レスポンスはイマイチですが、一部の人の心には何かを深く刻みつけて、軽くトラウマレベルになっているらしい「仲の良い夫婦になる方法」。略して「夫婦法」。
今回はちょっと夫婦法から外れて、「夫婦以前にそもそも相手がいないよ!」と言う方のための、「夫婦法 前文」をお送りしたいと思います。書いてる人間が男なので、基本、目線が男性です。その点ご了承下さい。また、何事にも例外はあります。

「※イケメンに限る」という言葉、もしくはその略語(というか略記号)「※」を目にしたことがある方は少なくないことでしょう。同じことをしても、イケメンはプラスに評価され、ブサメンはマイナスに評価される事象を指します。たとえば以下のようなものです。
- イケメン「俺、ガッキー好きなんだよね」 女子「わたしも!」
- ブサメン「俺、ガッキー好きなんだよね」 女子「へー。」
ネット上にはこれに類する事例が数多く示されており、俺たちに彼女がいない、そもそも女子との接点すらない論拠となっています。イケメンじゃないから彼女がいないのは仕方がない。美人じゃないから彼氏がいないのは仕方がない。
でも、ホントにそうでしょうか。イケメンじゃなければ、美人じゃなければ、彼氏・彼女は出来ないのでしょうか。そもそも「イケメン」とはなんでしょうか。一般的に「イケメン」は「外見の優れた人」という定義であることが多いと思います。でも、彼女もちのアイツや、既婚者のアイツの顔を思い浮かべてみて下さい。そんな「イケメン」ってほどのイケメンはいないぞ。
じゃあ、アイツと自分の違いはなんなのか。
性格や運など、様々な要因があるでしょう。そのさまざまある要因の中から、今回は「話し方」について触れてみたいと思います。
今日から出来る会話の仕方
目の前の人とコミュニケーションを図る時、人は会話をします。仕草や目線、距離感などなどありますが、情報伝達に寄与する割合が最も高いのはやはり会話、言葉のやりとりです。その人の印象は会話の内容によって大きく左右されると言っても過言ではないでしょう。
ゆったりと話す
声は、良いに越したことはないですが、天性のものなのでいかんともしがたいです。ただ、話し方は意識すれば変えることが出来ます。そして、同じ声でも話し方で印象は変わります。出来るだけ、適度な声量で、はっきりゆったり自信を持って話すことを心がけましょう。
話し方というのは不思議なもので、忙しない話し方をすればなんとなく忙しない気持ちになり、逆にゆったりと喋ればゆったりとした気持ちになったりするものです。気持ちに余裕が出来れば、相手を観察する余裕が出てきます。相手が何を考えているのか、どういう人間なのかも見えることがあります。怖いですねー。
結論を先に
日本語はその構造上、結論が一番最後に来ます。その言語構造のせいか、会話の時も結論が一番最後に来る話し方になってしまうことが多いです。とくに理工系喪男は正確に説明しようとするほどにその傾向が強くなります。
ところが会話において、これは非常にリズムが悪いです。たとえば、こんな文章。
「この間テレビ見てたら、なんかドラマ始まって、この子なんかかわいいなぁと思ったら、やっぱガッキーだったんだよね。ガッキーすげーかわいいよね。」
結局、言いたいのは「ガッキーかわいい」と言うことなのですが、この話を聞いている他の人達は、最後に至るまでこの話の趣旨が分からず、なんとなく前のめりな感じで結論が出て来るのを待たなければいけません。会話に変な間が生じて、なんとなく居心地の悪さを感じさせます。しかもオチもイマイチ。
この場合、最初にズバリ結論を言ってしまえば、周りの人も話に乗りやすいです。たとえば次のような感じ。
「ガッキーってかわいいよね。」
もうこれだけで十分です。だってガッキーのかわいさは説明不要だから。そこでさらに「なんで?」という問いかけが来たら説明を入れればいいです。「なんで?」と質問が来たら、あえて、「なんで?」と隣の人に説明を振っちゃうのもありだと思います。
型番はNG
「自称コミュ障はよく喋る」というのは私の持論です。まあ、ありゃ半分ネタなんでしょうけども。ただ、良く喋りますが、喋ってる内容がディープ過ぎてついて行けなかったりするので、やっぱりコミュ障なのかもしれません。
この「自称コミュ障」の事例から分かったのは、喋れるからといって必ずしも会話が成り立つものではないと言うことです。会話するということは、ただ喋ることではないのです。
よく見るありがちなパターンは、とにかく自分の世界の中で話をしてしまう事。自分の仕事や趣味の世界のうんちくを(どこか自嘲気味に、それでいてどこか自慢げに)語られた日にゃ、もうどう反応して良いやら分からなくなります。
特に理工系喪男はカメラ、車、PCなどのディープなハードウェア系の話にのめり込んで、会話ではなくLT(Lightning Talk)を始めてしまう傾向があります。とりあえず、会話に「型番」を出さないように気を付けましょう。もっと視野を広げて! ほら、女子は隣に別グループ作って全然違う話してるよ!
