いらっしゃいませに続いては接客の基本「ありがとうございます」と「ありがとうございました」です!「恐れ入ります」「少々お待ちください」等々の接客用語も一緒にやっちゃいます!
前回の「いらっしゃいませ」と同じく「ありがとうございます」「ありがとうございました」も、接客では必ず使う言葉です。
「いらっしゃいませ!」では「来てくれてありがとうの気持ちを!」と書きましたが「ありがとうございます!」はそのまんま「ありがとう!」。なのであまり難しくなさそう、と思っちゃうのですが、意外にくせ者なんですよコレが。
接客トーク特有のクセが付いていると、例え本当にありがとうと思っていても気持ちが伝わっていない可能性アリです。
印象の悪い「ありがとうございます」
「ありがとぉーございまぁーす」「ありがとぉーございましたぁー」という、暗く、不思議な抑揚のついたあの言い方はやはり印象が良くありません。いわゆるコンビニでよく聞く言い方のアレです。(コンビニで働く全国の皆さんごめんなさい、便宜的のこの言い方を使わせて頂いております。)。
このコンビニ型の一番の問題点は活気を出せないこと。そして無愛想に聞こえることです。
なぜこのコンビニ型が各地の様々なお店に広まっているのか。それはこの言い方をすることで店員さんが「自分、接客してる!」って気になっちゃうからだと思います。そして周りのスタッフと同じ言い方にしないと自分だけ浮いちゃうのでみんなに伝染。自分も高校でバイトを初めて以来、しばらーくこの言い方してました。
というわけで流浪のバイトさんも、長年接客に携わっている人も、知らず知らずのうちにこの言い方がクセになっている可能性大。暗い印象になっていないか、今一度ご確認を。
あと、声が小さかったり、タイミングを逃していたりで、せっかく「ありがとうございます」と言っていても、かえってマイナスイメージになっていることも。言い方を変え、そしてタイミングを意識すると印象はかなり変わりますよ!活気も出まくりです!
印象の良い「ありがとうございます」にするポイント
「ありがとうございます・ました」に関しては、多少語尾が伸びても、言い方次第では悪い印象ではないと思います。※ただし元気な声でハッキリとした言い方に限る。
No. あざーっす、あざっしたー、ダァ!!シエリイェッス!!シエリイェッス!!(これはこれで!)
でもコンビニ型の言い方(抑揚)がクセになっている場合は直した方がいいです。
「ありがとーございまぁーす」という言い方を直す(クセを抜く)コツ、印象がよく活気のある「ありがとうございます」「ありがとうございました」にするポイントはこちら!
- 語尾をムダに伸ばさない
- 普段言っている「ありがとうございます」を使う
- 全力の「ありがとうございます」を練習
1. 語尾をムダに伸ばさない
「いらっしゃいませ!」と同じく「ありがとうございます!」という感じで、最後にびっくりマークを付ける感じにすると良いと思います。ありがとうございまーす、という感じで「ま」を伸ばすと、いきなりバリバリのコンビニ接客トークになっちゃうのです。これ、クセで言っちゃってる人が多数いると思われます。一度ご確認アレ。
「語尾伸ばし・暗い・ここではないどこかを見ている」の3コンボが決まると、気持ちがこもってなーい感じに聞こえる&見えるので要注意です。活気とはほど遠い世界。直して!今すぐ直して!
「語尾を伸ばさず・明るく・お客さんを見ながら」です!
2. 普段の使っている「ありがとうございます!」を出す
「コンビニ型ありがとうございます」には気持ちが入っていません。よく「心を込めて」とか「気持ちを込めて」と言いますが、どうやれば込められるんでしょう。気持ちを込めるって、難しいです。(演劇をやっていた人ならできそうですけども。)じゃあどうやるか。
接客で使う「ありがとうございます!」も、普段言っている「ありがとうございます!」でいいと思うんですが、どうでしょうか?
