※弊社記事はたぶんにPRが含まれますので
話半分で受け取ってください。

とある博物館の売店の営業は無事に終了しました。現在はカプセルトイを中心に設置してます。

十日町の古民家レストラン『うぶすなの家』に行ってきた – せきね編

 やまざきさんがすでに書いておりますが、新潟県十日町市にある古民家レストラン「うぶすなの家」に行ってきました。ひな祭りの期間限定メニュー「ひなまつり御膳」を頂きに。

 (やまざき編を真似してせきね編にしてみたよ!)

うぶすなの家

 新潟県内はけっこう巡っているつもりのイコロズですが、タイミングを逃したりで「大地の芸術祭」には行ったことがありません。ゆえに「うぶすなの家」も初体験。
 接客云々を語り始めた関根にやまざきさんがお勧めしてくれたのがこの「うぶすなの家」。これは行くしかない!というわけでやまざきさんに牽かれてお昼を頂きに行ってきました!

 じつは初めてのお店が苦手で、なかなか新しい所が開拓できないビビリーです。

うぶすなの家
雪国の生活に密着している菅笠。

 この日は朝方に長岡でちょっと、十日町ではけっこうな積雪が。「うぶすなの家」の前までは急遽除雪車を入れたそうです。ありがたやー。

うぶすなの家
所々に設置された看板。
うぶすなの家
まだまだすごい積雪量です。

 道の途中に目立つ看板が設置されていたので、迷わずに行くことができました。むしろナビの方が雪国の冬期間閉鎖トラップにかかる可能性大なので危険。そのあたりはやまざきさんの記事を参照してくださいな。

うぶすなの家
おせんべいの「雪の宿」を思い出した。

 今は少なくなった茅葺き屋根の古民家。数年前までは実際に人が住んでいたそうです。

「うぶすなの家」は2006年の第3回大地の芸術祭で誕生した作品で、大正13年に作られた茅葺きの古民家をやきもの美術館に再生したものです。家の中には日本を代表する陶芸家の皆さんが作ったかまどや囲炉裏のほか、なんとお風呂まであります!

 このプロジェクトのテーマは「土」。土は陶芸の材料であり、また家を建てる木を育むのも土です。それに加えて、陶芸作品を実際に使ってほしい、というのも作家側の希望のひとつだったのです。

 レストランでは陶芸家の皆さんが作ってくれた器で、この地元の土が育んだ食材を使った料理をお出ししているんですよ!
うまさぎっしり新潟 秋 2010

 なんということでしょう。匠の手によって古民家がレストランに、そしてやきもの美術館として生まれ変わったのです。

 1階はレストランになっており、普段は「山菜ぎょうざ定食」「山菜ハンバーグ定食」「山地ごっつぉ定食」(いずれも1,000円)を頂くことができます。
 私たちが行った時はひな祭りにあわせたちょっと豪華な特別メニュー「ひなまつり御膳」2,000円(入館料の500円込み)が提供されていました。いきなり特別メニューという贅沢!

 ここで注意したいのは、うぶすなの家は「やきもの美術館」ということ。ですので「うぶすなの家」に入るには入館料500円がかかります。今回は入館料込みの価格でしたが、通常は別途必要となるのでご留意をー。

それでは中へ。

うぶすなの家
準備にいそしむお母ちゃん達。

 ひなまつり御膳の予約時間は11:00、12:00、13:00となっており、私たちが予約したのは一番早い11時。勢い勇んで早めに出発したらけっこう早めに到着しちゃいまして。。

 さてどうしようか、と思っていたのですが、開店前にも関わらず先に中に入らせて頂くことができ、しかもお茶まで頂いたりと至れり尽くせり。そして中もゆっくりと見ることができました。

うぶすなの家
玄関から入ってすぐに出迎えてくれるのがこの釜。織部焼で彩られています。
うぶすなの家
吹き抜けの中へ伸びる煙突。

 通常メニューはこのかまどで炊いたご飯を提供しているようです。今回は特別メニューだったので別のご飯でしたが、是非ともこの釜で炊いたご飯を食べてみたい!人数を集めると炊いてくれるらしいです。ほほぅ。

うぶすなの家

 奥には地域から集められたという雛人形が展示されていました。雛人形を眺めていると、新潟日報の記者さんに声をかけられ、ちょっと取材されちゃいました!そんなわけで3月のとある日の新聞に岡本のコメントが載っていたりするのです。

うぶすなの家
お土産も売ってます。
うぶすなの家
展示品かと思ったらこちらも購入可能でした。

 壁に飾られたつるし雛。こちらは冬の間にお母ちゃんたちがチクチク作ったそうです。お土産にオススメ。

うぶすなの家
この曲がった梁も見どころの一つ。
うぶすなの家
養蚕に使われていた部屋なので、風がよく通る造り。

 2階にも雛人形が展示されていました。普段はこの部屋にも焼き物が展示されているそうですが、行った時はひな祭りバージョンの展示でした。

うぶすなの家

 今回は陶芸家である「植葉香澄展」が同時開催。こちらは販売されていたもの。二階には大型の作品が展示されていました。

ひなまつり御膳

うぶすなの家

 中を見ているとあっという間に時間が過ぎ、今日の目的である「ひなまつり御膳」が登場!おおー!

