をしていました。養蚕に従事する人のための飲食店が軒を並べていたとか。どんだけ。
カイコの佃煮は長野市内ではあんまり見たことがないので、中信以南なんでしょうか。でも、諏訪のイオンでは見なかったなぁ。イナゴの佃煮と蜂の子はあったけれども。
イナゴの佃煮はもう別に珍しくも何でもないので今回はスルー。たまに新潟県内でも目にします。海老みたいな食感と味です。おいしいと思う。
実食
夜書いた文章を朝読んで消す。そんなことをした経験のある人は多いと思います。その時の興奮から冷めて冷静になると「なんでそんな事したんだろう……?」と後悔する。人は、後悔の生き物です。
つまりなにが言いたいかというと、なんでこれ買った。これカゴに入れた人誰?! 責任持って食べろよってそれオレだー。

パックされた状態ですが、結構、独特の臭いがします。最初、ラップになんかの臭いがついてるのかと思ったのですが、そういうわけではありませんでした。何とも言い表しがたい臭い。あえて言うなら植物性? 和紙の原料をぐらぐら煮ている部屋に入ったらこんな臭いがしそう(あくまでイメージです)。
てか、あれだ、魚釣り用のエサでこんな臭いのがあった気がする。そういえば、魚釣りのエサでサナギってあるな……




開封したものの、なかなか手を出さないicoroズ。今回、icoroズは虫系食材があまり得意ではないことが判明致しました。シュールストレミング食べるのに? いや、シュールはあれ、魚じゃん! フィレになってるし! これ、まんま虫じゃん! だれだよこれかごにいr(ry
しかしこのまま膠着状態でいても仕方がない。ここまで来たら食べるしかないだろ!
……と、岡本が意を決してサナギを箸で持ち上げた姿を見て、関根が「あわわわ……」と奇声を発し、その奇声に「びっくんちょっ!」とした岡本がサナギを落として「にゃっ!」と声を上げ、その声に関根が「びっくんちょっ!」となり、その気配に岡本がさらに「びっくんちょ!」となる悪スパイラル。
しかししかし、こういうのは後になればなるほどダメになってくのが世の常。考えたらダメだ。こういう食べ物だ。あのときのおっちゃんも普通に食べてるんだ! とりあえず口に放り込め! GO! オレGO!

口に入れて噛んだ食感は、しけたクッキーみたい。もしくは、カントリーマァム。からんっ!という乾いた音がするくらいなので、もっとパリパリした食感なのかと思ってました。
味は海老。そりゃもう海老の風味を凝縮したような海老味というか海老風味がします。虫が海老味なのか、海老が虫味なのか。そして、それとは別にややえぐみのある独特の後味があります。この感じ、前に福島の道の駅「安達」で食べた「和紙ソフトクリーム」に似ている。

「ひょっとして?」と思って調べてみたら、やっぱり、コウゾはクワ科でした。和紙ソフトクリームに似ているという感想はあながち的外れではないかも。気になる人は和紙をもちゅもちゅしてみたら良いと思うよ!(ほんとかよ?)
そんな感じ
そんな感じのカイコのサナギの佃煮。何回か長野に出かけて、スーパーにも入っているのですが、カイコのサナギの佃煮は今回始めて見ました。あとはザザムシの佃煮か……食べられるかな……
とりあえず、関根は完全にK.O.されてました。「カイコの羽根になる部分が分かるんだ……感じるんだ……!」などと意味不明の供述を繰り返しているとのことです。自分は、一度口にしてしまえば、あとはいける、かな……と言う感じ。でも、時間が空くとまた抵抗が復活してしまうかもしれないかもしれないかも。
みなさまも、長野で見かけたらお試しあれ!