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とある博物館の売店の営業は無事に終了しました。

刈谷勇も読んだらしい「フリー」を読んでみた

 「あ、安部礼司」を聞いていたら「フリー <無料>からお金を生み出す新戦略」の話が出ていたので、ちょっと書いてみたいと思います。ネットで偶然見つけて読んでみたのですが、個人的にはオススメです。
 無料が溢れているインターネットの世界ですが、「どうやって無料でサービスを提供しているのか?」と疑問に思ったことはないですか?これを読めばその一端が垣間見えるかも。ネットを使った新しいビジネスを考えてる人も、何かヒントがもらえるかも。
 というわけで、今回はちょっと書評風にこの本を紹介してみたいと思います。なんかちょっと偉そうなのは、書評だからです。(偏見)

 インターネットを利用したビジネスをしている人で、「ロング・テール」という言葉を知らない人はいないだろう。クリス・アンダーソンが提唱した「ロング・テール」と言う言葉は、今やインターネット上でのビジネスを語る上で出さないではおけないほど、当たり前のものとなっている。

 そして、そんなクリス・アンダーソンが発表した次なる本が「フリー <無料>からお金を生み出す新戦略」である。「フリー」という、短くも強力なメッセージに、思わず本書を手に取ってしまった人もあるかもしれない。もし、コレを読んでいるあなたがその一人だったとしたら、それはとても素晴らしい感性だと私は思う。

 さて、本書には2つのポイントがある。

 1つは世の中に存在する「FREE」を分類したことだ。読んでみれば分かるが、この本には過去から現在にかけて生み出された、さまざまな「FREE(無料)」を4種類に分類している。

 そして、もうひとつのポイントは以下に挙げる「無料のルール」である。

  1. デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる
  2. アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない
  3. フリーは止まらない
  4. フリーからもお金儲けはできる
  5. 市場を再評価する
  6. ゼロにする
  7. 遅かれ早かれフリーと競いあうことになる
  8. ムダを受け入れよう
  9. フリーは別のものの価値を高める
  10. 稀少なものではなく、潤沢なものを管理しよう

 「なんだそんなことか」と思った人もいるかもしれない。
 実際、世の中を注意深く見ている人の中には、「この本を読む前からFREEの4つの分類は分かっていた」という人がいるかもしれない。そうでなくても、なんとなくそんな感じなんだろうな、と感じていた人も多いはずだ。
 さらに言えば、無料のルールについては、実は本のそでに書かれている。立ち読みしようと思えば本屋で立ち読み出来るし、それどころか、Amazonの「商品の説明」で(無料で)読むことさえ出来る。

 では、本書を読む必要があるのだろうか。こんな分厚い本(ハリーポッターにも匹敵する厚さだ)にするのは紙の無駄だと思う人もあるかもしれない。

 本書を手に取るメリットは、筆者と共にFREEの歴史を旅することが出来ることだろうと思う。その旅の中で、我々はFREEの生まれた背景を知る。FREEを巡る人々の試行錯誤を疑似体験する。そして、その旅の中で、我々は新しいFREEのアイディアを得るのだ。

 本書を無料を利用した驚くべきビジネスアイディアが書かれている本だと思ってと期待して読むと、間違いなくがっかりすることになる。
 しかし、本書が、驚くべきアイディアが生まれる手助けをしてくれる可能性は十分にある。実際に本書は、ハードカバー版の発売とほぼ同時に、電子書籍版が無料で(!)配信されている。それでもハードカバー版は(無料版があるにも関わらず)ニューヨークタイムズ紙の12位にランクインした。本書の存在自体が、FREEを利用した1つの成功例なのだ。

 FREEを味方に付けたいと思っている人には、今すぐこの本を買って読むことを薦めたい。止まらないFREEの乗りこなすための、素晴らしい手引き書となってくれるはずだ。

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

  • メーカー:NHK出版
  • カテゴリ:ハードカバー

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