約20年前にOneShare.comで購入したApple株をSMBC日興證券に移管しました。思ってたよりすんなり移管できてもっと早くやっておけばよかったと思っている。
その昔、額装した米国株を購入できるOneShare.comというサービスが存在しました。
アメリカではプレゼントとして株を送る文化があるらしく(雑誌の紹介記事にそう書いてあっただけでホントかどうかわからないけどアメリカならありそう)、投資目的というよりプレゼントとかインテリア目的のサービスでした。
また、今でこそアメリカ企業の株を1株から購入できる証券会社が結構ありますが、その当時は数十万円という最低取引金額が定められていてある程度まとまった原資がないと購入できないのが普通だったと思います。
そういうこともあって、Apple大好きだった私にとって、手頃な価格でApple株を手に入れられるOneShareは願ったり叶ったりのサービスだったわけです。
PC雑誌で紹介されたりしてたので、とくに古のMacユーザにはおなじみのサービスかもしれません。OneShareは英語しか使えなかったので、日本語で購入を代行(?)してくれる1株.comというサイトもありました。どちらも現在ではなくなってしまったようです。
そんなこんなで購入から20年弱。1株でも株は株なので、株主配当も株式分割もちゃんと発生します。私の1株は2回の株式分割を経て28株にまで増えていました。気が付いたら1万円が60万円になってたw 株の運用成績がいいのは死んだ人と買ったことを忘れた人といいますが、ほんそれ。
そして、それなりの金額になってることがわかると人間、欲が出てくるもので。
OneShareで購入した株はComputer Shareという証券会社(正確にはTransfer agent)で管理されています。アメリカの証券会社(本部はオーストラリアらしい)なので全部英語でよくわからんし、金融機関の仕組みも日本と違うので株やカネの出し入れの仕方もよくわからんし、28株あると言っても実質絵に描いた餅状態です。
加えて配当をもらい損ねてるのももったいない気がしてくるし、毎回ビミョーにフォーマットが変更されて送られてくるW-8BENを書いて送ったりするのも面倒だし(送らないと最悪、株が州に没収されたりする)、できるなら日本の証券会社に移管したいなぁと以前から漠然と思っていました。
なお、没収からの奪還については以下のブログに詳しいです。
SMBC日興證券で移管できる
そんなわけで「日本の証券会社に移管できないかなぁ」と3年に1回くらいふらっとググっており、今回もそんな調子でググったところ、SMBC日興證券はComputer Shareから株を移管できることがわかりました。
日興證券の口座は昔作ったきり使ってなかったので閉鎖しようかと思っていたところだったアブネアブネ。ありがとう、インターネット。ありがとう、てるてる。
ちなみにかつては楽天証券でも1株から移管できたようですが、今はできないみたいです。なんか金融機関の仕組みが変わったのかも。
日興證券に問合せ
というわけで、日興證券の事務手続きダイヤルに電話してみました。
なお、事務手続きダイヤルでは問合せにあたり自分の日興證券口座の支店コードと口座番号が必要なのであらかじめ確認しておきましょう。
オペレータに「Computer shareという海外の証券会社にあるApple株を日興證券の口座に移管したい」と伝えたところ、「後日書類を送るので記入して返送してくれ」とのこと。
「DRS明細書のコピーも同封してくれ」と言われましたが、結果から言うとDRS(Direct Registration System) Stock Distribution Statement(保有株数に変動があったり年度末などに送られてくる株の明細書、らしい)はマストではありませんでした。必要なのはDRS statementに記載されている「Holder Account Number」(詳しくは後述)だけのようです。
また、移管するにあたり日興證券では以下の条件があります。
- 移管する株は日本円換算で総額30万円以上である必要がある。
- 移管した株は一般口座に入る。
Apple株は直近だと1株2万円($160)くらいなので15株以上あれば移管できます。28株あるので余裕余裕。
一般口座だと配当金が出た場合や売買益が生じた場合に確定申告が必要になりますが、これはまあ仕方ない。
書類の記入
電話から数日後、書類が到着。
届いた書類。何枚も書類を書く覚悟をしていたのですが、封を開けてみたら書類は1枚だけでした。一通り記入して同封されている封筒で送り返します。ちょっとわかりにくい金融機関についての項目に記載する内容は以下の通り。
- 保管金融機関名および所在国:「Computer Share」(所在国:アメリカ)
- 保有金融機関口座名または口座名義:Computer Shareに登録している自分の名前
- 保管金融機関口座番号:DRS等に記載されているHolder Account Number
「保管金融機関担当者名」と「保管金融機関担当者メールアドレス」は無記入。
「移管理由」は「外国株式の売買のため」とかでいいみたいです。
「Holder Account Number」は(前述のDRS statementを含む)Computer Shareから送られてくる書類に記載されています。
また、Computer Shareのウェブサイトでも確認できます。ログインしてメニューの「Documents」を開くと出てくる 「Tax Statement」(Form 1042-S)のPDFに記載されています。(W-8BENを提出してないと出てこないかもしれない。)
券面も移管する場合
券面になっている株も移管する場合は、一旦券面をアメリカに送る必要があるそうです。アメリカに送るにあたり送料や保険料などで4,000円程度かかるみたいです。
送った券面は送り返してもらえるのか、それともそのまま向こうに行ったままになるのかよくわからなかったので(どうなるのかわかる人は教えて)、券面で持っている1株はそのままComputer Shareに残すことにしました。最初に手にした株券は記念に手元に残しておきたいなと思って。あと株券を額からはずして取り出すのがクソ大変。
移管完了
書類を送ってから2週間弱で移管完了してました。とくに移管完了のお知らせとかはなくて、年度末に送られてきた取引残高報告書で移管完了を知りました。取得価格は移管が完了した日の株価になってるみたいです。
今気になっているのは配当金を受け取れるのかということと移管にあたり費用が請求されるのか、という2点です。今のところ請求書は届いていない……。すべては6月になるころには判明していると思われます。
結局、Computer Shareに1株残した状態になっているので、今後もW-8BENは書かなきゃだし、配当も1株分は小切手で届き続ける、のか? まあでも最近はW-8BENもオンラインで提出できるからそんなに面倒でもないし、なによりずっと気になっていたことが解消されてすっきりしたので、ヨシ!
その後
ちゃんと配当金入ってきてました。やったー。配当金は自動的に日本円に換金されます(このときの為替は137.91円/ドル)。なんだかんだするとドルのまま受け取ることもできるらしい。
移管にかかる手数料は今のところ請求されていません。