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とある博物館の売店の営業は無事に終了しました。

【放談】尾行

髪の毛

 「え? もしかして私見られてる?」というちはやの話。

ち:先日、買い物に行ったときの話なんですけども。

ゆ:はあ。

ち:コメリとアピタの2軒まわったのですが、その日はやけに人と目が合ったんですよ。覚えてるだけでコメリで1回、アピタで2回。一緒に行ったおかもっさんに「ねぇ、私の顔なんかついてる?」って聞こうとしたくらい。うち1回は「え? 知り合いだっけ?」と思うほどのガン見。「あれ? もしや今日は美人に見える日??」とかも想定したけど原因はわからなかった。

ゆ:もしかしてだけど……それ、たぶん原因オレだよね?

ち:( ゚д゚ )

ゆ:この髪の毛だよね? いや、オレ自身は「案外気にされないものだな」と思ってたくらいなんだが。

ち:おーまーえーかーー!!

ゆ:だって、ほかに見られる要素なくない? ちはやが最近整形したってわけでもないし。え、もしかしてオレが整形に気付いてないだけ?

ち:あいかわらず立派な一重なのでご安心ください。あーおかもっさんの髪の毛を見てると隣にいる私と目が合うのか! 結ばれた髪の延長線上に私がいるのかー!!

ゆ:そんなにわかるほどガン見してたん?

ち:……アピタではたぶん1回、尾行された。

ゆ:まじか……長岡怖すぎ……

ち:ちなみに最初に目が合ったのはコメリの店員さん。

ゆ:どっち? レジ? 受付?

ち:レジの男性店員さんですね。レジだと普通に目が合うことあるじゃない? でもその人は「あ、やっべ」って感じですぐ目線をそらしたのである。「目が合うのが好きじゃない人なんだなー」と思ってたんだけど。

ゆ:それは普通に目が合っちゃっただけじゃない?

ち:もしそうだったら自意識過剰ですまんな! でも「自然と目が合っちゃった」って感じではなく、バチッと合ったので印象に残っているのです。

ゆ:この人はこいつの連れなのか、それとも並んでる次の客なのか確認したとか。

ち:そう言われると自信がなくなってくるぞ……店員さんはノーカンでいいのかもしれない。疑ってごめんね! でもあの見方は絶対ごにょごにょ

ゆ:まあ、そういう肌感覚は結構当たってるのでなんかあるかもしれない。で、アピタ編は?

ち:食品売り場でお買い物中、男性と一度目が合った。

ゆ:ほう。すれ違いざまとか?

ち:そう、すれ違いざま。まぁ夕飯時だからそこそこ人もいるし、目が合っちゃうのも普通かなと思っていた。

ゆ:どんな人? 陰キャ? 陽キャ?

ち:服装から判断するに陽キャだな。そしてその後、別の男性と目が合ったのである。そのあたりで「これはさすがにおかしい!」と思ったのである。

ゆ:みんな男なんか。

ち:言われてみると目が合ったのは全て男性ですね。だから「え、私、今日なんか違う!? なんか変!?」って思ったのである。

ゆ:全然気付いてなかった。まあ、オレと目が合ってるわけでもないから気付くわけないか。2回目の人もすれ違いざま?

ち:最初はすれ違いざまですね。

ゆ:「最初は」ってことはアピタ2回目の人が尾行の人? つか、延べ数としてはアピタで3回目が合ってるってこと?

ち:厳密には尾行くんとは最初の1回しか目が合っていない。その後、買い物を続けてたら「さっき目が合った人、ずっと後ろにいるー!」と尾行に気付いた。「なんかずっとこっち見てる…!? え、もしかして知り合い!?」ってぐるぐる考えながら相手を観察してたんだけど、ふわっとこちら側の空間をみているような目線だったのです。

ゆ:なにそれこわい。

ち:だが今わかった。お菓子売り場でおかもっさんが棚をじっくり見てるときだからだ! あのときうちら、1メートルくらい離れてたわ。だから空間(私ではなくおかもっさん方面)を見ていたんだ!

