
クリスマスを病院で過ごす子供たちや施設などに匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」。新潟県新発田市にある敬和学園大学発祥のこの取り組みについて、これまでの歴史や本を贈る手順をまとめてみました!
「サンタ・プロジェクト」がテレビで紹介されたらしく、興味を持った人が多くいる様子。情報は毎年アップしていますが、運営する団体や本を贈る流れなどをより詳しくまとめてみました! 来年以降の参考になればと思います。
サンタ・プロジェクト概要
はじまりは2009年
新潟県新発田市にある「敬和学園大学」の大沢秀夫教授が2009年に「サンタ・プロジェクト・しばた」として「クリスマスを病院で過ごす子供達に本のプレゼントを届けませんか。私たちがお手伝いします」と呼びかけたのが始まり。最初は新発田市内の書店2店舗からスタートでした。
なお、大沢秀夫教授は敬和学園大学をすでに退職されているそうです。しかしその取り組みはしっかりと根付き、いまも地域を広げながら続いています。

写真は2010年12月に「未来屋書店新発田店」に設置されていたプロジェクト完了(予定冊数到達)のお知らせ。ここに書かれていたのが以下の文章です。
来年も「サンタ・プロジェクト・しばた」を行う予定です。それだけでなく、皆さんの身近なところで、ご自身の「サンタ・プロジェクト」を計画してくださったら嬉しいです。いろいろなところに「サンタ・プロジェクト」が生まれますように!
この願いは叶い、その後、サンタ・プロジェクトを行う団体が各地で発足していきます。
各地域の団体の名前について
「サンタ・プロジェクト」は各地でそれぞれの地名を付けた団体(実行委員)が「サンタ・プロジェクト・○○」として活動。いずれの団体も個人またはグループのボランティアです。
各団体が送る本の冊数を調整したり、書店と本の寄付先をつなぐ役割などをしてくれています。
サンタ・プロジェクト年表(参加団体のある地域)
- 2009年:新発田市(サンタ・プロジェクトしばた)が2ヶ所の書店で始まる
- 2010年:前年と同じくサンタ・プロジェクトしばた実施
- 2011年:新潟市に広がる。新発田市、新潟市(サンタ・プロジェクト・にいがた)発足および実施
- 2012年:新潟県中越地区に広がる。新発田市、新潟市、長岡市(サンタ・プロジェクト・ながおか)、南魚沼市・魚沼市(サンタ・プロジェクト・うおぬま)発足および実施
- 2013年:ついに新潟県外へ。新発田市、新潟市、長岡市、南魚沼市・魚沼市、長野県松本市(サンタ・プロジェクト・まつもと)、神奈川県相模原市(サンタ・プロジェクト・さがみはら)発足および実施
- 2016年:新発田市、新潟市、長岡市、南魚沼市・魚沼市、長野県松本市、諏訪市(サンタ・プロジェクト・すわ)、神奈川県相模原市で発足および実施
- 2017・2018年:新発田市、新潟市、長岡市、南魚沼市・魚沼市、長野県松本市、諏訪市、神奈川県相模原市、茅ヶ崎市(サンタ・プロジェクト・ちがさき)、東京都多摩市(サンタ・プロジェクト・たま)発足および実施
サンタ・プロジェクトで本を贈る流れ

以下のような流れで子どもたちに本をプレゼントする仕組みになっています。
- 実施書店の店頭で本を受けとる子の年齢、性別等が書かれたカードを選ぶ
- その子に合いそうな本(絵本や児童書)を購入
- クリスマスカードに匿名でメッセージを記入
- 本とクリスマスカードを書店に預ける
- プロジェクト運営団体(サンタ・プロジェクト・○○)が本をラッピング
- 運営団体が本とクリスマスカードを病院等へお届け
- クリスマス会等で子供達に本とクリスマスカードをプレゼント
個人がやるのは本を選んで購入、メッセージを書いて書店に預けるところまで。その後、運営団体がラッピングして寄付先に届けてくれる流れとなっています。
本の価格は800円〜1,300円、または800円〜1,500円程度が目安。価格をはじめ、細かい点は各プロジェクトによって若干の違いがあります。詳しくは各プロジェクトが出している情報や実施書店の店頭でご確認下さい。
乳児院や児童園の子供達、支援学級の図書コーナーへの寄贈も
近年は入院中の子供達だけでなく、乳児院・児童園(児童ホーム)で生活する子供達や支援学校の図書コーナーにも本が贈られるようになりました。図書コーナーや図書室から希望を聞き、希望図書リストを作成。その中から本を選んで贈ってもらうことで本の偏りを防ぎ、図書コーナーを充実させる仕組みを取り入れている団体もあります。
サンタ・プロジェクトの実施時期
各団体によって期間は異なりますが、早いところで11月の末、多くが12月の初め〜12月中旬に実施しています。いずれの地域・書店も予定冊数に達した場合は実施期間中であっても早めに終了となります。サンタさんになりたい方はお早めに。
実際にサンタになってみた人のレポート

仏像ライターのやまざきさんが本を贈った時の様子、流れを書いてくれています。実際に本を贈った人の体験談はなによりも参考になりますので是非ご覧ください!
そしてKomachi(月刊新潟こまち)で漫画を連載中のぐっちぃさんもサンタに。うちの記事を紹介していただきありがとうございます!
追記:2021年、ついに自分も参加してきました!
これまでうちであげた記事
途中、飛んでいる年もありますが、ひそかに2010年からサンタ・プロジェクトの情報を追っていました。規模が拡大するにつれタイトルも変わっていく様子が見て取れます。過去の情報ですが、これからの実施店舗・実施期間の参考になるかと思います。
- 新発田市で入院中の子ども達に本を送る「サンタクロース・プロジェクト」開催中(2010)
- 入院している子に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」新潟県内の8つの書店で開催(2012)
- 入院中の子供達に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」情報 – 2013
- 入院中の子供達に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」情報 – 2014
- 入院中の子供達に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」情報 – 2015
- 入院中の子供達に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」情報 – 2016
- 入院中の子供達や施設に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」情報 – 2017
- 入院中の子供達や施設に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」情報 – 2018
- 入院中の子供達や施設に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」情報 – 2019
- 入院中の子供達や施設に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」情報 – 2020
- 【2021年版】入院中の子供達や施設に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」情報
- 【2022年版】入院中の子供達や施設に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」情報
- 【2023年版】入院中の子供達や施設に匿名で本を贈る「サンタ・プロジェクト」情報
そんな感じ

テレビで取り上げられたことで来年は実施場所が増えるかもしれません。運営する人、書店、本を買う人、それぞれがボランティア。大変な面も多々あるかと思いますが、この善意が広がるといいですね!