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とある博物館の売店の営業は無事に終了しました。

生ごみを活用!プランターコンポストをやってみた

プランターコンポスト

 日々出る生ごみをなんとかしたいと思い、プランターを使ったコンポストに挑戦してみました! 数ある家庭用コンポストの中で一番簡単なので初心者におすすめ。場所さえ確保できれば思ったより気軽にできます。

 段ボールコンポストなど家庭での生ごみの処理方法はいくつかありますが、籾殻やおがくずが必要だったり、温度計で温度チェックをしないとだったりとなかなか大変そう……そんな時にみつけたのがこのプランターコンポスト。土とプランターさえあればできるので挑戦してみました!

※コンポスト=堆肥なので、正確には「プランターコンポスター」なのですが、便宜的に「プランターコンポスト」と呼びます。

プランターコンポストのやり方

用意するもの

プランターコンポスト
コンポストとして使用するプランターは底に目皿があるものが良いです。
  • 土(古くなった土の他、新しい培養土でも可)
  • プランター:4〜5個(底に目皿のあるもの)
  • スコップ、じょうろ、土と生ごみを混ぜる容器など

アイリスオーヤマ プランター グリーンカーテン用プランター 550 ハーブグリーン

  • メーカー:アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)
  • カテゴリ:Tools & Hardware
  • 発売日:2012/03/01

プランターコンポストの置き場所

プランターコンポスト

 水分量が重要なので、置き場所はベランダや軒下、風除室などの雨が当たらない場所が望ましいです。雨が当たってしまう場合はプランターの上に板などを置いて雨が入らないようにします。

手順

  1. 土を乾かしておく
  2. 生ごみを2〜3cm程度の大きさにカットする
  3. 生ごみと乾いた土を混ぜ合わせる
    • 水分量の確認・調節
  4. 混ぜた土をプランターに入れる
  5. 乾いた土をかぶせる
  6. プランターが一杯になるまで2〜5を繰り返す

プランターがいっぱいになったら

  1. 全体をかき混ぜる
  2. 水分量を調節する
  3. 乾いた土でカバーする
  4. 1ヶ月ほど放置して堆肥化(分解)させる
  5. ※放置中、1週間〜2週間に1度かき混ぜる

1. 土を乾かしておく

プランターコンポスト

 今回は以前なにかが植えられていた様子のカチカチに硬くなった土を使うことにしました。日に当ててあらかじめ乾燥させておきます。

2. 生ごみを2〜3cm程度の大きさにカットする

プランターコンポスト

 プランターコンポストに入れる生ごみは2〜3cmを目安に小さく切っておきます。この日はトマトのへた、ナスのへた、じゃがいもの皮、キャベツの芯、麦茶の出がらし(パックから取り出したもの)を用意しました。

入れてOKなもの、NGなもの

 調理時に出る野菜くず、果物の皮、お茶の出がらし、コーヒーかす、傷んでしまった野菜や果物などを入れます。カビが生えてしまったごはんやパンのほか、食べ残しのおかずもOKです。

 ビニール袋やラップ、輪ゴムなど分解されないものはNGなので混じってしまわないように気を付けます。また鶏の骨、貝殻などの硬く分解しにくいものも入れないようにします。

3. 生ごみと乾いた土を混ぜ合わせる

プランターコンポスト

 生ごみと乾いた土を混ぜ合わせます。分量の目安は1:1くらい。だいたいで大丈夫です。

プランターコンポスト

 こんな感じでよく混ぜあわせます。

水分量の確認・調節方法

プランターコンポスト

 水分量の確認方法です。混ざったら手に取ってぎゅっと握ってみます。

プランターコンポスト
水分量が50〜60%の好ましい状態。

 全体に湿り気を帯びていて、握ると団子状に固まり、親指で潰すと簡単に崩せる状態を目指します。これが堆肥化させるのに望ましい水分量です。

プランターコンポスト
水分が少なすぎる状態。握っても固まりません。

 水分が少ないと握っても土がまとまりません。この場合はじょうろなどで水を足してよく混ぜ合わせます。この時の水分は米のとぎ汁、パスタやそばのゆで汁を使うこともできます。
 逆に水分量が多すぎる場合は握ると水が垂れてきたり、親指で押しても崩れない状態になります。この場合は乾いた土を足して調節します。

