「5月10日以降田植」というノボリがたまに見られますが、一体何?
兼業農家が多いので、ゴールデンウィークに一気に田植えをするのがこの辺では普通です。たしか去年も一昨年も同じようなノボリを見たことがあるのですが、みんなふつーにゴールデンウィークに田植えしてましたね。
さて、ではなんで5/10以降なんていってるのかというと、イネの出穂時期をずらすことで、イネの高温障害を避けるためのようです。その前に高温障害ってなによ?ってことなのですが、
いわゆる高温障害といわれる米の品質低下には、乳白粒や腹白粒などの発生、粒の充実不足など様々な状態が知られるが、この本質的な発生原因は、水稲の登熟期における気象条件が大きく関係していると考えられる。はじめに
すなわち、登熟期全体としては平均気温が概ね27℃を下回るものの、登熟初中期に一時的にこの気温を上回る北陸地方では、籾にデンプンが蓄積されるステージに応じて、粒の一部の外観が損なわれること(乳白粒や腹白粒等の発生)となる。
とか。なんだかよく分かりませんが、要は、出穂の時期に27度を上回ることがあると米の味が落ちるということのようです。それを避けるには出穂の時期をずらせばよい。そのためには田植えの時期をずらせばよい。で、「5月10日以降田植」ということになるようです。
一週間くらいでそんなに違うのか?とも思うのですが、実際、違うようで。
前述のように出穂後5〜15日が最も高温障害に対する感受性が高い。我が国の日平気温(1961-1990:30年間の平均)の年変化を秋田市,千葉市,佐賀市の3地点について見ると7月26日から8月15日までの期間に最高に達している(左図)。また,他の地点も平年値で見る限り傾向は同じである。高温障害対策解析編
というわけで、ホントに暑い時期というのは、7月下旬から8月上旬までの2週間ほど。1週間ずらすだけでも、影響は大きそうです。わずか1週間、されど1週間。
とはいえ、兼業農家だと田植えのためにまとまった休みを取るというのはなかなか難しいというのも事実。そんな中で、ゴールデンウィークというのは絶好の田植え休みなわけです。ゴールデンウィークの代わりに田植え休みを設けるとかしないとなかなか5/10に田植えというのは難しかもしれません。