MacのACアダプタケーブルが断線するを防ぐための工作

2014/07/08 19:45

　あなたが使っているMacBookのACアダプタ、根元が切れてきていませんか？

　ある日、icoro♀が「ACアダプタのコードの根元が切れてきたんだけど」と言い出しました。見てみたら想像以上の破れ具合だった。

　実は自分の使っているMacBook (Late2007)もちょっと前からACアダプタの同じ部分に切れ目が入り始めていて、テープで補強して使っていました。さすがに7年も使っていれば不具合も出る、と思ってあきらめていたのですが、関根の使っているMacBookPro (Mid2012)はまだ2年目に入ったばかり。もしかして：設計ミス

新しいものに交換してもらえる……？

　ググってみたら、案の定、「ACアダプタの根元(もしくはコネクタの根元)のコードが切れてくる」という症状を訴えている人がわらわら出てきました。iPhoneのケーブルでも同じような症状が出るらしく、Apple製のコードが抱えてる欠陥っぽい雰囲気。

　そして、そんな人の中にちらほらと「ダメ元でアップルストアに持ってったら、無料で新しいACアダプタと交換してもらえた」という話が。サポートページには以下のような文言も出ています。

追加情報
アダプタの保証期間が切れているかどうかにかかわらず、Apple 正規サービスプロバイダまたは Apple Store (直営店) にお持ちいただいて製品をチェックし、必要に応じてアダプタを交換してください。チェックの結果が出るまでの間、交換品のアダプタを無償でご利用いただける場合もあります。損傷が過失や事故によるものとみられる場合は、保証の対象外になります。アダプタを使っている Mac 本体も必ず一緒にお持ちください。アダプタの交換を手配する場合に必要になります。
Apple Portables：MagSafe アダプタのトラブルシューティング

　このふわっとした「追加情報」。

Apple正規サービスプロバイダに持っていった

　というわけで、新潟県内で唯一「Apple正規サービスプロバイダ」がある新潟市のビックカメラまで足を運んだのでした。

　で、30分ほど待たされて得られた結論は「交換してもらえない」。上の「追加情報」が適用されるのはアメリカのみだとか。しかも、コネクタ側の被覆が切れた場合に限るそうで、今回のようなアダプタ側の断線は対象外。

　しかし、じゃあ、交換してもらえたって言う話はなんなんだ。

自分でコードを補強する

　新しいACアダプタに7,800円を出す前に、とりあえず自分で補強する事にしました。出来れば被覆が破れる前に補強しておくのが望ましいです。

　さあ、icoro切っての縄師岡本のテクに濡れるがよい。

材料

タコ糸
瞬間接着剤 (液状のもの)

　綿糸は熱にも薬品にも強いから安心だ！　でもナイロン製のカラフルな糸で補強したら、それはそれでかわいくて良いかもね！

補強の方法

　まず、アダプタの根元にある段になっている部分でタコ糸をひと結びします。

　糸先の部分は最後に使うので、やや長めに取っておくと良いです。
　以降、糸先側のタコ糸を「Aの糸」、糸巻き側のタコ糸を「Bの糸」と呼称します。

　コードにBの糸を巻き付けていきます。巻き付けるときにACアダプタをぐりぐり回してコードをねじ切らないように注意。元も子もないぞ！

　ある程度巻いたら、折り返して巻き付けます。

　そのままACアダプタの根元まで巻き付けます。この時、Aの糸を一緒に巻き込まないようにしてください。

　端まで巻いたら、再度折り返して巻き付けます。

　Aの糸が出ているところまで巻き付けたら、糸を本結びで止め、余分な糸を切ります。

　使用してる間に糸がほどけてくるのを防ぐため、結び目と補強部分の両端の3ヶ所に瞬間接着剤を落として固めます。

　これで完成。

Stay careful, stay coolish.

　MacBookのACアダプタにはケーブルを巻きつける機構があります。が、私はそれを使ったことがありません。最初にそれを見たとき、「これに巻き付けたり解いたりを頻繁に繰り返したら、すぐケーブルがダメになるだろJK」とゴーストが囁いたため。

　巻き付ける機構があるから巻きつけるのが正しい使い方だ、などという考え方をしていては、ACアダプタがいくつあっても足りません。製品の使い方についてのAppleの提案はひとつの理想、コンセプトであり、また、そのコンセプトは必ずしも現実に則したものではないことを我々は心得ておくべきでしょう。

　例えば、モーターショーのコンセプトカーで公道を走れると思う人はいません。パリコレのファッションで街に出たら「ヤバい人なう」と画像付きツイートされるだろうことは容易に想像出来ます。なぜなら、それらはあくまでひとつの理想型(コンセプト)であり、現実世界で使うには多分に不都合を孕んでいる、と我々は知っているからです。

　ところが、Apple製品を前にすると、多くの人はこの当たり前の感覚をマヒさせ、 Appleから提案されたスタイルを真に受けます。その結果、思わぬ(しかし、ちょっと想像力を働かせれば予想できた)不具合に見舞われることになるのです。「普通に使っていたのに云々」というセリフをレビューなどで目にしますが、むしろ、「普通に使っていた」からそうなったのです。

　たしかに人生においては貪欲かつバカであることが良いのかもしれませんが、ことアップル製品については慎重かつ冷静に使用する必要があるのであります。Stay careful, stay coolish.

　まあ、それでも不具合起きるんですけど。