
いま話題のスーパーフード「タイガーナッツ」。「これ、土に植えたらどうなるのん?」と疑問を抱いたので育ててみることしたのであります! 結論からいうと……栽培に成功しました。
タイガーナッツとは

レーズンにも似たシワシワの「タイガーナッツ」。名前にナッツとついていますが、タイガーナッツはナッツ(木の実)ではなく、土の中にできる「塊茎」と呼ばれる部分を乾燥させたもの。落花生や芋みたいな感じのでき方ですね。
食べてみた感想などはこちらをどうぞー。
ちょっとネットで情報収集。乾燥させただけで熱は加えてないらしい。ならばこれは生きている……!? しかも簡単に栽培できるっぽいぞ!? これはやるしか!
タイガーナッツ栽培記
種まき

カラカラに乾燥しているタイガーナッツ。タイガーナッツは食べやすい皮なし(皮むき)タイプのものも販売されていますが、今回植えてみたのは皮付きタイプのものです。発芽率アップを目論み、一晩水に浸けてみました。
※正確には塊茎なので種ではないのですが、ここでは種まきと表記します。

芽出しポットに一粒ずつのせ

上に土をかぶせて種まき完了!
種まきは5月6日に行いました。このまま屋外に放置。水やりだけしてました。
発芽した!

5月23日。種まきから2週間ほど過ぎた頃。小さな芽のようなものが出現!

5月30日。種まきから約3週間後。芽はしっかりと伸び、ヤシの実のようなかわいいグリーンができあがりました。このまま観葉植物にしたい。
発芽に成功したのは3個中1個だけでした。屋内の温かいところで管理すればもっとちゃんと発芽するかもしれません。
ポットから鉢に植え替え

7月15日。種まきから2ヶ月ちょっと、発芽から2ヶ月弱。植え替えしなきゃと思いつつ放置してたらこんなに伸びてました……高さは50cmくらい。平行脈でツヤツヤとした少し硬めの葉っぱです。

すでに根っこはきつきつに。植え替えが遅くなってごめんよ……てか、すで塊茎ができている気がする。

植え替え完了! 大きく育てよー!
その後の成長

8月29日。水やりと少しばかりの肥料をあげただけであとは放置。それでも大きく育ってます。てか、なんか本数が増えてるんだが……

土の上にのっている白くて丸いもの肥料です。地下茎から別の株が出てくるらしく、周りから何本か葉っぱが生えてきました。生育力旺盛でやばい。
収穫

12月3日。雪が降る時期になったので(片付けがてら)ついに収穫することにしました! 葉っぱもしなしなになってきてるのでちょうどいい頃合いに違いない。

葉っぱを持って鉢からどーん! タイガーナッツできてるー!!

長く伸びた根っこの先に塊茎ができてます。こういうふうにできるんですねー。小さなジャガイモっぽいです。

土から掘り出し中。鉢の底に敷いた軽石に騙されます。根っこからはコショウのようなスパイシーな香りがしました。不思議。

これはいい粒だ!

そんなわけでこのくらい伸びた葉っぱからこのくらいの量のタイガーナッツが採れました! 小さいのも入れると50粒くらい。けっこう採れた!
洗浄

収穫したタイガーナッツを水洗い。泥を落とせたものの、細かい根っこが気になる。元のタイガーナッツにはこんな根っこは付いてなかったぞ……??

というわけで根っこを取る作戦だ! 要するに里芋を洗うようにすればいいはず!
最初に用意したのは固めのスポンジ。一粒ずつスポンジの上でこすって皮と根っこをはぎとります。スチールウール(金タワシ)だとなお良いです。
その後、排水溝ネットの中でタイガーナッツをこすり洗いする方法を思いつきました。ネットにタイガーナッツをどさっと入れ、両手で包んで手をすり合わせるようにして洗うと根っこが取れます!
最終的にはネット内でこすり洗いののち、スポンジで一粒ずつ洗いました。その結果

もじゃもじゃしてた根っこが

すっきりきれいに! 排水溝ネットとスポンジ、おすすめです!
食べてみる

半分に切ってみました。中は真っ白。やはり芋に似てます。
そして採れたてを食べてみました! 乾燥したものでは味わえないシャクシャクとした歯触り。そしてほのかに感じるココナッツに似た風味。口の中に若干残る皮。ちゃんとタイガーナッツの味がするぞー! ちなみに土臭さとかはなかったです。
乾燥

ざるに入れてストーブの近くに置いといたらちゃんと乾燥してシワシワになってきました! もしや、完全に乾燥している状態まで持っていける!? でもカビそうなので頃合いを見て食べ切っちゃいたいと思います。
本場での栽培方法
タイガーナッツが多く栽培されているスペインでは、広い畑に畝を作り、4月末に種まきをして9月まで生育、9〜10月にかけて畑を乾燥させ、11〜12月に収穫するそうです。栽培には比較的温暖な気候、砂が多く混じった土が向いているそうですよ!
今回は鉢植えにしましたが、鉢の底の方で上手く育つことができなかった塊茎がけっこうありました。伸び伸び育ててあげるためには地植え、または大きな鉢かプランターに植えるのがよさそうです。
最後に:栽培する上での注意

外来種です!
現在、タイガーナッツは輸入されたものしか出回ってない様子。というわけで完全に外来種です。種をまいて芽出しするのもグレーゾーンかもしれません。
生育力旺盛です!
芽さえ出てしまえば放っておいてもどんどん増えます。外来種でこれだけの生育力・繁殖力を持ったものをぞんざいに扱うのは危険!
- 蒔いた種の数を把握しておく
- 収穫時に塊茎を取り残さないようにする
- 栽培に使った土をそのへんに捨てない
- 植えてない所から芽が出ていないか、翌年チェック
上でも書いたとおり、地植えにするとよく育つと思いますが地下茎から別の株が出現するので鉢植えのほうが安心です。バイオテロを起こさないようご注意ください。
そんな感じ

無事に収穫、そして食べてみるところまで辿り着くことができましたー! 事前調査で「放っておいても育つ」という情報は得ていましたが予想以上でした。洗浄方法を編み出せたのが一番の収穫だと思っている。
そんな感じのタイガーナッツ栽培記でした!