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話半分で受け取ってください。

松田ペットの倉庫に現れた「股旅あい好会」看板が気になる!

松田ペット

 「例の看板」「松ペ看板」等々の愛称で新潟県長岡市を中心に親しまれている「松田ペット」の看板。よく通る道(というか近所)に松田ペットの倉庫があり、そこにも手書き看板(not 三連星)があるのですが……なんか写実的な看板が増えてる!? 人間が描かれてるー!!

人生看
2019年9月撮影

 以前、以下の記事を書くにあたり、2019年秋に倉庫の写真を撮りに行ってました。健康なくして叶う夢なし!

松田ペット
2020年5月撮影

 そして2020年春。前を通った際にふと目をやると……なんか増えてる! しかも犬の絵じゃない!!

松田ペット

 どうやらドアに板を張り、そこに絵が描かれている(もしくはドアぴったりの板に絵を描き、それをドアに貼り付けた)様子。

松田ペット

 存在感と迫力のある、懐かしの映画看板のような人物画です。簡略化しつつも複雑に色が塗り重ねられています。

松田ペット

 細かく描き込まれた刀。着物の柄は様々な明るさの青で表現されています。

松田ペット

 背景は紫の美しいグラデーション。看板下部には「股旅あい好会」の文字が入っています。

 最初にこの看板に気付いたのは夜。しかも車の中からだったのですが、暗い中でも「なんか時代劇? 旅芸人? みたいなのが描かれている!」とわかりました。視認性が高いです。

松田ペット

 そして気になるのはこのタッチ。特に手の辺りの描き方があの看板に似ている気がする……!?

以下、推測

松田ペット

松田ペットの看板を書いているのは近藤看板店の近藤さん

独特のタッチは「映画の絵看板」から
松田ペットの看板絵を描いているのは、新潟県小千谷市の近藤看板店の近藤忠男さん(85歳)。松田社長曰く、もうこういう絵を描ける人は近藤さん以外にいないのだそうだ。電話でお話をうかがった。
「看板を描く仕事をして40~50年になります。最初は、映画の看板の、俳優の似顔絵を描いていたんですよ。絵が得意でしたからね。当時は手描き看板全盛の時代だったんです。独立して自分で看板屋を始めて、松田社長に頼まれて看板の子犬の絵を描くようになったんです。

長岡のロードサイドを彩る「松田ペット」の看板。中毒者続出の魅力と創業者に迫る|な!ナガオカ

もともと若い頃は絵描きになりたくて、中学卒業と同時に上京し、千葉で六年間映画の看板描きの仕事をしていました。その後、長岡市の看板店で長年修行した後、42歳で独立しました。

近藤忠男

 というわけで松ペ看板を描いているのは、映画の看板を描いていた近藤看板店の近藤忠夫さん。

そして松田ペットの社長は「股旅あい好会」後援会会長

『人のため何かして その人の喜ぶ姿を見て 最後に自分が喜べばいい』。いい言葉でしょ。俺大好きなんだ。俺もやっている股旅あい好会の座長の言葉なんだけどね」

長岡のロードサイドを彩る「松田ペット」の看板。中毒者続出の魅力と創業者に迫る|な!ナガオカ

「股旅あい好会」は歌や芝居の好きな仲間が集まった一座。高齢者センターや児童館などで巡業を行い、見る人を楽しませている。社長の社用名刺の裏には「股旅あい好会」での芸名と、座長の葵新之介さんの言葉が座右の銘として印刷されている。

長岡のロードサイドを彩る「松田ペット」の看板。中毒者続出の魅力と創業者に迫る|な!ナガオカ

 松田ペットの社長は「股旅あい好会」の後援会長さん。西要次郎という芸名で活動しているようです。

近藤さんの本領が発揮された看板な気がするー!!

松田ペット

 というわけで(確認をとったわけではないので推測ですが)「股旅あい好会」の看板は松田ペットの看板を手がけている近藤さんが描いたものではないかと思われます。あのタッチ、雰囲気はそうそう出せるものではないので、たぶん間違いないかと!

 「近藤さんの得意分野 x 社長の趣味」。これによって生まれた奇跡のコラボ看板! ビーグル・チワワ・ヨークシャテリアではないこの看板も一見の価値あり! ここだけなのか、それとももう他にあるのか、そして今後、増えて行くのか。これからも注目していきたいと思います。

追記

 その後、倉庫の前を通りかかったら社長さんらしき姿が! 勇気を出して突撃、看板について聞いてみたところ、こちらも近藤さんの作品だと教えていただくことができました! ちょっとだけ話を伺うつもりが倉庫内を案内していただいたり、手品を見せていただいたり。社長さんはとっても気さくな方でした! ありがとうございましたー!

社長から聞いた話、見せてもらったものまとめ

新しい絵は古い看板の裏に描かれている

 倉庫内には取り付け前の新しい3連看板が! 看板には「H28.11」[29.11]の文字があったので、看板に書かれている日付は設置日ではなく描かれた日のようです。 そして新しい看板の裏面は……なんと古い三連看板! 「材料を無駄にしたくないから、古い看板の裏に書いてもらってる」「古い看板をみつけたら新しい看板に取り替えるようにしている。ずっと古い看板が貼ってあると、もうやってないお店かと思われちゃうでしょ?」とのこと。だいたい5年に1度のペースで掛け替えているそうです。看板に対する社長の思いを聞くことができました。

倉庫の文字も近藤さんによる手描き

松田ペット

 倉庫のシャッターの文字も近藤さんによるものだそうです。新しく作った看板の文字はカッティングシートの場合もあるそうですが(写真右側の赤い「松田ペット」の文字等)、古いものは手書きが多いとのこと。文字の違いにも注目してみると面白いかも知れません。

倉庫内は想像以上に広い!

 この倉庫、奥の方はかなり広くなってました! 壁には「股旅あい好会」メンバーの写真や近藤さんによる絵画が飾ってあったり、卓球台やソファが設置されていたりと楽しそうな空間が広がっていました。「看板好きな人の集まりとかあるんでしょ? 自分も参加したいんだけど! ここを会場にしてもらうのも歓迎です!」と松田社長がおっしゃっていたので、もしかしたらここでなにかしらが開催される日がくる! かもしれないです!

そんな感じ

 いろんなお話を楽しく聞くことができました。突然話しかけたにもかかわらず、お時間をとっていただいたことに感謝申し上げます。看板については「アートなんて呼ぶ人もいるけども……」と、商人や経営者目線で語ってらっしゃるのが印象的でした。経営や広告戦略も学べる、それが松ペ看板!

松田ペット倉庫・看板所在地

  • 新潟県長岡市三島新保:神明社(神社)隣

参考

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