鬼怒川の堤防決壊のニュースの際に、NHKのアナウンサーと解説委員が繰り返し言っていた水害発生時の注意事項・ポイントを書き起こしてまとめてみました。心に留めておくと、洪水等の災害に巻き込まれた時に役立つかもしれません。
そんなわけで「NHK直伝」とちょっと大げさに書きましたが、誰でも得られる情報です。漠然とニュースを見ていると頭に入ってこないので、まとまっていたらわかりやすいかなーと思い、じっくり聞いてまとめてみた次第。ちゃんと聞くとけっこうためになるのです。これを読んでおけば命が守れる! かもしれない。
水害時の避難・移動
避難する際のポイント:できるだけ早く、無理はしない
- 早めに安全な場所へ避難、移動する
- 自治体の指示に従って避難場所へ
- 自治体の指示が無くても自分で判断する
- 家の周りが冠水し始めていたら無理をせずに留まる
- 冠水時は側溝や陥没した場所が見えないので大変危険
- 水深数10cm・膝下の深さでも、流れがあると転んだ時点で流されてしまう
- とくに子供、高齢者は危険
- 暗くなるとより危険が高まる
周囲がすでに冠水している場合など、外に出るのは危険と判断した場合は無理に避難せず、建物の上の階に避難して安全を確保するのが重要です。
帰宅時の注意:無理に自宅に戻らない
- 無理に自宅に戻ろうとしない
- 仕事場が無事な場合、浸水地域に移動しない
- 知り合いや家族の安否確認に向かわない
- 街灯や信号が消えている可能性が高く、非常に危険
帰宅時はすでに暗くなっていることも多いので、より危険が高まります。自宅が心配でも、その場が無事ならば留まる選択を。
車
- 冠水した道路に入らない
- 前方が水に浸かっていたら進まない
- 運転中は水深が浅く見えてしまうことが多い
- 水深50cmで車体が浮くこともある
- 水がエンジン内部に入り混むと車が動かなくなる
- タイヤの中心線を越えると排気口から水が逆流する可能性あり
- 水圧でドアが空かなくなる場合もある
- 車を使わない、または車を駐車して避難することも大事
道路・交通
- 洪水時は幹線道路・脇道ともに冠水によって渋滞が発生する
- 不要不急の移動は避け、救助の妨げにならないようにする
冠水時は車の運転も危険が伴います。特に高架橋の下・ガード下を通行する際には注意が必要。「水たまりと同じ感覚で進まない」という気持ちが大事です。思ったより深くて車が動かなくなった……等ありえます。
川、用水路
- 増水した川には近付かない
- 川からは早めに離れる
- 様子を見に行かない
- 一見穏やかに見えても急速に水位や流れが増す場合がある
停電、断水
- 漏電や感電を防ぐため、送電を停止する場合がある
- 水が引いた後に点検、送電を開始するため、普及に時間がかかる
避難せずに自宅や建物内で過ごす場合
- 2階など、家の中でも高い場所に移動する
- 川から離れた部屋に移動する
- 無理に指定避難場所を目指さない
- 近いのであれば、鉄筋の建物へ移動するのは安全な場所確保に繋がる
- ひとまず安全が確保できたと思ったら動かない
救助について
救助を要請したい場合と救助の流れ
以下は鬼怒川の水害での救助の流れですが、大きな災害の場合は同じような流れで救助が行われるかと思われます。
- 119番に救助要請の電話をかける
可能であれば近隣の消防が救助に向かう - 市町村が情報をとりまとめ、県へ報告
- 県が自衛隊に救助を要請
- 自衛隊が救助に向かう
まずは119番。電話は繋がりにくいですが、諦めずにかけ続けてくださいとのこと。
救助を待つ際のポイント
- 目立つように布やタオルなどを振る
- まずは自分がいることを示す
- 若い人、体力のある人が率先して救助を求める
- 屋内の場合は窓やベランダに出て布などを振る
- 顔を出すことで人数を知らせることができる
- 認識されたらそこで待つ
- 体温を低下させないようにし、体力温存に努める
- 濡れた服は体を冷やすのでできたら着替える
- 体力の無い子供や高齢者は特に気を付ける
- 存在を知らせる際も服を濡らさないようにする
- 緊急度の高い人・場所から救助は開始される(※救助を要請した順番ではない)
- そこで一晩明かすことも覚悟しておく
- いずれ必ず救助・レスキューは来る。焦って下に降りない。
広域での浸水、水の流れがある時はヘリの救助がメイン。流れが収まるとボートでの救助が始まりますが、浸水時は地上からの救助は難しい&時間がかかることが多いです。存在を知らせ、体力・体調に気を付けつつ、あとは待つ。これが鉄則です。
ヘリでの救助方法
- 隊員が1人ずつ抱えて上がる
- ヘリの定員があるため、ある程度収容したら一度離脱し、救助者を下ろす
- 数人の救出でも1時間程度かかる
- 緊急度の高い人が優先される
- 救助隊に認識してもらったら、あとは体力を温存しつつ待つのが大事
日没後も投光器である程度救出作業は続けられるそうですが、周辺の状況把握が難しいため、翌朝を待って救助が再開される場合が多いそうです。長期戦に向け、心の準備を。
大人数が取り残された場合
スーパー等のお店に大人数が取り残された場合、その場所がある程度安全であればレスキュー隊の人が過ごし方を説明、一晩そこで過ごしてもらう場合もあるそうです。
まとめ
水害時の行動をまとめると以下のような感じです。
- 早めの避難
- 冠水したら無理に動かない
- 車で冠水した場所に入らない
- できるだけ高い所で安全確保
- 自分の存在を知らせる
- 体温・体力温存に努める
- 一晩待つ覚悟を
土砂災害および河川の氾濫は、雨が降り止んでから発生する場合があるので引き続き注意が必要です。
遠方だと、様子はチェックしつつも何気なく流し見してしまう災害のニュース。それとは逆に今まさに災害に巻き込まれている場合は重要な情報はその人に届かない場合が多いです。解説を頭に入れておけば、万が一自分が災害に巻き込まれた時にきっと役立ちます!