デザイナと仕事をするときにプログラマがよく感じるであろう、「アレ?」っと思うポイントをまとめてみました。覚えておくと仕事相手のプログラマに「こいつ、意外とやりおる……!」と思わせることが出来るかもしれません。
ちなみに、タイトルでは「デザイナー」と言っていますが、何となくそのほうがアクセス稼げるかなと思ってそう付けただけで、デザイナ以外でも言えることです。
それではさっそく。
1. ファイル名は半角英数で付ける
自分で使う分には何語でファイル名をつけようと構わないのですが、ファイルを人とやりとりする場合は半角英数のみでファイル名をつけるのがベターです。
たとえば、Macで圧縮したファイルをWindowsで解凍すると、日本語のファイル名が文字化けすることがあります(逆も然り)。これはMacとWindowsではシステムで使用している文字コードが異なるためです。
文字化けしないように圧縮・解凍出来るソフトもありますが、一番簡単なのは、そもそもファイル名に半角英数以外の文字を使用しないことです。半角英数のみでファイル名をつけておけば、文字化けが起きることはありません。
例としては、
- file1.txt
- file_01.txt
- file-01.txt
って感じ。「\」や「/」などの記号は場合によっては特別な意味を持つことがあるので、よくわからなければ使わないのがベターです。
2. 機種依存文字を使わない
機種依存文字とは、WindowsならWindowsのみ、MacならMacのみ、携帯なら携帯のみでしか表示することができない文字のことです。
わかり易い例は携帯の絵文字。携帯の絵文字入りのメールをPCで受信すると絵文字が「〓」等の文字に文字化けすることがありますが、それと同じようなことが機種依存文字を使用すると起きます。
よく使用される機種依存文字は、
- マル1などの丸数字
- カッコ株などの省略文字
- センチメートルなどの単位文字
- ローマ数字
などがあります。これらの文字は相手の環境によって別の文字になったり、文字化けして読めなくなる可能性があるので使用しないのがベターです。これらの文字を使用したい場合は半角英数を組み合わせるなど、工夫して表記しましょう。
- 丸数字: カッコと数字で記述する。(1)、(2)、(3)
- 省略文字: カッコと文字で記述する。(株)、(有)、(代)
- 単位文字: 半角英数で記述する。cm、mm、kg
- ローマ数字: 半角英数の組み合わせで記述する。I、II、VI
また、自分の名前に「はしご高」などの異体字が含まれている場合も、文字化けする可能性が高いので、異体字ではない文字を当てるか、平仮名で表記するのが無難です。
文字化けするだろうなぁと思って「高」を使ったら「はしご高なんですけど!」と言われ、文字化け覚悟で「はしご高」を使ったら、案の定、相手方で文字化けして「文字が表示されていないんですけど!」とか言われるとマヂでイラッとするよね!