ゆ:あこか。言われてみればあのとき斜め左後ろ側に人がいた気がする。気配しか覚えてないけど。

ち:そう! その人! 尾行さんは目が悪い人なのかな? 遠くを見るような感じでこちらをずっと見ていた。そして私が気付いていることには気付いていない。ここで気付いたらまた目が合っていたんだろうけど。

ゆ:あー、なんか思い出してきたわ。いたわ。なんか後ろのほうにずっと人がいる気配がして「ん? お菓子見たいのかな?」と思ってすぐに場所を移動したんだわ。でも、こっちが移動したあと、オレが見てたお菓子のとこに移動した気配なかったな。

ち:その後はどこかに行ったのかな? そのあとは気付くことはなかった。てか、そのあともまた見られてたらさすがにこちらもアクション起こすわ。だって怖いもん!

ゆ:どんな人だった? 陰キャ? 陽キャ?

ち:全身黒タイツで目だけが描かれてました。

ゆ:確実に犯人だわ。

ち:残念ながら服装とかは全然覚えていない。どちらかと言えば陰キャさんでしょうか。言葉は悪いがいわゆるモブキャラ感が漂ってる人だった。とにかく普通の人という印象。

ゆ:たぶん観察対象はオレだよね。自分ではわかってないだけで、知らないうちに見られてるのか……しかも男に……

ち:女性は人に興味がないのか? それとも目を合わさずにチラ見するのが得意だったりする??

ゆ:どうなんだろ。男ってあんまり視線とか気にしないで生きてるから「見られてる」みたいなのよくわかんないかも。ハゲとかじゃなければ。それともオレが気にしなさすぎなのかな?

ち:私が気にしすぎ説も湧き上がる。

ゆ:やばい、アピタってセレブOLみたいな人多いから眼福眼福って思って歩いてるんだけど、これバレてるかな!?

ち:え、歩いてるときそんなに人を見てるの!?

ゆ:結構見てる。点数こそつけないが、アリ、ナシの二択くらいは判定している。

ち:そんなに!? 歩く性欲!? それ疲れない!?

ゆ:視界に入るだけで自動判定されるから。たぶん小脳とかで処理してる。

ち:私、全然見てないかなぁ。見たとしても視野に全身が入るだけの距離があるときだけかな。そして近くに来たら服装(首から下)あたりしか見てないわ。「最近みんなワイドパンツだなー」「この色の組み合わせもいいなー」とか思っている。あと「わーやっぱりキティサンダル! ボロボロじゃんw 新しいの買えwww」とか。てか、女子しか見てないかも……

ゆ:男子はみな、視界に入る女子みんなにロックオンしてるよ。キラ・ヤマトみたいにピッピピッピッピッピッて。TMRのvestigeが脳内再生されてる。

ち:あーでも、気になる服装・出で立ちの人がいたら全身をまじまじと見ちゃうかも……でもそれで目が合うことはない。いや、もしや連れには気付かれてる!? だがそういう人って大抵ひとりだからそれもないはず……でもさ、男子が髪の毛結んでるというイレギュラーに当たっても1回チラ見すれば満足しない? 二度見したとしても連れに気付かれるほどってなかなかのガン見じゃない? もっと気になるなにかがあるの??

ゆ:そもそも男が視界に入っても即デブリ判定されるからロックオンすることなんてない。待てよ……その理屈でいったら尾行くんはオレを女だと思っていた可能性が出てくるな……

ち:女性だと思ってた可能性!? 身長170もあるのに!? ……あ、今は普通にいるな。

ゆ:髪長いだけであとは普通におっさんだと思うんだけど。ぶっちゃけ、第三者的に見て今のオレの姿ってどう見えるの。髪の長いオタ男子なの。イケメンなの。美女なの。

ち:……すんごいどっちつかず……

ゆ:どういうことなの。

ち:すまんな、これから私はお前に酷いことを言う。

ゆ:はいすみません。

ち:オシャレになれきれず! かといって完全なオタでもなく! 要するにどっちでもないんだよ! すんごいビミョーなんだよ!

ゆ:はいすみません。

ち:そしてちょっと中性的なんだよ! このご時世だと「あ、ホルモン治療受けた人なのかな?」って思われるかもしれない!

