AIが白黒写真を自動で色づけしてくれるサービスを岡本家所蔵の白黒写真で試してみました。
モノクロ写真にいい感じで色付けしてくれるプログラム自体は6月ころに公開されていたようですが、その後、公式のウェブサービスが公開されました。ただ、今のところ「とりあえず使えるようにしました」という感じで、ちょっとアクセスが集中したり、でかい画像を投げられたりするとすぐダウンしちゃうみたいです。
安定して使えるのは以下のサイトで公開されているウェブサービス。プログラムの中身は公式と同じですが、キュー(順番待ち)がついてたり、フレーバーが選べたり、機能が洗練されてるうえ、公式に比べて安定して利用できます。
結構負荷が高いみたいなので、すごいでかい画像投げつけるとか(512x512pxくらいが適当)、アクセスしまくるとかして、いじめないでね。
試してみた
まずはほんとに色が再現されるのか試してみました。もともとカラーの画像を白黒に変換し、それをサービスに投げ込んでみました。
左が元画像。右が自動彩色したもの。これはだいぶ元の雰囲気が再現されました。
左が元画像。右が自動彩色したもの。全体に植物の緑色の再現度は高いです。一方、カラーバリエーションがある人工物は再現が難しいようで、ここでは服や車の青色が赤色に判定されてしまっています。
岡本家写真集
というわけで本番。岡本家所蔵の古い白黒写真を何枚かサービスに投げてみました。元は全部白黒写真です。
戦前
戦前の集合写真。たぶん大正時代のもの。この中に岡本のじいさんが写っていると思われるのですが、どれかは不明。
後ろの男性陣の着物が赤みがかっていることを考えると、女性陣の着物の色は実際には青系だったのかもしれません。
二人の学生。写真左がたぶん岡本の祖父と思われます。色がつくだけですごく体温を感じる写真になります。
昭和初期。今はなき長鉄(長岡鉄道)であった事故の写真。
洪水のときの近所の川の写真。橋は変わりましたが、川の形は今も同じです。
祭りの写真。上の洪水写真に写ってる橋と同じ橋の上ではないかと思われます。
祭りの集合写真。後ろの建物は小学校のような気がするけど違うかもしれない。
奥只見ダム
一気に時代が新しくなって、建設中の奥只見ダム。1960年前後と思われます。風景写真はかなり自然な色合いに仕上がりますね。
ダムを眺めてる?
「セピア調になっただけじゃね?」という結果になることもあります。でも、よく見ると後ろの緑には色がついているような。
そういえば、拡声器を持ってボンネットの上に立つ姿って実際あんまり見ませんね。
人物の肌の色がうまく再現できてませんが、風景はバッチリですね。それにしてもおっさんという生き物のエイジレス感。
長岡駅
長岡駅。元の写真が飛び気味、かつ小さかったので、白っぽくなっちゃいました。
たぶん長岡駅前。たぶん3人娘の真ん中が岡本の祖母だと思われます。30代くらいの写真だとすると、1950年代くらい。
三国隧道(三国トンネル)
三国トンネル開通前の記念写真と思われます。群馬県側はトンネル出るとすぐに橋になっているので、これはたぶん新潟県側で撮られたものですね。
ちなみに現在の新潟県側の三国トンネル入口。トンネル入口の前にスノーシェッドがとりつけられた状態になっています。スノーシェッドについてるトンネル銘板は初期のものと同じっぽいので、再現したか、色づけしたかしたものっぽいですね。
新三国トンネルの建設も進んでいるようなので、この写真もやがて懐かしい写真になっていくのかもしれません。
完全な再現は難しいが雰囲気は出る
いくつかやってみた感じでは、きれいな白黒写真ほどちゃんと色がつくようです。一方、古い白黒写真は古いカラー写真のような色味に仕上がります。正確といえば正確。また、人工物の色はやや苦手な印象。あと、同じ彩度の色が並んでいる写真(赤と青の縞模様とか)は白黒にするとほとんど同じ色になるため、再現が難しくなります。
とまあ、ちょっと変なふうに仕上がることもありますが、これ、昔の写真を引っ張り出してきてカラー化してあげたらおじいちゃん・おばあちゃんに喜ばれると思いますよ。カラーになるだけで写真の生々しさが増す感じがします。家に白黒写真がある方は是非お試しください。満州の写真もあったのだが、叔母さんにごっそり持ってかれたことが悔やまれてならない……!