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山古志で自動運転の未来に触れてきた

自動運転サービス実証実験

 新潟県長岡市の山古志で自動運転車両の試験走行をしているという話を聞いて見に行ってみたよ!

 3/17(日)から3/23(土)までの間、中山間地での自動運転サービスの導入を模索する国交省のプロジェクトの一環で、山古志の道を自動運転車両が走行しています。
 というわけで生自動運転を見に山古志へ行ってきました。

自動運転サービス実証実験

 まだ雪の残る道を長岡市役所 山古志支所に向けて走行していると「自動運転車走行」の黄色い看板が出現。

自動運転サービス実証実験

 支所のすぐ前で一旦停止。ここから自動運転車両の走行区間がはじまります。

自動運転サービス実証実験

 自動運転の実験走行をしている旨の説明を受けます。

自動運転サービス実証実験

 そんなこんなで山古志支所&山古志復興交流館「おらたる」に到着。ちょうどおらたる前に自動運転車両2台が停車していた!

自動運転車両

自動運転サービス実証実験

 青いほうは6人乗りの乗用車タイプ。ヤマハのランドカー「YG-M」を6人乗りにカスタマイズしたものっぽいですね。実際に走行する際は運転席と助手席(?)にスタッフが同乗するので、実質4人乗りです。

自動運転サービス実証実験

 デザインとか一切気にすることなく雑に貼られてる「国交省」「内閣府」などのシールにお役所仕事感が出ていて最高ですね。自分の車にも「内閣府」を貼りたいです。

自動運転サービス実証実験

 白いほうは4人乗りで、トレーラーがくっついていました。ヤマハのゴルフカー「G30Es」を公道仕様にカスタマイズしたものっぽいです。こちらは「おらたる」で販売する農作物などの運搬に使用している模様。

自動運転サービス実証実験
道路上の黒い線が誘導線の埋設されている場所。

 この2台の自動運転車両は道路に埋設された誘導線に沿って走る仕組みになっています。自動運転と言えば自動運転ですが、「車の形をしたモノレール」とか「人が乗れるサイズのライントレースカー」と言うほうが実際に近い気がします。

運行ルートと時間

自動運転サービス実証実験

 自動運転車両は「おらたる(山古志支所)」を出発して、アルパカ牧場と山古志中学校を経由したのち、ふたたび「おらたる」に戻ってくるルートを走ります。距離は約3kmで、所要時間は20分ほどです。

自動運転サービス実証実験

 運行は一日に7本。平日と休日でびみょーに運行時間が異なります。また、そのときの雰囲気で増えたり減ったりすることがあるみたいです。

実際に乗ってみた!

 日報の記事では

事前にモニターとして選ばれた住民らが利用し、高齢者への弁当配達や農作物の集荷、学童保育を受ける小学生の送迎などに使われる。

山古志で自動運転車両の実験開始 地元住民らが乗り心地を確認|地域|新潟県内のニュース|新潟日報モア

と書いてあったので、事前にモニターとして選ばれた住民しか乗れないのかと思っていたのですが、乗りたそうな顔でスタッフを見ていたら「乗りますか?」と声をかけてくれた!! 乗客が少ないときは飛び入り乗車できるみたいです。

自動運転サービス実証実験

 来たよ! 乗るよ! イコロさまのご乗車だヒャッハー!

自動運転サービス実証実験

 運転席はすごくシンプル。ハンドルとペダルがあるだけ。ギアはなくて、かわりに前進と後進を切り替えるスイッチがインパネにあります。おもちゃみたい。今気が付いたけど左ハンドルだ。
 運転中はハンドルの下に出ているバー(自転車のハンドルみたいなやつ)を握ってなければだめらしいです。法律的に。

自動運転サービス実証実験
ハンドルを握っているように見えますが、実際に握っているのはハンドル下にあるバーです。

 スタートするとハンドルが勝手に動いて目的地まで走り出します。速度は10km/hくらい。ただ、それは最高時速で、坂道や急なカーブだと歩いたほうが速いくらいの速度まで落ちます。