 慣れてくるとちょうどいい水分量は見ただけでわかるようになります。そうなれば毎回握って手を汚す必要はありません。厳密に考えなくても、雰囲気でOKです。

4. 混ぜた土をプランターに入れる

プランターコンポスト

 混ぜた土をプランターの端におきます。

5. 乾いた土をかぶせる

プランターコンポスト

 混ぜた土を覆うように、乾いた土をかぶせます。

プランターコンポスト

 乾いた土で全体をしっかりカバー。こうすることでにおいの発生と虫が寄ってくるのを防ぎます。

 これで基本の流れは完了です!

6. プランターが一杯になるまで2〜5を繰り返す

プランターコンポスト

 2回目以降も土の混ぜ方・水分量は同じです。混ぜた土を1回目の土の隣におきます。

プランターコンポスト

 乾いた土をかぶせます。

プランターコンポスト

 この手順をプランターがいっぱいになるまで繰り返します。1回に入れる生ごみの量・入れ方にもよりますが、7〜8回程度(約1週間分)は入れることができます。

 1つのプランターがいっぱいになるまで約1週間、その後放置して堆肥化(分解)を待つのに1ヶ月ほどかかります。プランターを4〜5個用意できると「生ごみの混ぜ込み(1週目)→放置して堆肥化(2週目〜)→土完成(5週目)」のサイクルをちょうどよく回すことができます。
 「プランターをたくさん置けない」「そんなに生ごみが出ない」という場合はひとつのプランターに入れる回数を増やせばOKです。

プランターがいっぱいになったら

1. 全体をかき混ぜる

プランターコンポスト

 プランターがいっぱいになったら全体をかき混ぜます。底の方から混ぜるのを忘れずに。

2. 水分量を調節する

プランターコンポスト

 プランター内の土全体を、握ると団子状になる水分量にします。

3. 乾いた土でカバーする

プランターコンポスト

 水分量を調節できたら上一面を乾いた土でカバーします。

4. 1ヶ月ほど放置して堆肥化(分解)させる

プランターコンポスト

 そのまま放置し、堆肥化(分解)を待ちます。この時もできれば雨が当たらない場所が望ましいです。
 写真のように「堆肥化中」などと書いておくと、間違って土やプランターを使われたりするのを防げます。牛乳パックを適当な大きさ・形にカット、文字は油性ペンで書いておけば消えません。

放置中、1週間〜2週間に1回かき混ぜる

プランターコンポスト

 放置中、1週間〜2週間に1回程度、「かき混ぜ・水分調整・乾いた土でカバー」の作業を行います。酸素を送りこむことで分解を促進させます。

完成!

プランターコンポスト

 1ヶ月ほど経ったら完成! この土でなにかを栽培するもよし、分解されていない大きな野菜クズを取り除き、もう一度生ごみ混ぜ込み用の土にするもよし。分解されなかった分は次の生ごみと一緒に土に混ぜ込めばOKです。

家庭菜園

 プランターコンポストでできた土でニンニクを栽培してみました! 裏の畑から持ってきた土でも栽培し、成長を比較。プランターコンポストの土の方が元気に大きく成長しました! ちゃんと肥沃な土になっている様子です。

以下、やってみてわかったことなど

気になる虫について

 虫はゼロというわけにはいきません。屋外に置いた鉢で植物を栽培するときに出会うであろう虫には遭遇します。例:小バエ、ダンゴムシ、ハサミムシ、ミミズ、クワガタの幼虫等。
 乾いた土でカバーすることでコンポストの周りを虫がブンブン飛んでいるといった状況は回避できます。環境によるとは思いますが、小バエは生ごみを持って行った瞬間に現れます。放置せずすぐに土に混ぜ込みましょう。

においと置き場所について

 水分量を適切にし、乾いた土をかぶせておけば生ごみ臭や腐敗臭などは出ません。屋外に置いておけば一切気にならないです。全体をかき混ぜる時もうっすらカビっぽいにおいがするだけで、くさい! とはなりませんでした。
 そんな感じですが、玄関に置くのはちょっと気が引ける……ベランダの端や軒下、できれば自転車小屋などのスペースに置きたい感じです。

