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婚姻届を提出してみた

 突然ですが、結婚しました。

 すでに御存知の方もあろうかと思いますが、実は我々、昨年結婚してました。ありがとう、そしてありがとう。

 そんなわけで、これから婚姻届を出そうと考えている方に向けて婚姻届の書き方をざっくりレクチャーしちゃうよ。皆の者! 我々に続け!

婚姻届をもらう

長岡市役所で渡された書類。婚姻届のほかに、住民異動届、各書類の記入例、婚姻にかかる手続きの案内などの書類を渡してくれました。

 なにはともあれ、まずは婚約届をもらいに婚姻届を提出する(結婚後に住所を置く)市区町村の役場に向かいます。

 婚姻届自体はフォーマットに従っていれば市販のものでも、なんなら自作のものでもOKです。ただ、役場に行くと婚姻届の書き方を教えてくれたり、婚姻届以外の手続きの案内や必要書類などを一緒に渡してくれるので、とりあえず婚姻届を提出する市区町村の役場に顔を出すことをオススメします。

婚姻届はどこでも提出できる

 婚姻届は本籍を置いている市町村に限らず、日本国内ならばどこでも提出できます。なんなら、海外にある日本の在外公館(大使館、領事館)でも可能。ただ、ところにより必要な書類が異なる場合があるので、チャレンジする場合は事前に提出を予定する役所なり在外公館なりに確認してください。

本籍を確認しよう

 婚姻届は「本籍」が必要とされる数少ない手続きのひとつです。普段意識しないので「本籍どこだっけ??」という人は少なくはないと思います。たまーに千葉県民じゃないのに本籍が「千葉県浦安市舞浜1-1」だったりする人がいるのでご注意を。

 本籍は「住民票(申請時に「本籍の記載あり」にする必要あり)」や「戸籍全部(個人)事項証明書」を取得すれば確認できます。
 婚姻届を記入する際には本籍の筆頭者の氏名も必要になるので、判然としない場合はとりあえず「戸籍全部事項証明書」を取得しておくといいです。戸籍全部事項証明書で意外な事実が判明することも……?!

 また、自動車運転免許証を持っている人は最寄りの警察署や運転免許センターに設置してある「IC免許証記載内容確認装置」でも本籍を確認することが出来ます。この際、免許交付時(または更新時)に設定した「暗証番号1」と「暗証番号2」の両方が必要です。キミはちゃんと覚えているかな?

戸籍と住民票

 ついでに戸籍と住民票についてメモ。
 「戸籍謄本」および「戸籍抄本」は2009年頃(自治体によって実施時期が異なる)に行われた戸籍のコンピュータ化に伴い、以下のように名称が変わりました。

  • 戸籍謄本 → 戸籍全部事項証明書
  • 戸籍抄本 → 戸籍個人事項証明書

 まだ名前が変わってからあまり時間がたっていないので「戸籍謄本/抄本」という表記が併記されている書類が多いです(そのせいで余計わからなくなる)。
 「戸籍全部事項証明書」は同一戸籍内にある全員分の情報が記載されているもので、「戸籍個人事項証明書」はその名の通り、戸籍の中の一部の人のデータのみ抽出したものです。

 戸籍と似たようなものに「住民票」があります。住民票はその市区町村に住所を置いている世帯別のデータです。例えば、子供が県外の大学に通うことになって住民票を移した場合、住民票は親と子で別のものになりますが、戸籍上は一緒のままとなります。

 つまり、「戸籍」は親子関係や婚姻関係を証明する「家」単位のデータで、「住民票」はどこに住んでいるのかを証明する「世帯」単位のデータ、という感じです。

婚姻届を提出する際に必要な書類

 婚姻届を提出する際には以下のものが必要になります。なお、ソースは長岡市なのでほかのところでは違う可能性もあります。参考としてどうぞ。

  • 婚姻届
  • 印鑑
  • 顔写真付きの本人確認書類
  • 氏や住所が変わる人のみ
    • 住民異動届
    • マイナンバーカード or 通知カード
  • 本籍が婚姻届を提出する市区町村にない人のみ
    • 戸籍全部事項証明書

婚姻届

 なにはなくとも婚姻届。記載内容についてはあとでまた説明します。

印鑑

 婚姻届に押印したのと同じ印鑑を持参しましょう。ただ、持ち物としては記載してありますが、提出時には使用しませんでした。書類に不備があった場合の訂正時などに使用するのかも?

