
漫画「美味しんぼ」12巻の「非常食」に登場した「ローピン」を再現してみました! 吹雪で別荘に閉じ込められた際に山岡さんが作った一品。山岡さん、いったい何グラムの小麦粉を使ったの!?
「美味しんぼ」に出てきたローピン
原作およびアニメでの作り方
原作とアニメを見返して材料と作り方を確認しました。
材料
- 小麦粉
- ごま油
- 長ネギ
- 塩
手順
- 耳たぶくらいの硬さになるまで小麦粉をこねる
- 布巾をかぶせて1時間ほど寝かせる
- 大人の拳2つ分くらいの大きさにとって、麺棒でできるだけ薄くのばす
- ごま油をたらし、まんべんなく広げる
- 塩をまく
- 長ネギのみじん切りをばらまく(ネギは多ければ多いほど美味しい)
- 端からなるべくぴっちりと巻いていく
- 棒状になったら渦巻き状に巻いていく
- 麺棒で少しのばしてフライパンにぴっちりはまるくらいの大きさにする
- 熱したフライパンに取り、火を弱火に調節してフタをする
- しばらくして返してみて、こんがりキツネ色に焼けていたら反対側も焼く
作中での感想
- 表面はパリパリで中はしっとり柔らかい 中国風のパイ
実際に作ってみた

材料の置き換え、分量について
小麦粉の種類や分量等は作中に明記されていないため、それっぽくなるように、そして作りやすいよう補完しています。
- 今回はうどん粉(中力粉)を使用
- 大人の拳1個分くらいの分量で作成
再現した人のレシピを見ると中力粉あたりで作ってる人が多い様子です。今回は(中力粉とほぼ同じである)うどん粉を使って作りました。

そして作中ではローピン1個分の生地は「大人の拳2つ分くらいの大きさ」となっていますが、これだとできあがりサイズがかなり大きくなります。しかもそれを2セット作っている……山岡さん、小麦粉を1kgくらい使っている模様。作りやすさを考慮し、うどん粉300g、大人の拳1個分くらいの生地をローピン1個分にしています。
材料

- うどん粉または中力粉:300g
- 水かぬるま湯:150cc
- 長ネギ:1本
- 塩:5g
- ごま油(生地用):大さじ3
- ごま油(フライパン用):大さじ1
- その他:打ち粉を用意
手順
- うどん粉に水を加えてこねる
- ラップをかけて1時間ほど寝かせる
- ネギをみじん切りにする
- 生地を麺棒でできるだけ薄くのばす
- ごま油をたらし、まんべんなく広げる
- 塩をまく
- 長ネギのみじん切りをばらまく
- 端からなるべくぴっちりと巻き、棒状にする
- 棒状になったら渦巻き状に巻いていく
- 軽く潰すような感じでのばし、フライパンにぴっちりはまるくらいの大きさにする
- フライパンにごま油をひき、フタをして弱火で15〜20分焼く
- ひっくり返してフタをし、反対側も弱火で10〜15分焼く
1. うどん粉に水を加えてこねる

うどん粉に水を加えて混ぜて行きます。水は少量ずつ加え、全体がホロホロ、ヒラヒラした感じなると良いです。

ひとまとめにできるようになったら軽くこねます。
2. ラップをかけて1時間ほど寝かせる

乾燥しないようにラップで包み、1時間ほど生地を寝かせます。
3. ネギをみじん切りにする

生地を寝かせている間にネギをみじん切りにします。
4. 生地を麺棒でできるだけ薄くのばす

1時間ほど寝かせたら生地を伸ばして行きます。薄くのばすために打ち粉は必須です。

生地を切らないように注意しながらできるだけ薄くのばします。

けっこう伸びます。かなり薄くできました。
ワンポイント
生地は円形ではなく、楕円形もしくは長方形に近い形で長く伸ばすとこの後の渦巻きがきれいにできます。パスタマシーンで伸ばすのもいいとか。お試し下さい。
5. ごま油をたらし、まんべんなく広げる

ごま油を垂らし、生地全体に広げます。
6. 塩をまく

まんべんなく塩をまきます。
7. 長ネギのみじん切りをばらまく

みじん切りにしたネギをまんべんなくまきます。
8. 端からなるべくぴっちりと巻き、棒状にする

端からクルクルと、なるべくピッチリと巻きます。

棒状になりました。
9. 棒状になったら渦巻き状に巻いていく

今度は渦巻き状になるように巻きます。

巻けました!
10. 軽く潰すような感じでのばし、フライパンにぴっちりはまるくらいの大きさにする

渦巻き状になったものを軽く潰すようにしながら伸ばします。いきなり麺棒でのばすと生地が破れるので、手のひらで押す感じで伸ばすとよいです。

使用するフライパンは26cmなので、直径24cmくらいのサイズにしました。
11. フライパンにごま油をひき、フタをして弱火で15〜20分焼く

フライパンにごま油をひき、生地を入れてフタをして焼きます。

火加減は弱火でじっくり。15〜20分かけて蒸し焼きにします。
12. ひっくり返してフタをし、反対側も弱火で10〜15分焼く

焦げ目が付いているのを確認したらひっくり返し、同じようにまたフタをして弱火で10〜15分ほど焼きます。(ちょっと焦げました。)
完成!

完成! なかなかいい感じにできました!

横から見てもなかなか再現できている気がします!
気になるお味
生焼けが心配でしたが、弱火で時間をかけて焼くことで外はバリッと、中はちょっともっちり、いい感じに焼けました! 味はネギとごま油の非常に素朴な味。小麦粉、ネギ、塩、ごま油だけでこれだけのものができるならなかなか! という味です。
……と書くと期待しすぎてがっかりしてしまうので。焼きギョウザや肉まんから文明を抜いたような、もしくは原種を採取してきたような、そいういう味です。見た目以上におなかにたまるので非常食には適しています。とにかく極限のときに期待しないで食べて欲しい!
ちなみに……酢醤油やギョウザのタレを付けるとけっこうおいしくなるぞ!
そんな感じ

よりおいしく、きれいに作るならというポイントは以下の通り。
- 生地は細長く伸ばす
- 渦巻き状にする時は打ち粉は不要、または水を付けて生地をくっつけてもいいかも
- 酢醤油またはギョウザのタレがあるとよりおいしい!
- たぶんネギの他にも具材を入れるともっとおいしい。
生地を伸ばすのが大変ですが、形ができてくるととっても楽しいです。豪快さと繊細さ、両方を楽しめます。そして具材次第でアレンジもいろいろできそう。吹雪で別荘に閉じ込められ、食材がないときはこれで乗り切りましょー!