2001年の発表から10年を経過してもなおこのブラウザ市場に残り続けているIE(Internet Explorer 6)。しかし、独自路線を突っ走ってきたIE6にとって、標準化されつつあるインターネットの世界は非常に居心地の悪いものとなっています。
最近では、IE6の後継の後継の後継であるIE9が登場。GoogleやYahoo!Japanはもちろん、生みの親のMicrosoftからもサポート終了を表明され、IE6はもう引退の頃合いです。さあ、名残惜しいですが、そろそろIE6にさよならをしましょう。
It’s time to say goodbye to IE6!
ウェブサイト構築をした事がある人間にとって、IE6ほどやっかいな存在はありません。自分はこの10年の間、「IE氏ね」というセリフを何度吐いたか分かりません。IE6のf○ckな仕様に対しては怒りすぎて既に冷めている状態です。
しかし、そんな鬱々とした日々ももう終わりです。なぜなら、icoro(このウェブサイト)は近いうちにIE6への対応を辞めちゃうからです。ついでにIE7にもさよならをしたいと思っています。
そして、これはicoroだけに限った話ではありません。現在、インターネットの世界全体でIE6への対応終了が表明されています。インターネットの世界におけるIE6は、テレビで例えるなら、ファミコン内蔵テレビのようなものです。今となってはもうどうしようもない感じ。
とはいえ、未だにIE6を使っている人が多いというのも事実。先月(2011年6月)のicoroのアクセス解析によると、IE6からのアクセスは全体の8.40%。IEのVer. 別シェアでは16.69%もあります。
以下のデータは、IEのバージョン別シェアのデータです。
- 8.0: 64.15%
- 6.0: 16.69%
- 7.0: 15.42%
- 9.0: 3.64%
7.0よりも6.0の方がシェアが大きいのは、7.0を利用している人の多くが8.0に移行したためと思われます。逆に言うと、IE6を使っている人はずーっとIE6を使い続けているという事です。今現在IE6を使用している人の多くは、おそらく、何年か前にWindows XP搭載のPCを購入して以来、そのままアップデートもしないで使用しているのではないでしょうか。
まだIE6を使っている人は、すぐに新しいIEにアップデートするか、もしくはFirefoxなどの新しいブラウザに移行しましょう。今はまだなんとかなっているかもしれませんが、そのうちどうにもならなくなってくると思います。どうにもならなくなってしまう前に。
Internet Explorer 6 にさよならをする方法
というわけで、前置きが長くなりましたが、Internet Explorer 6 にさよならをするための3つの方法をどうぞ。
1. PCを買い換える
これは一番簡単な方法です。
Windows XPのサポートももう切れるとか切れないとか言ってるので、もうこの際いっそ、新しいPCに移行しちゃうというのはアリだと思います。ついでにOSも新しくなって快適に。Windows Vistaは、重い、使い物にならない、金返せ、とか散々いわれていましたが、現在主流のWindows 7はVistaよりだいぶマシになっているみたいです。
ただ、この方法をとる場合は、新しいPCに移行する際に現在使っているPCのデータを新しいPCに移行する手間がかかります。多少お金がかかっても良いのであれば、販売店で移行作業をしてくれると思います。(たぶん数千円くらい。)
2. IEを最新Ver.にアップデートする
とりあえずまだPCを買い換える予定はないという人は、「Windows Update」を使ってIEを最新Ver.にアップデートする方法があります。ただし、XPの場合はIE8までしか利用出来ません。今現在最新のIE9を利用するにはVista以上が必要です。(IE8でもIE6を使い続けるよりはかなりマシです。)
というわけで、実際のアップデート方法。ここではWindows XPを使っていますが、Vistaの場合もだいたい同じです。
「スタート」から「全てのプログラム」をクリックします。
プログラムのリストの中にある「Windows Update」をクリックします。
Windows Updateの画面が開いたら「高速」をクリックします。すると、「更新プログラムを確認しています……」というような表示の後に「更新プログラムの確認とインストール」という画面が出て来ます。
更新があれば「更新プログラムのインストール」が押せる状態になっているので、ボタンをクリックします。
後は画面に出て来る表示に合わせて「次へ」や「OK」をクリックしていけば更新が完了するはずです。更新が大量に溜まっている場合は、何回かこの作業を繰り返す必要がある場合があります。更新プログラムがなくなるまで、この作業を繰り返してください。
3. IE以外のブラウザを使う
世の中にあるブラウザはIEだけではありません。特にWindows XPでは最新版のIE9を使うことは出来ないので、この機会にIE以外のブラウザに移行するというのも良いと思います。