顔写真付きの本人確認書類

 要はパスポートとか免許証とかです。基本的には窓口に書類を提出する人の本人確認証だけでOKですが、結婚にともない氏や住所が変更になる人(嫁入り/婿入りする人)も本人確認書類が必要となります。

住民異動届

 嫁入り/婿入りして氏が変わる人は新しい氏での住民異動届の提出が必要になります。また、結婚にともない住所が変更になる場合も(要は「引っ越し」なので)住民異動届の提出が必要です。

マイナンバーカード or 通知カード

 嫁入り/婿入りして氏が変更になる場合、マイナンバーカードの更新が必要になります。といっても新しいカードが発行されるのではなく、新しい住所・氏名を裏書きされるだけです。(どうでもいいけど、マイナンバーのせいで手続きの手間増えてね???)

戸籍全部事項証明書

 いわゆる戸籍謄本。本籍(住所ではない)が婚姻届を提出する市区町村にない場合は戸籍全部事項証明書が必要になります。

婚姻届を記入する

受けとってみたら思いのほか薄い紙で取扱いに気を使う。あぶらとり紙みたいな薄さです。

 持ち物がわかったところで、やっとメインイベント! 婚姻届の記入だ! 赤字が記入するところです。実際には黒のボールペンなどでご記入ください。なお、記入例は長岡市でもらった婚姻届記入例をリスペクトしています。

届出日

 まずは届出日。婚姻届を届出する日を記入します。もし提出したあとに書類に不備が見つかって差し戻しが発生した場合でも、登録される入籍日は最初に届出をした日となりますのでご安心ください。

氏名・住所・本籍

 住所は結婚後の住所を記入します(転居が発生する場合は同時に婚姻届と一緒に住民異動届を提出)。
 世帯主や本籍の筆頭者氏名がわからない場合は戸籍全部事項証明書を取得して確認してください。本籍の「筆頭者」は戸籍全部事項証明書の一番最初に記載されている「戸籍に記録されている者」です。

父母の氏名

 「父母の氏名」は戸籍全部事項証明書にある実父母の名前を記入します。生死は関係ありません。養父母についてはあとにある「その他」に記載します。
 記入する際、母の欄は氏を省略し、名のみ記入します。もし両親がすでに離婚している場合には父母両方とも氏・名を記入します。認知なしの未婚の母の場合は父の欄が空欄になります。

 ご家庭によっては様々な事情により父または母の名前を書きたくないというケースもあるかと思いますが、ここは結婚するのに必要な呪文の記入と割り切ってご記入ください。

新本籍

 なんと「初婚・再婚の別」の欄があるぞ! 再婚の場合は死別か離別か、いつなのかまで記入しなきゃだぞ! 離婚歴隠してる人は早めにゲロっておいたほうがいいぞ!

 戸籍は夫婦とその未婚の子供単位で作られるので、結婚時に新しい本籍を決める必要があります。
 本籍は基本的に日本国内ならばどこでも設定できます。そのため、本籍を皇居やTDLにしている人もいるようです。ただ、今のところ戸籍関係書類(全部事項証明書など)は本籍を置いている市区町村役場でしか発行できません。そのため、戸籍関係書類が必要になった場合は本籍を置いている役所に出向くか、書類を郵送してもらうかする必要が出てきますので、あまり訪れる機会のない地を本籍にしようと考えている方はご注意ください。

 ただし、新本籍を設定できるのは「戸籍の筆頭者」となる者(婚姻後に使用する氏を夫の氏にする場合は夫、妻の氏を使用する場合は妻)が初婚の場合だけです。「戸籍の筆頭者」となる者が過去の婚姻ですでに戸籍の筆頭者になっていた場合、新本籍を作ることはできず、配偶者が戸籍の筆頭者の既存の戸籍に入る形になります。