うぶすなの家

 お料理やゼンマイやワラビ、こごめ等の山菜が中心。そして煮物や煮豆も並びます。デザートのいちご大福も手作り。
 奥のコロッケみたいなのは車麩のフライ。味をしみこませた麩に衣を付け、さっくりと揚げたこの一品、すごくおいしかったです!

うぶすなの家

 笹を開くと出てくるのは山菜寿司。彩りもいいですねー。

 味付けは素材の味を活かす薄味。とにかく丁寧に味付けされているという印象です。山菜の苦みやほのかな風味は、濃い味付けやジャンクフードに慣れた舌に繊細さを呼び起こしてくれること間違いなし。この一食だけで忘れかけていた舌の感覚を思い出しました。やっぱりね、こういうものを味わう事ってすごく大事。
 山菜寿司はほんのりあったかければもっと味が楽しめたかもーと思いました。たくさんストーブが置いてあったので、そこで蒸してあったりしたら良いかも?

 お料理はもちろん、雰囲気もこれはうちの母好み。今度は家族で訪れたい。

そんな感じの「うぶすなの家」

うぶすなの家

 古民家で、外に積もった雪を眺めつつ頂くご飯。あぁ、これは幸せ。たくさんのストーブで暖められた店内。「寒かったらカイロありますからねー」という心遣い。暖かい場所から眺める雪景色はまた格別です。

お母ちゃん達は実はプロフェッショナル

 料理を作ったり運んだりと忙しいお母さん達ですが、建物の解説、料理の説明等々、必ず声をかけてくれます。求めていた地元の人との触れ合い!そうこれ!でも思っていたのとはなんか違う。いい意味で。

 見ていると、お母ちゃん達みんなが解説・説明をきっちりマスターしていることに気付きます。それをきっかけに会話をはじめ、質問にもしっかりと対応。みんなが説明できるから、手が空いている人や気付いた人がお客さんとお話、阿吽の呼吸の連係プレーで素早く配膳、スピードを重視しつつもお客さんとの触れ合いもバッチリ!なのです。とても田舎とは思えない。
 ここはイベントの時期にたくさんの人が一斉にくる場所。訪れてくれる人たちみんなと触れ合い、限られた時間で素早く食事を提供する中で培われた接客技術なのだと思います。田舎のお母ちゃんに見えて、じつはもてなしのプロフェッショナル。そこらの旅館には負けないレベルです。効率と人間味の絶妙な融合。この絶妙な加減でこれからもたくさんの人を迎えて欲しいと思いました。

 あと帰りに松代方面にも行ったのですが、店員さんが話しかけてくれる率が高いのが印象的でした。これはもう逆に都会的な距離感。新潟とは思えない。
 「大地の芸術祭」によって、地域の人の意識が変わったのだと思います。新潟の観光に足りないと思っていたものがここにありました。

うぶすなの家
過去のポスターを再利用したお土産袋。これも素敵な土産に。

 ここまで意識を変える「大地の芸術祭」ってすごい。そして今回は冬におじゃましましたが、今度は別の季節に来てみたい。そう、夏とか良いかも。

2012年はトリエンナーレ「大地の芸術祭」開催年!

 今年2012年は3年に一度の「大地の芸術祭」の本祭が開催されるらしいです。あら、グッドタイミング。

 屋外展示が多く、範囲が広い「大地の芸術祭」。気になっているけどどんな風に巡れば良いのかわからない、アートってちょっと取っつきにくい、、と思っている人も少なくないのでは。ハイ!私です!
 乗っかり損ねてしまったこともあり、里山でアートねぇ・・・という感じで若干懐疑的だったのですが、雰囲気を楽しみに行く、そんなイベントな気がしてきました。そう、これはもう祭。行けばきっと楽しめる。今回やまざきさんに誘ってもらって行くことができたように、実際に行ってみた人の意見というのはすごく参考になります。人がオススメするものは試してみて損ナシ。どんな詳しい情報よりも、実際に見た人の感想というのは大事です。

 うぶすなの家で一緒になった人の中に、なんと神奈川から来たという人がいました。スキー以外の目的で冬の新潟に人がくるなんて。県外から人を呼べるって、相当すごいことだと思うんです。新潟の観光を変える「大地の芸術祭」。これはやはり一度行ってみねば!

 あ、やまざきさんの「うぶすなの家」の記事はこちらですー。同じ所に行ってそれぞれで記事を書いてみる、そんな新しい試みでした!せきね、遅くなりすぎー。。

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012

会期2012年7月29日(日) ― 9月17日(月・祝) 51日間
開催地越後妻有地域 (新潟県十日町市、津南町) 760 K㎡
主催大地の芸術祭実行委員会
共催NPO法人越後妻有里山協働機構
料金 一般 3,500円 (前売3,000円)
高・専・大学生2,500円 (前売2,000円)
中学生以下 無料
公式サイト大地の芸術祭の里とは – 大地の芸術祭の里

参考サイト

関連する記事