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観光地の接客ワンポイント – おすすめトーク

沼津魚がし鮨

 飲食店やお土産屋さんでは「おすすめってどれですか?」と聞かれることも多いはず。また「ただ今こちらの商品をおすすめしております」という感じでお店側からプッシュすることも少なくないかと思います。

 おすすめを言う時・答える時は事前の準備、そしてどう聞こえるかを意識した言い方にすることでぐっと印象が変わります! これ、売り上げにも直結しますので! 売り上げを増やしたいお店、活気を出したいお店は是非取り入れてみて下さい!

 あまり聞かれないようでいて忘れた頃に聞かれるのが「おすすめってどれですか?」という質問。観光地ならばお客さんと店員さんがふれ合える絶好のチャンスです。またおすすめを聞かれたときにどう答えるかによってお店のこだわり、そしてその店員さんの力量がわかります。

 ただ、こういった受け答えにはアドリブも必要とされるため、新人さん、そして型にはまった接客になっている人は苦手な場合が多いです。でもちょっとの準備でおすすめを言えるようになり、そして言い方に気をつけるとすごくいい印象の接客にすることができるんです!

おすすめトーク:準備編

その日、その時期のおすすめを把握

 飲食店やお土産屋さんならば今が旬のもの、その地域ならではのものを把握しておきましょう。定番のものはもちろん、入荷によって変わるものがあれば出勤時に確認。調理する人と接客する人が異なる場合は、調理場の入り口に書き出すようにしたり、朝礼や出勤時に確認する流れを作ると良いと思います。

 ちなみに。食材の旬などの商品知識の豊富さも店員さんの技量です。「商品知識をつける」というと大変&難しい&めんどくさい等々のマイナスイメージがありますが、知っていれば他の人に聞く必要がなく、わからない! どうしよー! と焦ることもなくなります。大変に思えて、実は仕事が楽になることに繋がるんですよん☆

誰でも答えられるようにテンプレートを作成

 そうは言っても毎日のチェックは大変ですし、新人さんにはハードルが高すぎる場合もあります。そこであらかじめテンプレートを作成。ごはんものならばこれ、お酒ならばこれ、お菓子ならこれ、という感じでカテゴリごとにとりあえず定番のおすすめ商品をピックアップ。その日の入荷には対応しきれないですが、季節毎に変えたりすればある程度対応できます。そこに「今が旬」「先日テレビ出ました」「夏子の酒でおなじみ」などのオススメ理由が添えてあったらいいですね。これで入ったばかりの新人さんでも「オススメが言えない」という状況は回避可能に、そして徐々に商品知識を付けることができます。。
 余裕がある人はそこにその日のオススメを付け加えたり、自分がいいなと思うものを言ってみたり。新人さんの接客スキル・知識の底上げを図るだけでなく、ベテランさんはトークの引き出しを増やせますよ!

おすすめトーク

おすすめトーク:よくあるパターン

 上記のように、どの店員さんでもおすすめを言えるようにあらかじめメニュー・商品を決めておくことで第一段階はクリアできます。でもせっかくおすすめのものが言えても、あまりいい印象にならない場合も。

 以下、実際にお店で聞いたやり取りです。とある居酒屋での隣の席の人の注文の様子。ちょっと聞き耳を。

  • お客さん:おすすめってありますか?
  • 店員さん:こちらのセットがおすすめです。
  • お客さん:これ、ねぇ。。あー、じゃあそっちので。

 お客さんからの質問に対して、店員さんが即答。即答過ぎて「あー、そう言うように指導されているのねー」という印象を受けてしまいました。これ、もったいないです。

 もうひとつ、こちらは人から聞いたパターン。一見いい言葉のようで、これお客さんを困らせちゃってますよ。

  • お客さん:おすすめってどれですかね?
  • 店員さん:全ておすすめです。(ドヤッ)
  • お客さん:(お、おう。。)

 これは答えていないも同じ。必ず具体的なものの提案を! そしてオススメを言うのであれば、良い印象を持ってもらいたい。そこで取り入れて欲しいのが相づちを打って話し始める、フレンドリーな会話風のトークです。

オススメしたいおすすめトーク:相づち・理由・商品の順

  • お客さん:おすすめってありますか?
  • 店員さん:そうですねー、今の時期ですとこちらのセットがおすすめですね。
  • お客さん:あ、じゃあそれで。(←ってなるはず!)

 お客さんの質問に対してまずは相づち、理由、そして商品名という順にすると「言わされている感じ」が消え、自然なおすすめになります! とりあえず相づちを差し込むだけでもいい感じに! 堅い雰囲気を崩せる相づちはアドリブの最初の一歩ですよ!

 おすすめの言い方・理由は以下のようなパターンもいいと思います。「自分の言葉を使う」のがコツ。是非使ってみて下さい!

  • おすすめですかー、あ、こちらなんていかがですかね? 美味しいですよ!
  • えーっとですね、オススメはこちらの○○ですが、個人的にはこちらの○○もおすすめです。
  • こちらの○○もオススメしていますが、最近は○○が人気ですねー。けっこう出るんですよー。
  • あ、○○がおすすめです! 今朝入荷したばっかりなんですよ!
  • 寒く(暑く)なってから○○が人気なんですよ! 今日も寒いですし、いかがですか?
  • ○名様ならこちらのセットがいいかもしれないですね。分けて食べられますので!
  • お店的にはこれオススメしているんですけどー、私はこっちをオススメしちゃいますねー。

 「観光地の接客」で何回も書いていますが、要するに接客用語だけを使うのではなく、普通に会話をするように、自分の言葉を使うのがポイントです。こういった質問はお客さんとの距離を一気に縮められるチャンス! フレンドリーにいっちゃっていいと思いますよ! あとちょっとテンション高め・そしてアツい感じで!

