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初期の乳がん治療記録 – 乳がんと診断されるまで

乳がん治療

 この度、家族に乳がんが見つかったのですが、無事に手術、そして放射線治療が終了したのでここまでの流れをレポートしていきたいと思います。まずは乳がんと診断されるまで。がんによってくぼみ(へこみ・えくぼ)のできた乳房の写真ありです。

はじめに

患者について

  • 年齢:60歳前後
  • 性別:女性
  • 妊娠・出産経験あり
  • 既往歴:10年ほど前に乳腺線維腺腫の摘出手術を受けたことあり

 関係はたぶんバレバレだと思いますが、一応ふんわりさせておきます。

過去の病気:乳腺線維腺腫

 今から10数年前(40代後半か50歳頃)に右胸上部にしこりがみつかり、針生検の結果、乳腺線維腺腫(良性の腫瘍)と診断され切除手術を受けたことがありました。腫瘍は日帰り手術(局所麻酔)で摘出。大きさは卵1個分ほどで、乳腺線維腺腫としては大きかったようです。
 局所麻酔はしているものの大きかったためか術中に痛みあり、また帰宅後にも強い痛みがありました。術後数年間は長さ3cmほどの傷跡が残りましたが、10年以上経った今ではほとんどわからなくなっています。

その後、健康診断でチェックを続けていた

 良性とはいえ、過去に乳房に腫瘍ができたこと、また親族(本人から見て叔母)が乳がんだったこともあり、職場で受ける検診や市町村の健康診断などでマンモグラフィーなどの乳房・乳がんに関する検査は積極的に受けるようにしていたそうです。間接的にですが、それが早期発見に繋がることになりました。

乳がんと診断されるまでの流れ

乳がん治療

2017年11月:健康診断でひっかかり要検査に

 2017年11月に受けた市の検診で右胸の石灰化を指摘され、「要受診」という結果に。乳腺線維腺腫のときにかかっていた総合病院の乳腺外来に予約を入れました。
 予約が取れ、検査を受けたのは翌年2月。マンモグラフィー・エコー検査の結果、「石灰化はあるものの異常はないのでしばらく様子見で。今後も半年に1度の検査を続けて行きましょう。では次回は7月か8月に」となりました。

夏の検査前に左胸に違和感、胸にくぼみをみつける

 夏に入れた検査予約を前にして、石灰化を指摘された右胸ではなく、左胸にジンジンまたはズキーンとした軽い痛み(違和感)を感じることが。

 違和感が気になったので鏡の前でセルフチェックをしたところ、腕を上げた時に左胸の下にくぼみができるのを発見したそうです。

乳がん治療
初期の乳がん(硬がん)による乳房のへこみ

 写真は乳がんと診断されてから撮ったものです。左胸の下部、ブラのワイヤーが当たる部分にへこみがありました。なお、このように乳房の中心から離れた場所に乳がんができた場合、マンモグラフィーで発見できない可能性があります。セルフチェックが大切です。是非参考にしてください。(撮影協力、本当にありがとうございました。)

2018年7月末:病院で検査

 マンモグラフィーとエコー検査を実施。検査の時に「検診で引っかかった右胸ではなく、左胸に違和感とくぼみがあるのですが……」と検査技師さんに伝えたところ、技師さんがなにかしらの異変に気付いた様子で「もう数枚、角度を変えて撮影しますね」という感じに。気になったところを伝えるの、すごく大事です。

検査から1週間後、「乳がんの疑いあり」との診断

 検査から1週間後、医師から検査結果の説明を受けるために受診。検診でひっかかった右胸は「石灰化はあるが今のところ異常なし」、そして痛みとくぼみがあったことを自己申告した左胸については「乳がんの疑いあり」という診断結果となりました。

生検

 「乳がんの疑いあり」と言われたその日のうちに生検(針生検・コアニードルバイオプシー)を受けました。

 生検は部分麻酔で実施。この時に渡された注意事項などが書かれたプリントには「針生検とは?」「乳がんの確定診断やがんの性質を判定する検査です」との文字があり。

針生検後、検査当日の注意事項

  • 重い物を持ったり、激しい運動は避ける
  • ガーゼによる圧迫は翌日まで続ける(圧迫するために下着(ブラジャー)は就寝まで着けることをおすすめする)
  • 入浴不可。針を刺したところを濡らさないように注意し、下半身のシャワー程度にする
  • 飲酒不可

 針生検の結果を聞くための次回の診察予約(約1週間後)をして帰宅しました。

8月のはじめ:乳がんと診断される

 この時は私も付き添いで診察室へ。医師から「検査の結果、硬がんという種類の乳がんです」と説明・診断を受けました。以下、医師から言われたことをざっくりとまとめました。

