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もう切り替えた?今さら電力小売全面自由化をまとめてみた

Date 2016/06/19 20:38  Author Yutaka  Tags サービス 割引
雪国型メガソーラー発電所竣工式

 今年2016年4月1日に電力自由化がはじまって数ヶ月経ちましたが、みなさん、もう新電力に切り替えましたかー?

 これまで電気のサプライチェーンは発電も送電も小売も全部、東京電力や北陸電力などの電力会社が担っていました。

 これが電力自由化によって「発電」、「送電」、「小売」の3つの部門に分けられ、また、「発電」と「小売」に関しては従来の電力会社以外の事業者も参入できるようになりました(送電に関しては現時点でまだ従来の電力会社が担っています)。この新規参入してきた事業者を「新電力(PPS: Power Producer and Supplier)」と言います。

電力供給の仕組み|電力小売全面自由化|資源エネルギー庁
電力供給の仕組み|電力小売全面自由化|資源エネルギー庁 より

 いや、正確には発電への参入はもっと前からはじまってたし、この4月1日からはじまったのは「電力小売全面自由化」なのですが、まああれだ、こまけーこたいいんだよ。

新電力とは

 そんなわけで、ひとくちに「新電力(PPS)」と言っても発電してるところと小売りしてるところが含まれるわけですが、イチ消費者が接するのは小売部門だけだと思うので、なんとなーく「新電力(PPS)」と言われたらなんとなーく小売部門のことを言ってるのだと思って問題ないと思います。

 ケータイ業界ではここ数年、「格安SIM」という触れ込みでMVNO(Mobile Virtual Network Operator)が出てきています。あれは、大手キャリア(docomo、SoftBank、au)の通信網を借り、そこに付加価値(多くの場合、「安い」が売り文句)をつけて消費者に提供しています。
 「新電力」もそれと同じようなもので、電力会社の発電した電気を購入して、消費者に提供するという電気のMVNOみたいなことをしています。

Xperia E4
格安SIMのひとつ「FREETEL SIM」。中身はdocomoのSIMです。

 電気の小売なので、発電施設を持ってなくても事業者として参加できます(もちろん、自前の発電施設を持っていているところもあります)。このため、電力会社以外に石油、建築、通信など、さまざまな業種の会社が新電力として参入しています。

しなければならないことはあるのか

 自由化の開始にともなって今すぐ消費者がやらなければならないことはありません。少なくとも2020年3月末までは従来の電気料金メニューが残ります。したがって、「自由化がはじまったので早く電力契約を変更しないと電気が止まりますよ」とかいうのはだいたい詐欺なので気を付けましょう。

 ちなみに2020年3月末以降どうなるのかはまだよくわかりません。

自由化で発生するメリットは

 一番分かりやすいメリットは電気代が安くなる場合があること。たとえば、石油会社が運営する新電力なら電気代に加えてガソリン代も安くなったりする、という感じです。割引の仕組みとしては「ケータイと一緒に光回線を契約すると月額使用料が安くなりますよー」とかいうケータイ会社の「セット割」と同じです。
 既に契約しているガス会社やいつも使っているガソスタが新電力事業に参入しているか調べてみましょう。

 また、料金プランが様々存在するのも新電力のメリット。たとえば、別荘や離れなど、ふだん電気を使わない家の場合、完全従量制の基本料金0円プランを利用すれば、毎月の料金を抑えることができます。

 あと、新電力によってはガス発電や自然エネルギー推しの新電力とかあるので、脱原発な人はそういうところと契約するといいと思います。

新電力の例

ガソスタ系

 石油会社が運営する新電力はガソリンが安くなったりします。車をよく運転する人はお得かも。また、ガソスタ系はガス発電などに力を入れている事が多いようです。

通信系

 ケータイや通信の会社が運営する新電力は月々の通信料が安くなったりポイントバックがあったりします。

基本料金0円

 まだ数は少ないですが、基本料金0円などの変わった料金体系を提供している新電力もあります。使い方によっては電気代が安くなるかも。ここで挙げている「Looopでんき」は自然エネルギーにも力を入れています。

新電力にはサービス提供エリアがある

 新電力はどこでも利用できるわけではありません。会社によっては東京電力管内のみとか東京電力・中部電力管内のみなど、サービス提供エリアが限定されている場合があります。「お?」と思ってよく見たら自分の住んでるところではサービス提供してなかった……とかあるぞ!

新電力に切り替えるには

 新電力に切り替えるには、新電力のサービス窓口やウェブサイトから申込みをするだけです。切替に際して、現在使用している電力会社との解約手続等のやりとりは基本的に必要ありません。そのへんは電力会社のほうでやってくれます。

 切替に当たっては以下のような項目が必要となるのであらかじめメモっておきましょう。番号の類いはだいたい検針票に記載されています。

  • 現在の電力会社名
  • 現在の電力会社のお客さま番号
  • 供給地点特定番号(22桁の番号)
  • 切替希望日
  • 本人確認書類(運転免許証など)

スマートメーター

スマートメーター
左が従来の電力メーター、右がスマートメーター。 / スマートメーター設置に係る状況等の報告について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社 より

 新電力に切り替えると家の電気メーターが「スマートメーター」というハイテクメーターに変わります。スマートメーターへの交換費用は基本的にかかりません。無料です。
 スマートメーターは電力量を通信網を使って電力会社に送信するので、毎月の検針のおばさんとのふれあいがなくなります。また、アンペア契約の変更や電力会社の切替なんかも遠隔操作でできるようになったりします。

 ちなみに、今後、電気メーターは(新電力に切り替えなくても)順次スマートメーターに切り替えられていくみたいです。懐古厨は今のうちに写真に収めておきましょう。

契約している新電力が倒産したら

 新電力は電気を小売してるだけなので、契約している新電力が倒産した場合は別のところが受け入れ先になったり、別のところと契約し直しになったりするだけです。倒産にともなって、ある日突然電気が止まるということはありません。
 電気は重要なインフラなので、そのへんは止まることのないようちゃんと考えられています。たぶん。

まだあわてるような時間じゃない

奥清津発電所 Okky

 というわけで、ざっと電力自由化についてまとめてみました。

 ざっと見た印象では、東京電力、中部電力、関西電力以外はまだあんまり選択肢がない感じです。また、各社が出しているプランも、今のところ、特別大きな差はないっぽいので、まだそんなにあわてて切り替える必要はなさそうです。もうちょっと市場が安定するまで待ってみるのも手。

 月額基本料無料とか、定額とか、ちょっと高いけどその分自然エネルギーに投資してるとか、今後いろんなプランの出てくる可能性があるのはおもしろいとは思います。ただ、とりあえず電気が使えればいいという大多数の消費者にとっては面倒が増えるだけ、と言えば、まあ、そうかもしれません。

 ケータイにしろ電気にしろ、選択肢が多くて、下手すれば知らなくて損することもあります。消費者も賢くならなければいけない時代になりつつあるのかもしれませんね。世知辛ぇ。

参考

かんたん解説!! 1時間でわかる 電力自由化 入門 (NextPublishing)

  • 著者/訳者:江田 健二
  • 出版社:good.book ( 2016-01-25 )
  • Kindle版:75 ページ
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