これが「寒の戻り」というものでしょうか。4月に入ったというのに雪がちらつく……どころか、積もっちゃったりする今日この頃。まるで12月頃に戻ったような錯覚すら覚えたりします。
そして、雪の中の仁王様を思い出すのであります。

以前、「icoro」とかいう最高にイケてるあのブログで「icoro : 新潟で見ておきたい4組の仁王」なんて記事が上がっていたのを覚えている方もあるかと思います。
そんなのを見て「仁王様巡りくらいなら確かに気軽にやれるかもしれんね」なんて思って出かけたわけですが、その結果……

このざまですよ。
時は1月の下旬。カーナビは冬期通行止め区間を迂回するルートを表示してるけれども、いやいやむしろそのルートの方が雪に埋まってんだろ。ってことで、冬期通行止めらしい、しかし、キレイに除雪されている道を通って真福寺に到着。
雪深い長岡の中でもさらに雪深い小国ということで「いけるか?」なんて心配もしていたのですが、思ったよりも簡単にたどり着くことが出来ました。寺に繋がる道はちょっと難易度高かったけれど。

そもそも午後のお寺というのは静かなものかもしれませんが、それにしてもこの日は静かでした。車庫が全開だったので、どうやらお寺の人はどこかに出かけていたみたいです。葬式か法事か、はたまたただの外出か。
そして、本堂らしき建物の反対側に、目的の仁王様のいる山門らしき建物がありました。きれいに雪の中だけれども。


この時期にそんなに人は来そうもないし、雪で埋まってることはある程度覚悟していたのですが、予想通り、山門までの道は雪で埋まっていたのでした。まあここまで来たら行くわけですけれども。

で、こうなった。


さて、仁王像と言えば、これでもかと鍛え上げられた筋肉美が魅力ですが、真福寺の仁王像はそれにくらべるとかなりコミカルです。
こちらの仁王像についてはやまざきさんの解説を参照のこと。
こちらにいる仁王さんは、木喰(もくじき)作の高さ2mを超える仁王。木喰とは江戸時代に日本各地を巡りながら多くの仏像を残した遊行僧(ゆうぎょうそう)。新潟には数多くの木喰仏が残されているのですが、この真福寺の仁王は新潟では唯一の木喰仁王像。
木喰仏の特徴は、微笑仏(みしょうぶつ)とも呼ばれるとおり柔和な笑顔を浮かべた丸く、温かなイメージ。この仁王像にもその特徴がいかんなく発揮されてます。
何年か前に新潟県立近代美術館で行われていた木喰仏展にも行ったことがあります。アルカイックともまた違うような、なにかもっと心からにじみ出るような微笑みをたたえる木喰仏を見ながら「これを彫った人は一体何を悟ったのだろうか」と思ったりしたものです。そしてまた、そんな疑問すらも微笑みに覆われてしまうのです。




天井絵や大草履もあり、地域に深く根ざしたお寺であることを感じます。



雪深いとはいえ、この日は長岡にしては珍しい冬の晴天でした。雪に埋もれた山門でこんなふうに静謐な時間を過ごす事が出来るのは、地元に住んでいる人間だからこそだと思います。
ただ、今回は冬囲いのため、中が暗くてよく見えなかったりしたところもあったので、今度は雪のない時期に訪れてみたいですね。ついでに言うと、本堂もがっちり冬囲いされていて賽銭が投げられなかった。。