「八十日間世界一周」を探していたら、たまたま伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」の文庫版を見つけました。というわけで、「八十日間世界一周」と一緒に「ゴールデンスランバー」も購入して読みました。
村上春樹は新作が出るなりすぐに購入して読むのですが、それ以外の作家については基本的に文庫本が出るまで待っています。伊坂幸太郎も例外ではありません。というか、村上春樹は比較的新作が出るペースが遅いので、ハードカバーで買ってもあんまりお財布が痛くないという理由もあったりなかったり。伊坂幸太郎とか、村上春樹が1本出す間に5本くらい出してる気がしますし。とりあえず、村上龍のファンじゃなくてよかったな、って思います。
さて、ゴールデンスランバー。
伊坂幸太郎の作品の特徴として、物語の後半で一気に伏線が回収されていく爽快感があります。そのあたり、謎が謎のまま残る村上作品とは逆なわけですが、こういうのも自分は好きです。
が、ゴールデンスランバーはあんまりズバッとした伏線回収はありませんでした。「これまでの作品の流れから考えてきっとこうなるだろう」という予想が、あっさりと否定されます。そして、そのままゴール、というか終わりに向かうという。。
なので、旧来(重力ピエロとかラッシュライフとか)の作品のような爽快感を求めると、ちょっと期待はずれに感じるかもしれません。
でも、これまでの作品が手のひらの上でコントロールできる範囲で展開されているとしたら、ゴールデンスランバーは、手のひらから溢れ出した、と言う感じがします。おすすめです。
この後に出版されている「モダンタイムス」の文庫化が楽しみ。