今登録している本籍地がなくなっている場合もある

 ちなみに今回結婚するにあたって新本籍を生まれたときからの本籍そのままで登録しようとしたら、「その番地は存在しないので登録できない」という驚愕の回答が返ってきました。オレの本籍地どこいった……!?
 役場職員の話や親の話をいろいろ総合して推測するに、自分が生まれたときは649番地が存在したのですが、その後(たぶんうちの両親が家を建てるとき)に649番地が649番地1、649番地2、649番地3の3つに分割されたため、649番地だけでは登録できなくなった、ということのようです。「うしろに1か2か3を付ければ登録できますけど……」って軽いなおい。いや、いいんだけども。

署名

 最後に夫と妻がそれぞれ自筆で署名捺印します。「署名」とある場合は本人が自筆で名前を書く。これまめな。

 未成年者の場合は「その他」の欄に「妻(夫)は未成年につき、この婚姻に同意する。」という文言と両親の住所、両親の署名捺印をもらってください。

証人

 証人2人に署名捺印してもらいます。証人は20歳を超えていれば誰でもなれます。親でも兄弟でも友人でも、なんなら通りすがりのおっさんでもおk。うちはお世話になった共通の知人に署名してもらいました。
 借金の保証人とは違い、証人になったからといってとくにメリット・デメリットはありません。ただ婚姻届に名前が載るだけです。結婚記念くらいのノリでどうぞ。

婚姻届の提出

 婚姻届は提出すると(不備でもない限り)返ってきません。とくに写しもないので、記念に婚姻届を取っておきたい場合は2部作成するか、提出する前にコピーを取っておきましょう。

婚姻届提出後の手続き

 結婚に伴い、氏・住所が変わった人は住所・氏名の変更手続きが必要になります。健康保険やマイナンバーなど役所に部署があるものは案内がありますが、それ以外にも銀行やクレジットカード、ケータイの契約、通販、郵便局などでも住所・氏名の変更が必要になるので忘れないようにしましょう。

 また、婚姻届を提出してから本籍の変更が反映されるのに1週間程度のタイムラグが発生するそうなので、本籍が記載された住民票抄本が必要とされる手続き(免許証とか)がある場合は、婚姻届提出時に新氏名・新本籍の記載されている住民票を発行してもらいましょう。

婚姻届提出特典(?)があるところも

 市区町村によってはお祝い状や記念品などを用意しているところもあります。正直、別になくてもいいようなものが多いですが、まあ、タダでもらえるものなのであんまり文句も言うまい。

長岡市の場合

 長岡市の場合は希望者に「お祝い状」を発行してくれます。極個人的な感想を言わせてもらうと、ぶっちゃけびみょーwww 「長岡造形大の2年生がデザインしました!」って言われたら「あーね!」ってなるレベル(え、有名なアートディレクターがデザインしたって? 知ってるよ。知ってるけどびみょーなもんはびみょーなんだよwww)。正直、提出した婚姻届のコピーをとって渡してくれたほうがありがたいです。ご検討ください。

 役所内に記念撮影スポットもあり、持参したカメラやケータイで職員さんが撮影してくれます。
 これはいいんだけど! いいんだけど場所が! 場所がよくない! パネルが大きいわりに通路が狭くて被写体までの距離が近すぎるし、なんか薄暗いっす。いっそ屋外に設置したほうがまだマシになるかと思います。ご検討ください。

「こんな紙切れ一枚」と言うけれど

 ドラマなんぞ見てると「こんな紙切れ一枚で……」というセリフを耳にすることがありますが、氏変更とか住所変更とか含めると紙切れ一枚なんかで終わらんよ! とくに嫁入り/婿入りしたほうはびみょーに大変そうです(迎えたほうはそれほどでもない)。そのへんは嫁入りしたほうの岡本(旧姓 関根)が書いてくれると思いますので、続報を待て。

追記:書きました!  by岡本(旧姓 関根)

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