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長岡市栃尾地区に伝わる夏の風物詩、石積みに行ってみた

 新潟県長岡市栃尾(旧栃尾市)で、毎年8月7日の早朝に行われている行事「石積み」を見に行ってきました。年に数日しか見られない、別世界のような光景。河原に石の塔がたくさん立ち並びます。

 これを書いているのは8/6。見たい方は明日の朝、栃尾へ行ってみましょう。

栃尾の石積み

 栃尾の石積みは5年以上前に一度見に行ったきり。その時は朝遅く(10時くらい)行ったため、石を積んでいる様子を見ることはできず。調べてみたところ、石積みは早朝5:00くらいから行われているということだったので、家を4:00過ぎに出発することにしました。まだ夜が明けきらぬ空を眺め、長岡から峠をひとつ越えて栃尾へ。ねむいー。。

栃尾の石積み

 ちょうど5:00くらいに栃尾に到着。さて、石積み会場はどこだー!川に沿って車を走らせます。

栃尾の石積み

 まだ石は積まれていないものの、いかにも会場です!という感じの人だかり、そしてテントを発見!テントは刈谷田橋の近くに設置されていました。後ろに見える鉄塔が目印です。
 車をどこに停めようか迷ったのですが、近くある「栃尾市民会館」(長岡市中央公園1番36号)の駐車場へ。徒歩5分かからないですが、隣りにある「長岡市栃尾体育館」(長岡市中央公園1番34号)裏の駐車場の方が若干近いのでおすすめ。

栃尾の石積み

 テントのところには「栃尾の石積み会場」の看板が。これは間違いない。

栃尾の石積み

 刈谷田橋の上から見た様子。川に入り、石を積み始めている人の姿もちらほら。

栃尾の石積み

 石積みは、はじめ!という合図などは無く、みんな自発的に始める感じです。参加者は地元のおっちゃん達がメイン。石を積む人とカメラを構える人の数にそれほど差がないという。。

栃尾の石積み

 1本積んだらまた次へ。1本積んだらまた次へ。こうして次第に石の塔の数が増えていきます。

栃尾の石積み

 右側の白い帽子のおっちゃんはなかなかの技術の持ち主。他の人よりも高い塔を次々に積み上げていきます。

栃尾の石積み

 そんなに上手く積めるものなの?と気になり、石の塔を近くで見てみるとキラリと光る技術が。石と石の間に小石が挟んであります。この他、川底の砂利をすくって載せ、その上に積むことで安定度UPという技術も。石積みをする方は是非参考にしてみて下さい。(かなり限られると思いますが。。)

栃尾の石積み

 石を積んでいるお子様がカメラマンに囲まれるの図。

栃尾の石積み

 こうして2時間ほどで終了。川原にたくさんの石の塔ができました。

 会場で配られていた石積みを紹介するプリントには、以下のように書かれていました。

栃尾の石積み
 栃尾では8月7日を「七日盆(なのかぼん)」と呼び、毎年、8月7日の早朝に人々が河原におりて、平たい石を積み重ねて石の塔を作る「石積み」の行事が伝承されています。
 これは、幼くして死んだ子供たちの霊が親を泣かせた親不孝者として重い罪を科せられ、三途の川の河原でくる日もくる日も石積みをさせられている、という賽の河原信仰によるものです。石を高く積めば積むほど親不孝という罪科が軽くなり極楽浄土へ行く日が早く来るとされ、一刻も早く浄土へ辿りつきたいと願う子供たちの霊は、一生懸命に石積みに励みますが、高く積み上げた頃になると地獄の鬼たちがやって来て、金棒で石塔を突き崩してしまいます。子供たちの霊は、恐怖と切なさに泣き叫びながらも、しかし、浄土へ往生したいために再び石を積み始めるといわれています。
 七日盆は、地獄の釜も休む日とされ、賽の河原の子供たちの霊にもつかの間の休息が与えられます。
 賽の河原の子供たちの霊が休んでいる間にも、一国も早く子供たちも霊を浄土へ送りたいと願う現世の肉親たちが地域の河原に降り、子供たちの霊に代わって石を積むというこの行事は、もの悲しい中にも現世に暮らす人々の心のあたたかさを感じさせる民俗行事として、今も、栃尾の夏の早朝の風物詩になっています。

 現在、賽の河原信仰はどのくらいの地域で残っているのでしょうか。参加していた方とお話したのですが、子ども達に是非参加して欲しいと思っているものの、なかなか集まらないとのこと。まずは自分達が見せないと、と大人達が近所で誘い合って参加しているそうです。なので外部から来た自分達も非常にウェルカムな感じで受け入れてくれました。本当にありがとうございます。

栃尾の石積み

 これも参加していた方から聞いたのですが、天気がいいと朝日が差して水面に映る石の影がきれいとのこと。この日は曇りだったのですが、ちょっとだけ朝焼けっぽい時の一枚。いい感じですね。

栃尾の石積み

 石積みがしやすいようにと、事前に町内の方が会場付近の草刈りをしているそうです。

栃尾の石積み

 見に行く、または参加する場合に気を付けたい点が。川原なのでブヨ(地域によってはブト・ブユ)がけっこういます。刺された跡(正確には噛まれた跡)から血が出るので蚊とは違うのがわかります。これがかゆい。そして治りにくい。。
 なので長袖を着ていく、虫除けスプレーを用意していく等の対処をして行くと良いと思います。(ブヨは虫除けスプレーが効きにくいとも聞くのですが。。ハッカ油がいいらしい。)

 でもブヨは水がきれいな所にしかいないらしいので、川がきれいという証拠でもあったり。栃尾は自然がいっぱい。

栃尾の石積み

 もうちょっと上流の方でもやってるよーと教えてもらったので車で移動。こちらはすでに積み終わった後。人影はなく、静かに石の塔だけ立っている風景はやはり不思議な感じがします。

栃尾の石積み

 すぐに崩れてしまいそうなイメージですが、大雨が降らなければしばらくはこのまま残ってるそうです。ちょっとびっくり。8月7日に行けなくとも、数日間はこの不思議な光景を見ることができます。

 こういった特色のある行事は是非残して行って欲しいです。民俗学的にも価値がありそう。栃尾はこういった伝統的・民俗学的なものが多く残っている地域です。参加者を増やすには観光化するのもアリだとも思いますが、こういうのは地域に根付いているから良いわけで。ううむ。
 「新潟・福島豪雨」で被害のあった栃尾ですが、平成23年も開催されるそうです。地元の方も歓迎してくれるので、参加してみるのも良いかも、と思います。いろいろと教えてくれたおじさん、ありがとうございましたー!

栃尾の石積み

開催日時毎年8月7日の早朝に実施
会場新潟県長岡市栃尾各地の河川
特に盛んな場所:中央公園より徒歩すぐの刈谷田川河原
アクセス・関越自動車道「長岡IC」または北陸自動車道「中之島見附IC」から国道8号-351号-290号経由で約30分
・関越自動車道「小出IC」から国道17号-252号-290号経由で約60分
問い合わせ先栃尾観光協会 TEL:0258-51-1195

参考サイト

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