ついに開缶されたシュールストレミング。世界一臭いと言われる食べ物は、果たしてどのような味がするのか。(それ以前に食べることが出来るのか。)
百聞は一見にしかず。ここまで来たら実食あるのみです!
世界一臭い食べ物、「シュールストレミング」。その臭いにばかり関心がいってしまいがちですが、これはあくまで世界一臭い「食べ物」。やっぱり食べてみないとね!
缶詰から取り出した1枚のシュールストレミング。かなりかぐわしい臭いを放っています。どこからともなくハエが寄ってきます。
数えてみたら、缶の中にはこんな感じの腹開きしたニシンの切り身が12枚詰まっていました。ラベルには「10枚から12枚入だよ」と書いてあったので、一番いっぱい入ってるのを引き当てたということですね!(なぜだろう、嬉しくない。)
1枚まるごとはさすがに食べられる気がしなかったので、半分にしました。とろけるようなシュールの身はお箸で簡単に切ることが出来ます。ただ、箸では皮がちょっと切りにくいです。もっと細かくしたいならハサミがあったほうが便利だと思います。
表側はこんな感じ。夏の太陽に照らし出された紫色を帯びた皮と背びれがとても生々しいです。
一通り観察したら、いよいよ実食!
臭いはアレだが、SASHIMI文化にどっぷり浸っているジャポネーゼなら、生っぽさなんて無問題だぜ。まずはプレーンな状態で一口!
あぁ……これは……
古民家のトイレで深呼吸しながら、塩漬けされた魚の切り身を口に含んだような気分……
(※画像はイメージです。ちなみに長岡市にある長谷川邸。)
臭いはもう言わずもがな。味は、結構塩辛いです。海水の染みこんだ魚の切り身を食べているような感じです(そのままといえばそのまま)。骨はありますが、まったく気になりません。おそらく、半分とろけているのではないかと。
旨みのようなものを感じることは出来ませんでしたが、今回はファーストトライだったので、臭いにやられてそこまで感じ取る余裕がなかった可能性もあります。
いずれにしても、シュール単品で食べるのはかなり厳しいです。高血圧まっしぐら。
シュールストレミングの輸入元である川口貿易のウェブサイトにあるシュールの紹介ページによると、シュールはウォッカなどで洗って食べるようです。
シュールストレミング(スウェーデン産)【新物】世界一臭い食品
屋外で、飛び散らないように注意しながら開けた缶から中身を取り出し、アクアヴィットと呼ばれるスピリッツ(ウォッカでも可)で身を洗います。
というわけでウオッカで洗ってみたのですが、洗うと臭いが抑えられて若干食べやすくなるかも。まあでもそんなに劇的な変化はないと思います。
ラップサンドがおすすめ
いくつか食材の組み合わせを試してみましたが、一番良かったのはパンにクリームチーズを塗り、玉ねぎのスライスとシュールを一切れのせてたべるというもの。クリームチーズが良い具合にシュールの塩辛さを包み込んでくれます。コレをベースに、トマトのスライスや茹でたジャガイモなどをくわえても良いと思います。
今回はサラダ用のタマネギを使ったのですが、シュールに使うなら普通のタマネギの方がいいかも。サラダ用のタマネギは味や香りが薄く、シュールに負けてしまいます。
シュールの香りをダイレクトに感じたい! そんなあなたには上の写真のようなオープンサンドがおすすめ。
シュールの臭いがあんまり得意ではないと思う人はラップサンド(サンドイッチのような)にすると良いです。
ちなみに、上の写真のようなシュールと副菜の比率はやや上級者向き。副菜の量はこの倍以上にしないと臭くてしょっぱいあんちくしょうです。
お裾分けしたよ
参加者が10人もいたので、1人1枚処理すればほとんどのシュールを処理出来る公算だったのですが、なぜか一向に減らなかったので、当日、(運悪く)大杉公園でBBQをしていた方々にもシュールをお裾分けしました。(俺、2枚以上食ったハズなんだけどなー。おっかしーなー。)
男性陣は苦悶しながらもなんだかんだで食べていましたが(一切れの半分くらい)、女性は完全に臭いにやられてシュールサンドを前に涙浮かべてました。そして結局一口も食べられなかったという。(ちょっと可愛そうなことをしてしまったかもしれない。。)
てな感じで、シュールは食べられる人と食べられない人が結構はっきりと分かれます。参加者は10人でしたが、実質的な戦力は4人程度でした。人選にもよると思いますが、シュール戦における実質的な戦力は参加者の半分程度と見積もっておいた方が良いかもしれません。
今回、icoroの2人は案外シュールを食べられることが判明。好き好んで食べないけれども、食べろと言われればまあ食べられますが何か? という感じです。後半、副菜(というかパン)が不足しなければ、もちょっと食べられたかも。(てか、誰だー。シュールも食べないでパン消費してたヤツはー。)
対シュール戦にあたっての心得は、真正面からシュールに対峙しないことだと思います。真正面であの臭いに向きあってしまうと食べるのにかなり抵抗が出てしまう可能性が高いです。半身で相手と対峙する。コレ、武道の基本ネ。
味と臭いを分離してとらえることが出来る人は食べられるかも。「あ……コレ……ダメかもしんない……」と思ったら負けです。諦めたらそこで試合終了ですよ。
次回は副菜を考察
そんなわけで、次回は副菜について考察してみたいと思います。
シュールまつりを行うにあたって、どんな副菜をどれだけ用意すればいいのか調べたのですが、そういうのを書いてるところってあんまりなかったんですよね。
なので、シュールまつりをしたい人達の参考になればと思います。