高速船「あいびす」の2階には絨毯席があります。この絨毯席、以前は16席あったのですが、なぜか現在は半分消されて8席になっています。8席分のスペースはどうなっているのでしょうか。
佐渡汽船のウェブサイトにある「就航線案内」では「絨毯席x16」となっていますが、寺泊港の佐渡汽船ターミナルにある座席一覧表では、絨毯席は8席に修正されています。

こちらは佐渡汽船のウェブサイトにある「あいびす」の船内の見取り図。「絨毯席x16」となっているのがわかります。

一方、こちらは寺泊の佐渡汽船ターミナルにある見取り図。左側の席が上からシールを貼られて消されています。
はたして、消された8席のジュータン席は一体どうなっているのか。実際に絨毯席を利用してみました。

絨毯席は操舵室の隣にあるためか、2階に上がる階段は常にロープが張られており、自由に上り下りすることが出来ません。船員さんにジュータン席のチケットを出すとロープを開けてくれます。特別席に向かうVIP気分を味わえます。

そして、こちらが現在使用されている8席の絨毯席。

こちらは階段を挟んで反対側にある、消えた8席の絨毯席。荷物が置かれていたり、絨毯席自体が撤去されている、ということはなく、普通に絨毯席が存在していました。
では、なぜ、座席表からはこの8席が消えているのか。
謎は謎のまま、出港の時間が近づきます。
そして、出港間際。船長と思われる人による「行きは縦の揺れがありましたが、帰りは横揺れだけですから」という非常に丁寧な説明。出発前から毛布にくるまってる顔色の悪い乗客。なぜか「行きはやっぱり酔いましたか?」とやけに優しい言葉をかけてくれる船員。
そういえば、なんか船員が良く声をかけてくれる気がします。
…あれ?これ、なんか雰囲気ちがくない?
そこでやっと、全ての違和感や謎が一気に結びつきました。
そうなのです。乗ってみて初めて分かったのですが、この絨毯席というのは、事実上、「船酔いの人専用席」になっているようなのです。そう考えるとやけに気にかけてくれる船員や丁寧な説明、エチケット袋を握りしめて青い顔をしている乗客の女の子、全てに合点がいきます。(ガッテン!ガッテン!ガッテン!)
消えた8席の絨毯席は、船酔いした人が出ても大丈夫なように確保された予備の席というわけです。
2階は1階よりも揺れが大きいと思うのですが、横になっているだけでもだいぶ楽なようで、女の子の握りしめたエチケット袋は使われることなく済んでいました。(きっとあの子は二度と佐渡に行かないだろう…)
そうとは知らず、なんか全然元気なのに絨毯席とか取っちゃってごめんなさい…元気な人は基本、イス席を選択するようにしましょう。