昨日は、寺泊の元・民謡伝承会会長さんだった刈部さんに会いに行きました。小さな商店をしていて、なんか懐かしい感じです。品数は昨今のコンビニなどの足下にも及ばないと思いますが、電話一本(しかも名前を言うだけ)で卵やらショウガやら、届けてもらえるのは、こういう小さな商店の良さだよなぁ、なんて思いました。(実際、話を聞いている間も2、3件電話があったようです。)
で、塩たきのCDを持って行って、刈部さんに聞いてもらったのですが、曰く、「声が固い」らしいです。緊張しているというか。今ある音源は、おそらく、ラジカセの前で、一発撮りしたもの。緊張して撮ったんだろうな、ということは想像に難くないのですが、声を聞いただけで、そこまで分かるとは。
リアルタイムで月子・千代栄コンビを知っている方の話は、文献では全く出てこないような生きた話があり、面白く、また、うらやましくもあります。月子さんを「姉さん、姉さん」と慕う千代栄さんの姿など、今となってはもう想像するしかありません。それこそ、住吉屋さんなどで、上の階の席が終わった月子さんと千代栄さんを呼び止めて歌ってもらったときの声は、今うちで保存している音とは、もう全然違うそうです。
しかし、刈部さんのところには、そんな座敷の様子を録音したものもあるとのこと。これは正直、ちょっと鳥肌もの。話を聞くかぎり、かなりの音源を持っているようです。音源を貸していただけるそうで、これは本当に大変ありがたいことです。それこそ世界で一本しかないライブテイク。
ところで、話を聞いてて思ったのですが。刈部さん、かなりの回数、歌を聴いているっぽいんですよねぇ。月子さんの前では決して歌わなかったという、千代栄さんの歌も聴いたことがあるようですし。ライブテイクも持ってますし。察するに、刈部さん、当時は結構遊んでたのでは…?