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とある博物館の売店の営業は無事に終了しました。

峠 – 1 – 夜明け前

 中学3年のGW(ゴールデンウィーク)。ジャックウルフスキンのデイパックに地図やMDプレーヤーを突っ込んで、まだくらい夜明け前の道を海に向けて歩いたことがある。

峠の釜飯の旅

 事前の調査では家から海まで2、3時間くらいで往復出来るハズだったのだが、なんかいろいろ勘違いしていて、実際には海に出るまでに3時間くらいかかった。今ならgoogleマップで検索すりゃだいたい何時間くらいかかるなんて事、すぐ分かるんだろうけども、当時はまだgoogleマップどころかgoogle自体なかったから仕方がない。

 というか、実は「あれ? このペースだと海に出るのに3時間くらいかかるんじゃね?」と言うことにはかなり初期の段階で気がついてはいた。3kmくらい歩いたあたりで。けれど、途中で引き返すのはあんまり面白くないし、気持ちは既に海に行っていたので、気が付きつつもそのまま続行した。たぶん遭難する人ってのはこうやって遭難するんだと思う。だから俺は山に登らない。とそれらしいことを言ってみたりする。

 当初予定よりも大幅な時間オーバーをしつつも、ともかく海にたどり着いて食べたおにぎりは、「海に来た」という静かな達成感と「また3時間かけて帰るのか……」という不安感の入り交じった複雑な味がした。

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