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これでできる!葬式の会計で学ぶ簿記のやり方

仕訳帳に記帳する

  仕訳帳のそれぞれの列の意味は以下の通りです。

  • 1列目:取引の通し番号
  • 2列目:借方 金額
  • 3列目:借方 科目
  • 4列目:備考
  • 5列目:貸方 科目
  • 6列目:貸方 金額

 「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」の説明は、聞いてもたぶんよくわからないと思うので(自分も人に説明できるほどはっきりわかってない)、まあ、そういうものだ、程度に捉えてください。借方が左側で貸方が右側、というのだけわかってれば大丈夫です。

 まあ、理屈はともかく、実際に例を交えながら記帳してみましょう。手を動かしてやり方を覚えていくスタイル!

収入が発生した場合

 例えば「12月1日に山田さんから御霊前として現金3,000円をもらいうけた」場合を考えてみましょう。この取引で出てきている要素は「御霊前」という「収入」、「現金」という「資産」、そして「3,000円」という「金額」です。
 「現金」は「現金」科目でおk。「御霊前」は、ほかに「御仏前」「香典」「夜伽見舞」「御明志」など似たような性質のものが別の名前で存在するので、ここではこれらを全部「香典」科目にまとめることにします。

 というわけでこの例を記帳すると以下のようになります。

No.借方金額借方科目備考貸方科目貸方金額
13,000現金12/1 佐藤香典3,000

 1列目は取引の通し番号です。ユニーク(ほかとかぶりがないもの。唯一のもの)であれば番号が飛んだりしても構いません。
 ちなみに簿記の世界ではお金(財産)の増減を「取引」と言います。たとえば、お金を泥棒に盗まれた場合も、お金の増減が生じているので「取引」になります。

 2列目と3列目はセットで借方の科目と金額を表しています。ここでは現金3,000円が手元に入ってきたことを表しています。

4列目は取引のメモ欄です。あとで見たときにいつのなんの取引だったかがわかるよう、最低限の情報をここにメモります。

 5列目と6列目もセットで貸方の科目と金額を表しています。ここでは香典 3,000円の収入が発生したことを表しています。

どちらになにを記録するか

 記帳するときに問題になるのは、仕訳帳の借方(左側)と貸方(右側)、どちらにどの科目を記入したらいいのか、ということだと思います。どちらになにを記載するかは、簿記の本だと以下のように説明されてることが多いです。

借方貸方
資産の増加資産の減少
負債の減少負債の増加
資本の減少資本の増加
費用の発生収益の発生

 が、自分はひとつひとつの取引をいちいちこんなのに当てはめて記帳してません。じゃあ、どうしてるかというと「仕訳帳では右から左へお金の種類が変換される」というふうに考えます。変換前のものが右(貸方)で、変換後のものが左(借方)です。

借方貸方
変換後変換前

 たとえば、前述の「12月1日に山田さんから御霊前として現金3,000円をもらいうけた」という取引は「香典3,000円現金3,000円に変換された」と考えることができます。
 よって、変換前の香典3,000円右側(貸方)に、変換後の現金3,000円左側(借方)に、それぞれ記帳します。

No.借方金額借方科目備考貸方科目貸方金額
13,000現金12/1 佐藤香典3,000

片方が複数の科目になる場合

 それでは「田中さんが5,000円の御霊前と1,000円の志をそれぞれ現金でもってきた」場合はどうなるでしょうか。

 なにがどう変換されたかを考えると「香典5,000円志1,000円現金6,000円に変換された」と考えることができるので、仕訳は以下のようになります。

No.借方金額借方科目備考貸方科目貸方金額
26,000現金12/1 鈴木香典5,000
   志1,000

 「志」はあとでお寺さんに渡すので、ここでは「香典」とは別に「志」科目を設定しています。
 「志」の行の借方が空欄になっているのは誤植ではありません。志の分の現金は香典の行の現金と一緒になっています。

 なお、この取引は以下のように記帳しても正解です。上のように現金をまとめて記帳してしまったほうがスマートに見えますが、慣れないうちは下のように書いても問題ありません。大事なのは金額の出入りを間違いなくきちんと記録することです。

No.借方金額借方科目備考貸方科目貸方金額
25,000現金12/1 鈴木香典5,000
31,000現金12/1 鈴木1,000

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