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初期の乳がん治療記録 – 入院・実際の手術の様子

乳がん治療

 前回は手術の入院・手術の流れをまとめましたが、今回は実際に入院、手術をしてみてどうだったか、痛みの程度や患者の様子、そのほか気付いたことをお送りします。

今回の手術内容

  • 手術方針:乳房温存手術(部分切除)+センチネルリンパ節生検
    (リンパ節転移陽性の場合は腋窩リンパ節郭清を施術)
  • ガンの大きさは8mm程度、周りを大きめに取って1.5cmほど切除予定

告知・手術決定から入院までの期間

 乳がんと聞かされてから入院・手術するまでに2ヶ月ほどの期間がありましたが、お盆や地域のお祭りなどの忙しい時期を済ませてから入院することができました。入院準備期間も長かったので買い物などもしやすかったです。

 とはいえ、「自分はがん」と報された状態でなにもできない2ヶ月間。気持ちが不安定になったり、いろいろ調べて心配になったりする期間でもあります。家族は支えてあげて下さい。

手術前に温泉へ

 手術後は胸の形や大きさが変わったり傷跡ができてしまうと思ったので、手術前に温泉に行ってきました! このタイミングの温泉は気晴らしも兼ねられるのでおすすめです。あと、この時にがんによる凹みも見せてもらいました。

入院

乳がん治療

 ここからは時系列でさくさくいきます!

入院当日の流れ

 病棟に到着してすぐに病棟内の案内、携帯電話の利用可能場所、入浴予約の方法や手順などの説明を受ける。その後、転倒防止のビデオを見せられたり、翌日の予定を聞いたり。なかなか忙しい。

 夕方に医師による診察。翌日の手術にむけ、体にペンで印を書かれる。夕食は通常どおり、食事は21時まで可。21時以降は水分のみ。

手術の様子

入院2日目:手術当日

 朝食はなし。7時までは水分摂取可。私は8時頃に病院に到着。すでに点滴が始まっていた。手術は前の人の手術が終わり次第開始、9時過ぎになると言われていたが、予定が押したようで呼ばれたのは10時頃。

手術室へ

 患者は歩いて手術室へ。手術室前までは家族も同行可能だったので付いていく。見送りの後、家族は病棟内で待機(個室だったので病室で待機)。部屋に戻るとベッドが移動していたりと受け入れ体制になっていた。

 手術は2時間程度と言われていたが、3時間ほどかかった。13時頃に家族が呼ばれ、手術室へ。執刀医から説明を受ける。説明内容は「長引いたのは切除部分断面のがん細胞検査に時間がかかったため」「リンパ節への転移無し」「予定通り部分切除」「手術自体は順調だった」「今後、切除部分を詳しく検査。検査結果にあわせて今後の治療方針が決まると思います」等。写真や切除部分を見せられたりはなし。

手術直後の様子

 説明を聞き終わったら家族はまた病室で待機。ほどなくベッドに乗せられて患者が戻ってくる。麻酔はまだ残っているものの呼びかけには反応あり。眉間にしわを寄せて辛そうな雰囲気。患者が「全摘だった?」と家族に聞く。そのほかに時折「痛い」「暑い」「喉が痛い」(たぶん気管挿管のため)などの言葉を発する。その他「ごはんは食べた?」というこちらを気遣う言葉も。

 術後3時間は酸素マスクを付けたまま過ごす。酸素マスクがはずれる頃には会話も普通にできるように。あとで聞いたところ、「目が覚めた時にすごく痛かったから全摘かと思った」とのこと。マスクが外れたら水分補給をしてOK。

胸の様子

 胸部はさらしのようなバンド(腰痛用のコルセットのような感じ、ベルクロ(マジックテープ)で留めるタイプ)が巻かれていました。傷口にはテープが貼られており、バンドの中にはタオルが1枚挟んである状態。しばらくはバンドの上に病院着を羽織って過ごす感じ。

尿について

 手術時に尿道カテーテルを挿入。手術の翌日まではこのまま過ごす。ベッド脇に溜まった尿が緑色で驚く。それについて聞いてみたところ、青い薬剤でセンチネルリンパ節を染色するため、尿と一緒に体外に排出されると緑色に見えるらしい。胸元もこの染料で青く染まっていた。病院によっては染料ではなく放射性同位元素(アイソトープ)を使用する場合もあり。

リハビリ

 リンパ液の流れをよくするために、たまに手をグーパーするのがこの日のリハビリ。

その後の様子

 1時間半に1回程度、看護師がきて体温、酸素量、血圧、点滴の残量などをチェック。血圧は足首で測る。若干の発熱あり。

 18時頃に医師による診察。ベルトを外して傷口を確認。「出血もないですし大丈夫そうですね」と言われる。事前に聞かされていた予定ではこの日は水分のみ摂取OKだったが「順調なので(内緒だけど)お菓子とかの軽いものならちょっとだけ食べてもOK」と言われる。

夜中の様子

 この日は私が付き添い。付き添いは基本不要だが、患者が希望する場合などは届けを出し、付き添い者用の折り畳みベッドを借りれば付き添い可能。ベッドのレンタル費用は数百円程度。

 夜中も2時間に1回程度、看護師さんによる点滴、体温、酸素量、血圧チェックあり。こまめに見に来てくれる。安心な反面、そのたびに目が覚めてあまり眠れないかも。患者もチェックの度に「お願いします」「ありがとうございます」と言っているので目が覚めちゃ……え、寝ながら言ってる??

気付いたことなど

乳がん治療
ヘリポートが見える部屋だったので、手術が終わるのを待つ間はドクターヘリを眺めていました。5分くらいで飛び立つのすごい。

入院は送迎または公共交通機関で

 帰りの運転は難しいと思うので、車で送迎、またはタクシーや公共交通機関を利用したほうがいいです。

声をかけて伝えてあげよう

 目が覚めた患者は痛みを感じながら不安感でいっぱいだと考えられます。術後すぐに「全摘だった?」と聞かれましたが、自分の状況が把握できないことも不安に繋がるのだとあとで気付きました。患者が戻ってきて聞こえる様子だったら「手術は順調だったって」「予定通り部分切除だったよ」「今は○時くらい」等、患者自身、そして周りの状況を教えてあげると早く安心させてあげられると思いました。

術後の痛みなど

 術後、麻酔が覚めた時はかなり痛みがあった様子でしたが、その後は痛みはあるものの我慢できる程度だったようです。手術直後はリンパ液の流れを抑えるために胸のバンドをきつく巻くそうで、その圧迫感によって痛みは楽に感じられたとのこと。ただし、それによってかなり暑かったとか。

 医師による回診の時などにベルトを外して手術部分を確認、またベルトを巻き直すのですが、その時の巻きの強さや微妙な位置によって痛みを感じる時と感じない時があったそうです。あと、どちらかというとがんの部分よりもセンチネルリンパ節の部分(鎖骨の下・わきと胸の間)の傷口のほうが痛みが強かったとのこと。

ペットボトルキャップが開けにくいかも

 手術後は手が動かしにくいため、ペットボトルキャップが開けにくい様子でした。

 売店でペットボトルにつけるストローを購入。あると便利なもののひとつです。

そんな感じ

 次回は手術翌日から退院までの様子をお送りします!

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