3. メールはテキスト形式にする
最近のメールソフトはデフォルトでHTML形式のメールを送信する設定になっていることが多いです。そのため、特に設定を変更しなければ、HTML形式でメールを送受信することになります。
が、とくにこだわりがないなら、HTML形式よりもテキスト形式にする方がよいと思います。理由は以下の通り。
3-1. 相手のメールソフトや環境によっては内容を見ることが出来ない
最近のメールソフトは大抵HTML形式に対応しているので、相手がメールを見られないという可能性は非常に低いと思います。携帯でも対応していたりするので。
ただ、相手の受信環境によっては見た目が自分の意図したものと大きく変わってしまう可能性もあります。良くあるのは「文字がなんかものっそい小さいんですけど……」というもの。使ってるOSの違いとか、使ってる画面の解像度などの違いで、送信者が意図したものとは違う見た目で受信者に表示されることがあります。
3-2. ウイルス感染の温床になる可能性が高くなる
これはよく言われている事なのですが、個人的にはあんまりピンと来ていません。
たしかに、HTML形式のメールは見えない部分にコードを仕込む事が出来るので、ウイルス(的ななにか)を仕込まれる可能性もテキスト形式のメールよりは高くなると思います。
ただ、これは、HTML形式で送られてくるメールを受信する上でのリスクであって、HTML形式でメールを作成するべきではない理由としてはちょっと弱いかなぁ、と思ったり。
たとえば、HTML形式のメールに勝手にウイルスのコードを埋め込んで実行する、というようなウイルスが存在していれば(実際に存在するかどうかは分かりません)、ウイルスの感染拡大に自分が寄与してしまう可能性も高くなるとは思うのですが。
まあ、それよりは、メールした相手がセキュリティにキビシイ人で、HTMLメールを表示しない設定にしていたため、メールを読んでもらえなかった、という可能性の方がまだ高いんじゃないかと思います。
3-3. スマートじゃない
結局の所、HTML形式のメールをあんまりお奨めしない理由としては、これが一番大きいです。デザイナ的な人から「それ、文字に色付ける意味ないだろ……」みたいなメールが送られてくると、なんかすごく「あー、あー」という気持ちにさせられます。
青字で下線が付けられた文字列をクリックしても何も起きなかったときのハメられた感と言ったらもう筆舌に尽くしがたい諸行無常の響きあり。
また、前述したように、HTML形式のメールは見えない部分にコードを仕込む事が出来ます。それを知っている人からすると、別にテキスト形式でも良いような内容のものをわざわざHTML形式で送ってきているメールって「なんか気持ち悪い」んですよねぇ。必要ない機能は無効にしておくというのが、セキュリティ向上やリソース有効活用の基本でもあります。
そんな感じ
ちゃんとアンチウイルスソフトを入れて、メールソフトやOSのアップデートもしていれば、そんなヒステリックに「HTML形式NO!」と叫ぶ必要はなくなってきているように思います。
ただ、「別にHTML形式でメール書いてもかまわないんだけど、上手くやらないと逆にビミョーな印象を与える可能性が高いよ」という感じです。よくわかんね、という人はテキスト形式にしておくのが無難。
そんなわけで、相手側でちゃんと表示されるか分からないHTML形式のメールの装飾に時間と手間をかけるよりも、自分の伝えたい事がちゃんと相手に伝わるかどうかをチェックする事に時間をかけたほうが賢明だと思います。多くの人は、メールを作品披露のためではなく、連絡の手段として使うと思うので。
デフォルトのまま使っている人はその気がなくてもHTML形式を使ってたりするので、一度設定を確認してみると良いかも。
4. MB(メガバイト)級のファイルをメールに添付しない
最近はメールボックスの容量も大きくなり、回線の速度も速くなり、かつてほど容量を気にすることはなくなりました。
しかし、その一方で、モバイル環境でメールのチェックをする人も増加していると思います。PCのメールを携帯に転送していたり、出先でメールチェックをしたりする場合、その回線が高速であるとは限りません。携帯の広告で「下り数十Mbps」なんてのよく目にしますが、あんなもの飾りです。都会の人にはそれが分からんのです。
また、最近では、IMAP(メールサーバ上でメールを管理する方式)を利用している人も多いと思います。やりとりの記録としてメールを残している人にとって、MB級の添付ファイルが付いたメールが来ると、(いくら容量が大きいとはいえ)その分保存出来るメールの数が減ってしまうので、正直微妙です。(もしかしたら、添付ファイルだけ削除する、みたいなことも出来たりするのかもですが、調べたことがないので分かりません。)