 ちょっと設定が高めの高級店で上記のようなフレンドリーなトークは好まれません。設定が高めのお店の場合は「今の時期でしたら、そうですね、(袖に手を添え、お品書きを指しつつ)こちらのノドグロがオススメでございます。新潟にいらっしゃったのなら是非おすすめしたいお魚です(にっこり)」という感じで、あくまで崩さず丁寧に、ゆったりとした口調でおすすめ理由とメニューを伝えれば良いと思います。オススメというより、紹介トークって感じですね。そのお店の雰囲気にあった接客も大事ですからね。

オススメしたいおすすめトーク:あえてお店のおすすめ感を出す

 お店のおすすめ感をなくす方法を提案してきましたが、あえて「お店としてのオススメ」を押し出すやり方もアリです。売りたい商品など、こちらからおすすめする場合は以下のような流れがオススメです。(おすすめだらけですみませーん!)

  • 店員さん「ただ今ですね、こちらをおすすめしておりますので! 良かったら是非どうぞ!」
  • お客さん「あ、そうなの?」
  • 店員さん「そうなんですよー、今がちょうど旬なんです! もぉーし良かったら!」

 お店からのおすすめ感のあとにフレンドリーな会話に切り替え。お店側からのおすすめも感情を込めて(若干の演技も入れつつ)力強く言えば「がんばってるお店だなー」という感じで悪い印象にはなりません。活気を求めるお店にはこちらの方法がいいかも。飲み屋さんとかでやってくれたら「ノリがいいお店だなー」と感じます。ただし押しつけがましかったり、強すぎるオススメはダメです。やり過ぎには注意!

 このやり方、よく聞く「この店員さんから買いたいと思わせろ」に近い感じですかねー。それはちょっと極論ですし、なんだか温かみがない感じがするのですが、結果としてそうなるかも。貴方の一言でお客さんが購入を決めてくれるわけですからねー。ありがたいし、うれしいことです。

自分がおすすめした商品を購入・頼んでくれた時は。

 「これ、おすすめですよ!」「あ、じゃあそれ下さい」という感じで、自分がおすすめした商品をお客さんが頼んでくれたり、買ってくれることもあると思います。これ、けっこううれしいですよね。そんな時は接客用語の「ありがとうございます」ではなく、普段使っている「あ、ありがとうございます!」でお礼を言うのを忘れずに。

 そこにプラスして「いやー、自分がオススメしたのを買ってもらえてうれしいです!」とか「おすすめしてみて良かったです(照)」みたいな感じで自分の気持ちを伝えられたらいいんじゃないかと。お客さんも、そして貴方自身もほくほくした気持ちになれますよ!

相手に嫌がられないおすすめとは。

売る気のない営業トークはNG

 お客さんが嫌がるおすすめって、堅苦しくて形だけの売る気のない営業トークだと思うのです。事務的に言われる「ご一緒にポテトはいかがですか?」で「あ、じゃあそれください」という人は少ないはず。でもこれが「ちょーど今ポテトが揚がったんですけど、ご一緒にいかがですか? もぉーし良かったらなんですけども!」と言われたら買ってしまう自信がある。。まぁファストフードでこんな言い方したら嫌がられますので参考まで。

コンビニ店員さんの場合のオススメトーク

 あと、うちの相方は「店員さんにおすすめされたら基本断らない」というポリシー(?)を持っています。でもコンビニ等では「ただ今チキンが揚げたてでぇーす!」と店内にコールしていても、レジに来たときに言ってくれることはほぼなし。機会損失起こしてますよ! コンビニの方! でもお客さんに断られる恐怖もわかるんですよねー。。
 おすすめトークは断られて当たり前、お客さんがお金を出す間や、袋詰めをしている時の「無言の間を埋めるためにあるもの」というとらえ方がいいんじゃないかと思います。堅い接客から脱却するキッカケになりますしね。あと聞き方ですが「ご一緒にチキンはいかがですか?」だと「いえ、いいです。」という返事になり、お客さんも店員さんもちょっとモヤモヤ。「あ、あとただ今チキンをオススメしておりますので、もし良かったらお願いします!」みたいな言い方であれば、お客さんも「あ、はーい」もしくは「あー、今日はいいです」みたいな柔らかい断り方が可能に。「お食事の時などオススメですので!(にっこり) それでは1,000円お預かり致します!」という感じでレジ打ち作業の流れの中にさりげなく入れることができれば、時間のムダもなく「なんか感じのいい店員さんだったわー」となるはずです。そして「次おすすめされたら買ってみよう」となるかも!

「自分に対しておすすめしてくれている」という状態が重要

 という感じで、お客さんがされて気持ちいいオススメは「自分に対しておすすめしてくれている」という状態です。それがいい印象であれば購入に結びつく可能性大。コンビニやファストフード店の場合、繰り返しオススメされると嫌になってしまいますが、観光地や個人店では繰り返しになることは少ないのである程度強めのおすすめでいいと思うのです。活気や売り上げに悩んでいるお店は是非取り入れてみて下さい! 例え売れなくても活気は出ること間違いなし! てか、ここまでできたら絶対売れるようになりますよ!

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