想像してみて下さい。貴方が会社のちょっとエライ人から褒められている様子を。
エライ人:「君、最近がんばってるねー。いやぁー君に決めて良かったよ!」
あなた:「あ、ありがとうござますっ!」
↑はい、いいの出ました!コレ。コレです。
極端な例を出しましたが、こんな感じの、普段の言い方でお客さんに接してみてはいかがでしょうか。作ったものではない(いやまぁ作ってるんですけども)ありがとうございますになるハズ!
3. 全力の「ありがとうございます」を用意する
2で言った普段のありがとうございます。これをパワーアップさせた全力の「ありがとうございます!」を用意しましょう。対接客用最終兵器です。これはちょっと練習しないと装備できません。そしてそれを使うタイミングは後述します。
まずは先ほどの「妄想ありがとうございます」を1つ用意。これを声のトーンを上げて言ってみて下さい。要するにもうちょっと明るく、元気よく。声を少し高めに、少し大きく。これでより接客向きで印象の良い、そして気持ちのこもっている「ありがとうございます」になります。
そ・し・て!これにもうちょっと笑顔を盛ってみてください。妄想から生み出した「ありがとうございます」は、すでに笑顔だと思います。これに笑顔を増し増し!です!
物事、無から有を生み出すこと、ゼロを1にすることは非常に難しいです。笑顔もしかり。笑顔ゼロから笑顔を生み出すには血と汗と涙の滲む訓練が必要です。(それが倉庫裏での声だしなのかもしれない。)ですが。妄想によりすでに笑顔を手に入れているあなたは、それを多めにするだけ!段階を踏めば簡単にできるのではないでしょーか!?
いきなりできなくても構いません。毎日の仕事の中で、いろいろ探って、試してみて、自分なりの印象の良い言い方を見つけて見てください。自分なり、これも大事です。
語尾伸ばしVer.と全力Ver.の「ありがとうございます」を使い分ける
語尾伸ばしバージョン
語尾を伸ばす「ありがとうございまーす!」「ありがとうございましたー!」も使っていいと思います。「ありがとうございましたー!」を使って良いと思うのは「やまびこ挨拶」の時。「ブックオフ」で有名な「ありがとうございましたー!(ありがとうございましたー!)」のことです。
自分から姿が見えなくても、お客さんが商品を買ってくれたとき、お店を出る時には「ありがとうございましたー!」。お客さんが見える場合は必ずお客さんの方を向いて。ただし!必ず明るい声で!
「やまびこ挨拶」は要らないという意見もありますが、しっかりと言えるのなら、必ず活気に繋がるので是非言って欲しいです。お客さんに声を届けるのって大事。店を出る時に、しーん、、としてると何か物足りません。なぜか。お客さんは無意識に声を期待しているのです。
お客さんがお店に入ってきたら「いらっしゃいませ!」お店を出るときは「ありがとうございました!」。当たり前の事ですが、活気のないお店はこれがないんです。
活気=声。声なくして活気はでません!
全力バージョン
では、いつ全力バージョンの「ありがとうございます!」を使うのか。レジの手順で考えてみたいと思います。(職種・自分の仕事場の流れによって変えてみてね!)