ゆ:なるほどそういうふう。

ち:その上「どっちからどっち!?」って感じがある! 男から女なのか、女から男なのか。どっちもあり得そうなんだ! そういう目線で見ると服装もシンプルでわかりにくいな。服装が手がかりにならない。

ゆ:すまんな! 全身ユニクロですまんな!

ち:って、尾行くんから思われている可能性。

ゆ:でも、尾行くんは1回すれ違ってるんでしょ? ってことは俺の顔見てるでしょ? そしたら男ってわからん? 男ってわかったら「なんだただのデブリか」ってなりそうなものだが。

ち:スーパーでお買い物中ってうつむき加減になるから、見えるのが横顔だからじゃない? あとおかもっさんが髪結んだとき横顔、なかなか美人さんだよ。

ゆ:ん? 「すれ違った」って対面ですれ違ったわけではないの? オレが商品見てるうしろを通り抜けたってこと?

ち:すまん、そのときのおかもっさんの姿勢までは覚えていない。でも尾行くんファーストアタックは肉コーナーのあたりだったような……

ゆ:あー、肉コーナーかー。肉コーナーは全値札をスキャンしてるから商品棚のほうしか向いてないわ。つか、オレって後ろから見るとどうなってるの。自分で見えないからよくわかんないんだけど。写真撮って。

髪の毛

ゆ:あー。こういうBBAいる。

ち:ハーフアップならもうちょっと下の毛を出してあげたほうが分け目がきれいになるよ。

ゆ:参考になります。

ち:ポニテできるようになるとそれはそれで……

ゆ:これを見たら女子捕捉システムがエラー起こす可能性も否定できない。

ち:にしても尾行までしてガン見は控えてさしあげろ!

ゆ:エラーを修正するためにデータを手入力で修正する必要があったのでは。

ち:でも完全に女子に見える私と一緒にいるんだよ? ……今の時代、それは判定材料にならないのか。

ゆ:姉妹だったり、友達だったり、同性のパートナーだったりする可能性もありますし。

ち:尾行くん、見た目で判断できないから、会話および声を聞こうとした可能性もあるかもしれない?

ゆ:なお、ゆたか氏のど仏が出てない模様。(首太いから埋まってるだけ。)

ち:ぱっと見でのど仏わからないよね。そして声も低くはないんだよ……すべてにおいて決定打に欠けている! 歩くだけでエラーを起こす人続出なのか!?

ゆ:検証するためにGoProつけてアピタ歩いて回ろうかな……

ち:そういえば昔、ツバが大きめで目深にかぶれる帽子でアピタ行ったらやけに顔を見られたことがあった。それも全部男性。顔が見えないと見たくなるのか? ちょっと無遠慮すぎないか? と思うくらい見てくる。

ゆ:どうかなぁ。「……え!? 帽子が歩いてる!?」って思ったりしなければそんなに見ないと思うけど。あとあれ、お忍び芸能人と思われたとか。でも、それだったら男子だけに見られるってことはないか。

ち:男子は無関心が苦手な人が多いのかな?

ゆ:さっきも言ったけど、男子は視界に入る女子すべてにロックオンする機能が標準装備だから。某F社の元スタッフY田もそうだったでしょ。

ち:あとさ、ガン見してくるのって田舎特有ってのもない?

ゆ:それ聞いたことある。都会の人は他人に無関心すぎてヤバイとか。

ち:東京ならその髪型でもスルーしてもらえそう。

ゆ:夜ふかしに出てくる人たちが東京で生きていける理由がわかる。

ち:やはりこれは社会実験としてカメラで視線測定をせねば。

ゆ:いやーでもそんなん言われたら今度から気になってしまうかもしれない。ワキガみたいなもんで。

ち:気付いてしまったら最後、敏感になってしまう現象。これから視線に悩まされる日々が始まりますよ。

ゆ:髪切ろうかな……

ち:あきらめないでぇ!

vestige -ヴェスティージ-

  • メーカー:ERJ
  • カテゴリ:CD
  • 発売日:2005/08/10

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