喋らず、喋らす。
昔、「ダウンタウンのごっつええ感じ」のコント中で、松本人志扮する香川さんは「誰かて自分が一番大事なんや」と言っていました。これは真理だと思います。良い悪いは別として、人は自分を中心に物事を考えるものです。自分の人生の主役は、やはり自分なのです。そして、誰もが、自分のことでいっぱいいっぱいなのです。
人は基本、自分のことにしか関心がないと心得ましょう。相手はあなたについて、あまり関心がありません。あなたのする趣味や仕事の話に対して、相手は「へー!」と言うかもしれません。場合によっては実際に「へー」と思ってる事もあるかもしれませんが、相手は9割方「自分には関係ない話だ」と心の中で思っています。
たとえそれが友人主催の合コンだったり、ギラギラした婚活の場であったとしても、それは変わりません。あなたが自分をアピールしようとするのと同様に、相手も自分のことをアピールしたいのです。
そうであるならば、自ずとやり方は決まります。つまり、こちらが相手に関心を持ち、相手を知ろうとすれば良いのです。
この人はどんな人なのか、どんなことに関心があるのか、ただ聞けば良いのです。あなたは、自分から自分自身のことを語る必要は全くありません。相手に関心を持ち、相手の話を聞くのです。聞く中で、話の時系列が分からなくなったり、もっと詳しく知りたいと思った部分が出てきたら、素直に質問を入れれば良いのです。
とにかく、自分のことは二の次。まずは相手に自分のことを喋らせる。「自分のことを知らない誰か」から「自分のことを知っているあの人」になる事が大事です。
僕達は似ている
自分のことを喋らせることが出来たら、そこで得た情報の中から自分との共通点を見つけ出します。
旅行先で、同じ国、同じ県の人に出会って、それだけでなんとなく親近感を感じた、という経験を持っている人もいるのではないでしょうか。確率で考えれば別にそんな珍しいことでもないのに、ただ自分と相手に共通のものがある、というだけで意味もなく親近感が湧いたりするものです。
割とありがちなところでは誕生日がらみです。なにせ23人いれば50%の確率で同じ誕生日のペアが存在するらしいので、相手の誕生月が自分と同じなんてのは割とあり得ます。さらに家族の誕生月も考慮に入れれば、誰かがどれかにヒットするはず。
たとえば、岡本は関根母と同じ誕生月で、関根は岡本母と同じ誕生月。さらに岡本は関根妹と同じ星座で、関根は岡本妹と同じ星座です。運命感じちゃうね!
こうなるともうほとんどこじつけのレベルですが、まあそんなもんです。誕生日、血液型、出身地などなど、共通してりゃなんでも良いです。共通点を見つける過程で多くの相違点も出て来ると思いますが、そちらは華麗にスルーします。大事なのは共通点をより多く洗い出して、親近感を高めることです。親近感を高めて安心と信頼の実績をゲット! 「運命」は作れる!
また、同じセリフでもこの段階で出すのと、全然関係ない場面で出すのではかなり印象が変わると思います。相手が「ガッキーかわいいなー」と出してきたところに「ガッキーかわいいよねー」と乗っかるのと、話をぶった切って自分から「ガッキーってかわいいよね」と言い出すのでは、イケメンとブサメンくらいの違いが生じます。イケメンほどではなくとも、イケメン(マイナス)くらいの評価にはなるかと。そもそもブサメンはこの情報を出すタイミングを間違えていることが多いです。
なにがきみのしあわせ? なにをしてよろこぶ?
というわけで「夫婦法 前文」はいかがだったでしょうか。あなたの心にトラウマは残せたでしょうか。
いろいろと書きましたが、つまるところは
「なにがきみのしあわせ? なにをしてよろこぶ?」
ということです。話し相手に対して、常にこの気持ちで対峙しましょう。
「なにがきみのしあわせ?」と直接相手に聞いても、たぶん、ちゃんとした答えは返ってきません。「自分は何に幸せを感じるのか」ということを把握している人間は少ないからです。
宗教の勧誘でそういう根源的、かつ、漠然とした質問が使われることがあります。そして、祈れば幸せになれるとか、このつぼを買えば幸せになれる、とかいうわけです。お前がそう思うんならそうなんだろう、お前の中ではな!
しかし、私が思うに、何が幸せかに対する答えはひとつではありません。そして、それは変化することがあります。それは、昨日と今日では違うかもしれません。今日と明日で違うかもしれません。もしかしたら、あなたと出会うことによって、相手の答えは変化するかもしれません。
この人はどんなことに関心があって、どうしたら喜んでくれるだろうか。そのために自分は何が出来るのだろうか。
相手から引き出した話の内容から「たぶんこの人はこういうのが好きなんだろう」と仮定・類推します。その仮定に基づいて、さらにこんなのはどうだろうと提案してみます。そして、そうしていくうちに、好き嫌いだけではない、相手のいろいろな部分が見えてくるはずです。うまくいけば、相手があなたのことを理解してくれることもあるでしょう。
それでは皆様、よい婚活を。