そこで、サイズの大きなファイルを送信したい場合は、以下のような方法を使うことをオススメします。
- FTPサーバにファイルをアップする
- Dropboxやsugarsyncなどのオンラインストレージを使う
とくに複数台パソコンを持っていたり、特定の人とのファイルのやりとりが多いと言う人にはDropboxはオススメ(たぶんsugarsyncも同じような機能があるんだと思いますが、使ったことがないのでよく分かりません)。近々、googleも同じようなオンラインストレージサービスを発表するとかしないとか言っています。
Dropboxを使い始めるなら、以下のURLから登録すると普通に登録するより500MBほど容量多めになりますよ。Dropboxは紹介制度があって、紹介した方にもされた方にも500MBの容量が追加されるようになっています。
5. 複数のファイルを送る時はとりあえずZIP
よく、ワードだとかエクセルだとかのファイルが複数添付されて送られてくることがあります。しかし、人間、添付ファイルが複数あると、(数が多ければ多いほど)見逃しも多くなるというものです。添付ファイルが多すぎて、どのファイルがもう見たもので、どのファイルがまだ見てないのか、分かんなくなりかけた経験を持っている人もいるのではないかと思います。
最近は、添付されている画像のプレビューをインラインで表示する機能があったりするので、余計、分からなくなりがちです。(巨大な画像が複数枚どんどんどんっと表示されていて、さらに一番下に小さくdocファイルがあったりとか。)
そこで、複数のファイルをメールなどで送信する必要が出た場合、まずはそのファイルをZIPで1つにまとめてしまうことをオススメします。
ZIPは、主にファイルのサイズを小さくする(圧縮する)のに使用されるものです。かつてはPCのディスク容量も小さく、ネットの回線も細かったので、ファイルを圧縮してサイズを小さくすると言うのはリソースの有効活用において非常に重要なものでした。
最近では容量も回線も大容量になっているので、普通の人はそんなに圧縮を意識して使うことはなくなってきています。しかしこの圧縮という技術は「複数のファイルを1つのファイルにまとめる」という目的でも使用することが可能です。ファイルをフォルダに入れる代わりにZIPで圧縮すると言う感じです。(メールに、ファイルが入ったフォルダを添付することは出来ないので。)
メールだけではなく、Dropboxのpublicフォルダからダウンロードしてもらう場合も、複数のファイルをZIPして1つのファイルにまとめておけば1回のダウンロードで済ませることが出来ます。
圧縮にはZIPの他にも様々なものがありますが、とりあえず、ZIPならMacでもWindowsでも標準の機能で開くことが出来るので、ZIPを使っておくのが無難です。(そこで7zですよ。)
ついでにいうと、Macを使っている人は標準の圧縮ツールを使うと圧縮ファイルの中にリソースフォークが含まれてしまうので、リソースフォークを削除する機能がある圧縮ソフトを使う方が良いです。特にWindowsユーザとファイルをやりとりする場合、解凍したときにファイル名がコンマから始まる謎のファイルが多数含まれた状態になります。
自分は「keka」という圧縮ソフトを使っています。リアルなダンゴムシアイコンがキモイです。
という感じ
どうも。全角英数を見ると半角英数に一括置換したくなる保守派の岡本です。
上記の他にも、「テキストだけの内容をWordファイルに書いてメールに添付するな」とか、「メールの返信は『Re:』のままにしとけ」とか、いろいろ思うところはあるのですが、とりあえず、今回の5つに絞ってみました。
この辺のルールというか、マナーというか、暗黙知というかは時代と共に変わりつつあるので、ここに書かれている内容もすでに古いものになっているかも知れません。その辺は実態に合わせて変えてください。
とりあえず、「デザイナー」ではなく「デザイナ」と書くような人は高確率で保守派だと思うので、上に書いたようなことを守っておけば、誉められはしなくても(そうするのが当たり前だと思っているので)、「なんか分からんけど仕事のしやすいヤツだ」と思われることはあると思います。
また、ここではメールのテキスト形式への変え方とか、Dropboxの使い方については言及してないので、その辺は自分でググって下さい。なんでもすぐ人に聞く前にまず自分で調べろ。
そのうち、気が乗ったらまとめることもあるかもしれませんが、なにぶんIT系のネタは旬の過ぎるのが早いので、今のところあんまり書く気はありません。。