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電子書籍出版にあたってのあれこれ その2 google play ブックス

 検索大手のgoogle先生も電子書籍のプラットフォームを提供しています。購入はandroidアプリをダウンロードするのにも使う「Google Play」から出来ます。購入した書籍を読むには通常「Play ブックス」アプリを利用しますが、書籍によってはPDFやePubのファイルをダウンロードすることも可能なので、それらを他の電子書籍リーダに入れて読むことも可能です。
 さすがGoogle! 俺たちに出来ないことを平然とやってのけるッ! と言いたいところなのですが、出す側としては超絶分かりにくいのでした……

 Google Play ブックスで電子書籍を販売するにはまず「Google ブックス パートナー プログラム」に登録する必要があります。流れとしては「Google ブックス」に書籍を登録して、登録した書籍の中から「Google Play ブックス」で販売の設定をする、というふうになっています。「Google ブックス」と「Google Play ブックス」は(名前こそ似ていますが)別物です。「Google ブックス」は書籍の全文検索サービスで、「Google Play ブックス」はGoogle Playの書籍販売サービスです。

 というわけで、まずGoogle ブックスのアカウントを設定します。その後、「書籍の追加/更新」で書籍を登録するわけですが、ISBNがない書籍の場合は先に「書籍のアップロード/郵送」でファイルをアップロード行います。アップロード出来るファイル形式はePubかPDFです。
 ここで、画面に表示されている通り「書籍設定を入力」かーらーの「書籍のアップロード/郵送」という手順で進めようとすると「ISBNないよ!」と言われるため、ISBNがなければ登録できないと思っている人も多いようです。そんなふうに思っていた頃が私にもありました。

Google Play Books
画面では「書籍設定を入力 > 書籍のアップロード/郵送」となっているので、先に「書籍設定を入力」を行わないとアップロードが出来ないかのように思えますが、ISBNがない場合は先にアップロードを行うというワナ。

 アップロードが完了すると、だいたい翌日には書籍管理に「処理中」というステータスと共に書籍がリストされます。場合によっては(というかほとんどの場合)その後、ステータスが「何らかの対応が必要」に変わって「著作権を確認してくれ」的なことを言われますが、画面に従ってフォームを入力すれば問題ありません。しばらくすると「Google eブックス」タブの「電子書籍の管理」に登録した書籍がリストされるので、価格などを設定します。さらにしばらく待つと、Google Play ブックスで書籍の販売が始まります。「プレビュープログラム」でのステータスもそのうち「掲載中」となります。ここまで概ね一週間くらいです。

 もし、支払い設定がまだであればステータスが「掲載中」になるまでに済ませておきましょう。「アカウント情報」タブにある「広告支払い設定」と「電子書籍の支払い設定」で設定出来ます。特に「電子書籍の支払い設定」が完了していないと書籍の販売を始めることができません。
 また、Google Play ブックスでは自分の書籍を複数の国にむけて販売することが出来ますが、米国で販売する場合は、Amazonの時と同様、W-8BENの提出が求められます。こちらはオンラインで提出可能です。

表示が不思議

 Google PlayブックスではPlay ブックスで読む以外に、ePubとPDFの両方がダウンロード出来るようになっています。「ということは、ePubとPDF、両方つくってアップする必要があるのか?」と思ったのですが、別にそういうわけではないみたいです。
 ePubをアップロードすると、そのePubを元にPDFが生成されるようになっているようです。じゃあ、PDFをアップロードしたらePubが生成されるのかというと、今のところ、それはないみたい? (天下のGoogleさんなので、そのうちPDFからePubが生成されるようになりそうな気もしますが。) そのため、現状、ePubに対応したければ、ePubをアップロードする必要があります。

 Google Play ブックスに公開された書籍を見てみると、ePubでアップロードしたものは、

  • 特徴:フローテキスト, スキャンされたページ
  • 推奨端末:ウェブ、タブレット、携帯端末、電子書籍リーダー
と表示されています。一方、PDFの場合は
  • 特徴:スキャンされたページ
  • 推奨端末:ウェブ、タブレット
と表示されます。PDFだと画像サイズが固定になるので、携帯端末や電子書籍リーダが推奨端末からなくなるようです。

Google Play Books
ePubをアップロードすると特徴の欄に「フローテキスト」と表示され、対象端末も増えます。

 もし、(icoro magazineみたいに)PDFとePubそれぞれでファイルを作っている、と言う場合は、PDF版とePub版を別々の書籍として登録・販売する必要があるっぽいです。PDFとePubを一緒にアップロードしたら、PDFのダウンロード時にはPDF版が、ePubのダウンロード時にはePub版が、それぞれダウンロードされるようになるのか? と思ったのですが、そんなことはありませんでした。
 icoro magazineでは、PDF版とePub版を区別するため、ePubでアップロードしたものはタイトルに「+ epub」とつけています。

 ちょっと不思議なのは、「Playブックス」アプリで見ると、フローテキスト(ePub)であっても文字サイズなどを変えることが出来ないという事。ePubは文字サイズが変えられて、それに伴ってページ数も増減するというイメージがありますが、「Play ブックス」ではフローテキストでも文字サイズは固定になっています(でも背景色は白、黒、セピアから選択することが出来ます)。あらかじめ端末の画面サイズに合わせたPDFを生成して表示してると言う感じ。ただ、これもAndroid4.1だと文字サイズや行間を変更できるようになっているみたいなので、今後変わっていくのだと思います。

これからに期待

 Google Play ブックスアプリの他、PDFやePub形式でファイルをダウンロードして好きなリーダで読めるというのはポイント高いです。もうちょっと出版までのプロセスが分かりやすくなると書籍も充実してくるんじゃないかと思います。あと、書籍の情報として説明をつけることが出来ないため、たとえば、「これはePub版です」「これはPDF版です」といった注釈をつけられないのが歯がゆいです。
 Androidのスマホはこれからも普及するでしょうし、Android使ってる人はだいたいGoogleのアカウントを持っているでしょうし、携帯払いにも対応してるし、Playブックスがプリインストールされることも増えそうですし、フローテキストも今後対応されていくような気がしますし、これから期待できるサービスだと思います。

参考

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