  • 乳がんの中の「硬がん」という種類のがん
  • 画像からガンの大きさは5mmくらいと予想される(この後のCT・MRIでより詳しく調べる)
  • サイズから見て比較的初期のがんだと思われる
  • えくぼになってるのを本人が気付いて良かった
  • マンモグラフィーでは発見できなかった(検査範囲からはずれた場所にあったため)
  • ホルモン治療が効く型である可能性が高い
  • 今後の流れはCTとMRIで転移がないかを確認。その結果を見て手術へ
  • 全摘か部分切除かは検査結果が出てから決定
  • 手術は全身麻酔で行う

 ちなみに家族・本人へのがん告知の確認はありませんでした。診察室に通され、一緒に入った私の続柄を確認後すぐに診断結果を告げられました。

告知されたその日に手術に向けての検査

 医師の所見を聞いたあとは看護師さんから手術までに必要な検査の説明を聞き、その日のうちに全身麻酔に向けた検査(尿検査、血液検査、胸部レントゲン、肺活量の測定など)を受けました。いままでは検査・一週間後に結果・また検査・結果……という感じで先が見えなかったのですが、がんと診断された途端、一気に進んでいきます。

 検査の待ち時間を利用して各種同意書・問診票の確認・記入、サインも行いました。「感染症に関する同意書」(肝炎・HIVウィルスを調べることは個人情報にあたるため)、CT、MRI、麻酔それぞれの同意書と問診(アレルギーの有無、過去の大きな病気、血縁者に麻酔で体調が悪くなった人がいないか)等を記入。

 各種検査を受け、CTとMRI検査を受ける日とその検査結果を聞く日(CT・MRI検査から1週間後)を予約して帰宅となりました。

8月中旬:CT・MRI検査

 ガンの大きさを確認するためにCT・MRI検査。あわせて2時間ほどで検査は終了。

8月下旬:医師の診断。CT・MRIの結果、手術・入院日を決定

 この日は事前に「家族も一緒に来て下さい」と言われていました。CT・MRI検査の結果、「全摘ではなく、部分切除で大丈夫でしょう」とのこと。「部分切除後に放射線治療を組み合わせることで、全摘と同じレベルの再発防止が期待できる」など、全摘・部分切除のメリット・デメリットもあわせて聞きました。
 部分切除の方向で進めるものの全摘となる可能性もゼロではないため、全摘になった場合の乳房再建手術の意向も聞かれました。手術時に再建のための処置をするため、あらかじめ決定しておかないとのこと。一応「再建手術は不要」という考えを伝えました。

 現在混み合っているため、手術は最速で10月の初め頃。今後の予定や家族の都合などをすり合わせ、10月の中旬に手術を受けることにしました。

手術時点での診断

乳がん治療

以下、「病状説明書」からの抜粋です。

  • 左乳がん TⅠN0M0(8mm)→ステージⅠ
  • 方針:乳房温存手術(部分切除)+センチネルリンパ節生検
    (リンパ節転移陽性の場合は腋窩リンパ節郭清を施術)
  • ガンの大きさは8mm程度、周りを大きめに取って1.5cmほど切除予定

書かれている「T1」「N0」「M0」などの意味を調べたところ

  • T1:腫瘍やしこりが2cm以下のもの
  • N0:リンパ節転移なし
  • M0:遠隔転移なし

 という意味でした。

そんな感じで発見・手術という流れに

乳がん治療

 ここまでの流れをざっくりまとめると

  • 2017年11月:健康診断でひっかかり要検査
  • 2018年2月:病院で精密検査→異常なし→半年後にもう一度検査、次回の検査を予約
  • 夏前:胸の違和感、へこみに気付く
  • 7月下旬:予約していた再検査を受ける
  • 7月末(再検査から約1週間後):乳がんの疑いありという診断。生検実施。
  • 8月初旬(生検から約1週間後):乳がん(硬がん)と診断される
  • 8月中旬(診断から約10日後):CT・MRI検査
  • 10月中旬:入院・手術

 混んでる病院でこのような流れだったので、空いている場合はもっと早く手術を受けられるのではないかと思います。

気付いたこと:目が悪い人は眼鏡を忘れずに

 診断結果や数値などは医師の使っているパソコンの画面を見ながら説明をされることが多いです。文字が小さくて見えにくいので、「運転時にだけ眼鏡をかける」くらいの視力の人は眼鏡を持っていったほうがよいです。

気付いたことその2:家族間の情報共有は是非早めに

 「家族と一緒に来て下さい」と言われたのは入院日を決める段階になってから。もしも患者本人が家族に言い出せなかったり、隠して通院していた場合、家族はこの段階で病名を知ることになります……たぶん、てんやわんやになります。

 我が家は早い段階で家族で情報共有、生検の検査結果を聞く時点(がん告知の時点)から付き添うことができたので、手術日の決定や各種書類へのサイン、手続き等、スムーズに進めることができました。
 また、本人は診断結果を受け止めることに精一杯で、説明を聞き逃してしまったり、その場で質問が浮かばなかったりしがちです。家族がフォローに入れると患者自身も安心です。

 次回は入院と手術の流れをお伝えします!

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