また、この方法であればIE6自体は残しておけるので(バージョンアップした場合はIE6が使えなくなる)、会社のシステム的にIE6は残しておかなければいけない、という場合も大丈夫です。
以下、割と有名処のブラウザをご紹介。機能的には最新のIEとあんまり変わらないですが、使い心地はそれぞれ違ったりするので、いろいろ試してみて、自分にあった使い心地のものを選択すると良いですよ。ちなみに、ここであげているブラウザはみんな無料で使えます。
Firefox(ファイアーフォックス)
巷ではIEに次ぐシェアを誇るブラウザです。現在の最新版はVer. 5。icoroの中の人もFirefoxを使っています。
Firefoxは「あれ、それって他のブラウザにあった機能だよね?」という機能がしれっと搭載されていたりするのが素敵です。アドオン(機能拡張)でマウスジェスチャーとか入れると便利です。
icoroのアクセス解析ではFirefoxのシェアは8.62%。巷と同様、PC向けのブラウザとしてはIEに続いてシェアが大きいブラウザです。
Google Chrome(グーグル・クローム)
検索エンジンで有名なGoogleが作ったブラウザ。最初の正式版は2008年12月と、ブラウザの中ではかなり後発。でも、シェアはFirefoxに次ぐ第3位。バージョンアップもバカスカ行われており、現在の最新版はVer.12となっています。
Chromeは動作速度が速いというのが魅力の一つ。Youtubeもとても快適に見られるらしいです。UIもとてもシンプル。でも、IE6に慣れすぎた人には画面がシンプルすぎて逆に意味が分からないかも。。
icoroでのシェアは6.08%で第4位となっております。
過去に一度、FirefoxからChromeに移行しようかなと検討したことがあるのですが、Firefoxみたいなブックマークバーがなかったので結局Firefoxのままです。
Safari(サファリ)
MacやiPhoneでおなじみのAppleが作ったブラウザ。最初はMac版しかなかったのですが、いつのまにかWindowsでも使えるようになっていました。最新版はVer. 5。ちなみに、iPhoneの標準ブラウザもSafariです。
Windows版のSafariは、独自のレンダリングエンジンでフォントにアンチエイリアスを施すので、フォントの表示がまぢくそキレイです。Mac並みです。フォントの美しさだけ見ればIEなんて問題になりません。「Windowsの明朝体なんて明朝体じゃねーよ」と嘆いている人はもうSafariを使うしかありません。
icoroでのシェアは6.92%。Chromeを僅差で超えて第3位です。
Opera(オペラ)
今ではほとんどのブラウザに実装されているタブ機能を一番最初に実装したブラウザ。他のブラウザでは機能拡張を入れないと使えないマウスジェスチャーも、デフォルトで使えます。最新版はVer.11.50。
今回調べて初めて知ったのですが、Operaって「10年前のパソコンでも動く」という目標の下に作られているらしいです。とすれば、IE6からの移行には一番適しているブラウザかもしれません。
我々のブラウザは、常に「10年前のパソコンでも動く」ことを念頭に設計してきました。この目標を達成するためには、プログラムのコードをコンパクトかつ効率的なものにしなければなりません。Operaが奏でるPCと家電のブラウザ協奏曲 – CNET Japan
icoroでのシェアは0.81%と決して高くありませんが、使っている人の満足度は高いみたいです(使っている人の意見を聞いた時の個人的な印象)。
IE6にさよなら出来そうかな?
という感じでした。IE6に(ついでにIE7に)さよなら出来そうでしょうか?
注意して欲しいのは、どの方法であれ、アップデートすると画面の見た目がすっごい変わるということです。でも、やれる事はだいたい同じなのでTry&Errorで使い方を覚えて下さい。いじくり回しても壊れる事はそうそうありません。
会社のPCの場合は、IE6じゃないとうまくいかないシステムが構築されているかも知れないので、会社のそういうのを管理してる部署に聞いてみて下さい。たぶん、問題ないと思うのですが。
それでも良く分かんないという人は、近所に住んでるウェブデザイナに「IE6にさよならしたいんだけど……」と相談すれば、嬉々として対応してくれると思います(ウェブデザイナにとってIE6はニックキ・アンチクショウなのです)。
それではみなさま、よいブラウジング生活を。
参考
- GoogleがIE6のサポート段階的に終了へ、3月1日にDocsとSitesから -INTERNET Watch
- Yahoo!JAPANもIE6サポート終了へ – ITmedia News
- Microsoft、IE 6終了促進のカウントダウンサイトを立ち上げ – ITmedia News
- IE6を永眠させるべき10の理由 – ITmedia News
- Windows Vista で Windows Update はどうやるの?