- 自分がレジにいて、お客さんが来た時
- 会計の終わった商品を手渡す時
- お客さんがお金をしまってチラッとこっちを見る瞬間
- 自分が勧めたものを選んでくれた時
- お客さんが気を遣ってくれた時
販売では、お客さんが品物を買うと決めた瞬間、品物を手渡す瞬間、そしてどのお店でもそうだと思うのですが、お客さんが立ち去る瞬間が一番の「ありがとうございます」タイミングです。
売店なら自分がオススメしたお土産を買ってくれることもあるかもしれません。そんな時こそ、自分の気持ちを込めた「ありがとうございます!(笑顔増し増し!もちろんお客さんの目を見て!)」の出番です。
このありがとうタイミング、視点を変えてみると、お客さんが店員さんを見るタイミングなのです。
どれだけお客さんの方を見ていたとしても、目を合わせるタイミングを逃してしまうと「感じの悪い店員さん」になってしまいます。お客さんの目を見ながら「ありがとうございます!(にっこりー)」。これでずぎゅーん!なんか店員さんすんげーいい感じだった!となります。1人または1組の接客で、1回この「ありがとうございます!」を入れられたら成功。うまく入れ込んでください。
というか。この瞬間にいかにも接客用の「ありがとうございまぁーす」を言われるとちょっとガッカリーなのです。お客さんは、あー、心ではそう思ってないんだろうなぁ、なぁなぁだなぁと思っちゃうんです。「ありがとうございまぁーす」がクセになってると、本当にうれしくてもそういう言い方をしてしまったり。お互い気を付けましょう。
その他のタイミング
道を空けてくれたり、飲食店なら食器を下げるのを手伝ってくれる等、お客さんが気を遣ってくれることもあると思います。「あ、すみません」とか言っちゃうのですが、こういうときこそ自分の中からの「ありがとうございます」を。より丁寧な言い方なら「恐れ入ります、ありがとうございます!」。
ちなみに自分、私生活でも「すみません」ではなく「ありがとう」を言うように気を付けている真っ最中。これがなかなか直らないんですよね。。関西圏の「ありがと↑う」、いいですよね。接客してても関西圏から来たお客さんはさりげなく「ありがとう」って言ってくれることが多かったです。関東にもああいう言葉がほすぃー。
その他の接客用語
そんな気も薄々していたのですが、その他の接客用語も語尾をムダに伸ばさないようにすれば印象が良くなる事に気付きました。というか、接客トークではなく「普段話している感じにできるだけ近づける」これです。(それが語尾を伸ばさない、なわけで。)
よく使いそうな接客基本用語、レジでの接客用語はこんな感じでしょうか。
- いらっしゃいませ
- 恐れ入ります
- 少々お待ち下さいませ
- ○○円お預かりします
- ○○円のお返しでございます
- ありがとうございます
- ありがとうございました
全て語尾を伸ばすと絵に描いたような気持ちのこもっていない接客の出来上がり☆反対に、全ての語尾に「!」を付けるといい感じに仕上がります。接客言葉ではなく、普段の言葉遣いを意識、です。
必要以上に語尾を伸ばさず、元気よく。よほどの高級旅館、ホテルでなければ、ムリに丁寧な言葉使いはしなくていいと思います。
「ありがとねー!」とか、自分はすごくいいと思いますよ!どんどん使っていってください!
接客というより、会話を目指す
行き着くところは「お客さんと会話をするように」「話しをするように接客をする」。
これを心がけると印象の良い接客ができると思います。旅行者と地元の人との触れ合いに繋がりますね。
一期一会最後の言葉「ありがとうございました!」
観光地での「ありがとうございましたー!」は、そのお客さんにかける最後の言葉です。観光地の場合、次にそのお客さんに会える日はいつになるわかりません。たぶん、二度と会えない確率の方が高いです。
お客さんが店を出る時の「ありがとうございました」は一期一会の締めくくりの言葉。是非「来てくれてありがとう」の気持ちもこめて下さい。「お気を付けて」「是非またきてください!」という一言も付け加えることができたらいいですね。
「観光地の接客は一期一会」。観光地で働いている方は常にこれをお忘れなく。その一瞬が全てです。一言に全力をかけて。
対話式接客増加中、是非偵察を。
「サブウェイ」や「タリーズコーヒー」等、最近はこういう感じの対話形式のお店・企業も増えてきました。そういえば「タリーズ」って「いらっしゃいませ」って言わないんです。「こんにちは!」って言ってるはず。今度聞いてみて下さい。
そんな感じで、接客は他の人のを見てみるのが一番。普段の買い物、お出かけの中で、いいな、と思う接客を見つけてみて下さい。そして盗んじゃってください。接客は、普段の生活の中にヒントがいっぱいなのです。それに気が付くかどうかは意識の違い。接客は自分との戦いなのだ!