長岡市立科学博物館で、本物の「火焔土器」を見てきました。
世の中に「火焰型土器」は数あれど、「火焔土器」はひとつしかありません。なぜなら、馬高遺跡で一番最初に発見された土器だけが「火焔土器」であり、その後に発見された「火焔土器」に似たものは「火焔型土器」だからです。
そんな世界で唯一の「火焔土器」ですが、実は長岡市立科学博物館に所蔵されています。なんとなく、歴博(新潟県立歴史博物館)に置いてありそうな気がしますが、歴博には火焔土器のレプリカしかありません。
そして、その「火焔土器」がこれです。
展示室にフツーに置かれている上に、なんとなく作り物っぽい雰囲気が漂っているため、「これ、ホントに本物なのか?」と思ったのですが、一応、帰り際に博物館の職員さんに聞いたら「本物です」とのことでした。
この「火焔土器」、2004年の中越沖地震の時はちょうどドイツに出張していた(貸し出されていた)そうで、運良く震災を免れています。
ジャパンファウンデーションでは、文化庁と共催でドイツ連邦共和国ライッス・エンゲルホルン博物館(マンハイム)及びマルティン・グロピウス・バウ展示館(ベルリン)において、日本の旧石器時代から奈良時代にわたる考古資料を展示する展覧会を開催しました。国際交流基金 > 文化芸術交流 > お知らせ > 最新情報 平成16(2004)年度 > 海外展「日本の考古−曙光の時代」の実施について
そして、このとき、火焔土器の代わりにこの場所にいた火焰型土器(旧三島町 千石原遺跡 出土)は、免震台に乗っていたにもかかわらず、転倒して破損しています。
もしドイツに行ってなければ、「火焔土器」がこうなっていたかもしれなかったんですね。
地震後は地震対策が強化されて、アクリルの支柱で支え、さらにテグスで固定されています。よく見ると、転倒防止のためのテグスが当たる部分に、ビニル管があてられていて、テグスが土器にくいこまないようにしています。
土器を支えるアクリルの支柱の先にもフェルトのような布がついています。
歴博の縄文時代の展示と共に、長岡市立科学博物館の「火焔土器」を見てみてはいかがでしょうか。
長岡市立科学博物館
所在地 | 新潟県長岡市柳原町2-1 柳原分庁舎内 |
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TEL | 0258-32-0546 |
開館時間 | 9:00-17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 第1、第3月曜日(祝日の場合は翌日) 12月28日から翌1月4日まで |
入館料 | 無料 |
ウェブサイト | http://www.museum.city.nagaoka.niigata.jp |