 一番良かった点は、その日のうちに生ごみを処理できるので、ごみ箱のにおいが軽減できたこと。夏場は嬉しい効果です。

卵の殻、玉ねぎの皮、魚の骨も入れてもいいのか

プランターコンポスト
堆肥化を始めて2週間経った頃の土の様子。玉ねぎの皮と卵の殻はまだ残っています。

 プランターコンポストは土の量が少ないため、分解力があまりありません。またにおいを出さないようにするため、腐敗しやすいもの・腐敗したものは推奨されていません。これらの理由から分解されにくい卵の殻、玉ねぎの皮などはNG、魚の骨や内臓、頭は分解しにくい&においの原因になりやすいのでNGと紹介されていることが多いです。

 ですが、私は気にせず入れています。「できるだけ細かく刻む・砕く」「多めの土と混ぜ合わせ、乾いた土でしっかりカバーする」というあたりに気を付ければ入れて大丈夫かと思います。このあたりは「失敗しそうだからやめておく」「慣れたら入れる」という感じで判断できるようになるといいかと。
 ちなみに卵の殻・玉ねぎの皮が完全に分解されるまでには2年かかると言われています。私は細かくしてして土と同化させてます。

野菜くずの水分について

 「できるだけ水分を減らすために野菜くずは軽く乾かしてから土に混ぜ込む」「洗う前に皮を剥くなど、水がかからない工夫をする」という注意書きも見かけます。しっかりと乾燥した土を用意できれば、野菜くずの水分に神経質になる必要はありません。水が切ってあれば充分です。
 できるだけコンパクトにやりたい場合は、野菜くずを乾燥させる一手間を加えると少ない土で多くの回数混ぜ込むことができるかと思います。

土を乾燥させるのが大変

プランターコンポスト

 土は鉢やプランターに入れたままだとなかなか乾きません。土を山型に盛って表面の乾いた所から使ったり、薄く広げて乾かしたりとけっこう手間がかかりました。屋根がある場所じゃないとちょっと難しいです。

生ごみの量は減らせる

 家庭から出る生ごみの量は確実に減らすことができます。カビが生えたパンを泣く泣く捨てることも少なくないかと思います。そんなときも「栄養になーれ!」と土に混ぜ込むことができるので、環境にも、精神的にも良いです。

芽が出てくる

プランターコンポスト

 トマトやピーマンを入れると芽が生えてきます! 出てきた芽も全体を混ぜる時に容赦なく混ぜました。

慣れたらプランター内で混ぜ合わせることも可能

プランターコンポスト

 プランター内のあいている所で生ごみと乾いた土を混ぜる方法もあります。混ざったら端に寄せ、乾いた土でカバー。この方法なら容器を汚さずに土と混ぜることができます。でも目皿の間に落ちていくのがちょっと気になる……

本当に堆肥になってるのか

 コンポストといっても温度上昇はほとんどなく、発酵もしていないと思われます。一応、土の中の微生物や生き物によって分解は進んでいる模様。あくまで簡易的なもの、といった感じです。でも前述のニンニクの様子を見るとちゃんと土壌改良ができ、養分にはなっているようです。

そんな感じ

プランターコンポスト
生ごみが出るのがちょっとうれしくなる。

想像よりも簡単だけど、けっこう手間がかかる

 手順としては想像よりも簡単でしたが、思ったよりも手間がかかる、そんな印象でした。私が住む地域は生ごみは週3回回収なので、普通にごみ出しをしたほうが楽です。ですが、ごみ袋が有料、袋いっぱいになるほど生ごみが出ない、可燃ゴミは週1回収集なので事実上生ごみも週1回の状態でして……こういう状況だと生ごみをその日のうちに処理できるこの方法は意外と便利。今後も夏場だけやろうかなーと思っています。

 生ごみの減量のため、プランターコンポストを推奨している自治体も数多くあるとか。家庭菜園やガーデニングをやってる人ならばその勢いでできそうな感じでした。訳あって生ごみを捨てにくい! という人にはおすすめです!

参考

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