 ハンドリングやアクセルワークは結構ザツい印象でした。とくにハンドリングはだいぶカクカクしていて、運転のうまくない叔母さん(年に1回くらいなんらかの事故を起こす)の運転する車に乗っているような気持ちになります。スピードが遅いのが救い。

自動運転サービス実証実験
停留所のあるアルパカ牧場前。出会う人みんなカメラを構えていてちょっと気恥ずかしい。

 停留所に着くと自動的に停車します。停車は自動ですが、発車するには人がスタートボタンを押す必要があります。車自身が人の乗降完了を判断して出発するという機能はまだありません。

自動運転サービス実証実験
 一時停止が必要な場所では車が自動的に停車します。発進するには人が安全を確認して発進の操作を行う必要があります。

 おらたるの敷地から公道へ出る場合や交差点などの一時停止が必要な場所でも車は自動的に停車します。このときも人が安全を確認してスタートボタンを押す必要があります。
 しかも一時停止場所での挙動が、まず停止線で1度停車し、さらに安全確認のためちょっと頭を出してもう一度停車という(教習所で習う大変正しい)プロセスを踏むようになっていて、そのたびにスタートボタンを押して再発進させなきゃいけないところが全然スマートじゃないw ボタン押すたびにピーピー音が鳴る感じがなんかこう、信号や一時停止でいちいちエンストする、運転がうまくない親戚の叔母さんみあるw

自動運転サービス実証実験

 とまあ、考えれば考えるほど「果たしてこれは『自動運転』と言えるのだろうか……?」という気持ちになってきたりもしましたが、私は元気です。

 思ってた自動運転とはちょっと違いましたが、現実的な落としどころと言われればそんな感じもします。ただ、運行にあたって、結局、人が最低ひとり随行しなければいけないので(やろうと思えば遠隔でもできそうだけど)、コストとか人員とかなんだかんだ考えると支所でコミュニティバスでも走らせたほうがまだ現実的なのでは、という気もします。
 まああれだ、今回の実験はとりあえず走らせてみたという段階だし、生活圏をつなげていくだとか、観光に活用していくだとかはこれからの話なんだ!

どんどんやってくれたまえ!

自動運転サービス実証実験
 乗車の前後にアンケートに答える必要があります。なんとドリンクとクッキーがサービスでもらえたぞ! 関係ないが、実はこの前に自腹でソフトクリームも食べているぞ!

 なんか、書いてるうちにネガティブ寄りのまとめになってしまいましたが、こういう試みが行われるようになったことは歓迎すべきことだと思います。

自動運転サービス実証実験
自動運転車両が走ってたり、ドローンが飛んでいたり、山古志のテクノロジー偏差値が局所的にすごい高まっていた。

 いや正直な話ね、年寄りは免許返納しろとか言うけどさ、免許返納したらこのへんじゃ買い物すらろくにいけなくなるわけです。路線バスは一日に往復あればいいほうだし(なんなら山古志の路線バスは廃線になるとかならないとか)、町のタクシーは廃業済だったりするし、自家用車なしにどう生活しろと? って話なわけですよ。都会に、もっと交通の便のいい場所に引っ越せばいいと簡単に言う人もいますが、世の中にはいろんな事情でその土地から動けない人もいるのです。そんなもの捨てればいいと他人は簡単に言うことができるかもしれないけれど、当事者には簡単ではないことだってあるんですよ。それが下るか下らないかは結局本人しか決めることができないんですよ。だからアクセル踏み間違えてコンビニに突っ込むプリウスばあさんを、道路を逆走する軽トラじいさんを、そんな手放しにdisる気にもなれないんですよ(まあdisりますけど)。明日は我が身ですよ。

 そんなわけで私の安心・安全な未来のためにも、自動運転の実験はどんどんやって実現に近づけていっていただきたく思う次第であります。がんばれテクノロジー! 勝ち取れ未来!

参考

青島文化教材社 1/24 ザ・モデルカー スバル TT1 サンバートラック WRブルーリミテッド ’11 プラモデル

  • メーカー:青島文化教材社(AOSHIMA)
  • カテゴリ:おもちゃ&ホビー
  • 発売日:2016/10/02

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