都会じゃどうか知りませんが、この辺では高校入学に伴い、初めての携帯を持つというのが大方の流れです。ですが、今年はそんな流れにちょっとした変化がありました。
昨年まではほとんどの人が、いわゆるガラケーでした。ところが、今年はほとんどの人がスマホだったのです。初めての携帯がスマホ。そんな時代がついにやってきたようです。
そんな時代にあって、私は未だにガラケーです。

こんな風にブログを書いているせいもあってか、人前でMyガラケーを取り出すと驚かれることがあります。もしかしたら私のことを、いわゆる「アーリーアダプタ(初期採用者)」のように思ってくれている人もあるかもしれませんが、実際、こういったもの、特にお金が絡むものに関しては多くの人が思っている以上に保守的です。
私よりはむしろ、私の親の方がよほどアーリーかもしれません。最近ではテレビのワイドショーでもスマホの特集が組まれることが珍しくありません。特集の中でスマホの元祖としてiPhoneが紹介されているのを見ながら、「W-ZERO3ェ……」と心の中で小さくつぶやいています。
そして、そんなテレビの影響もあってか、親までもが私の携帯を見て、「あんた携帯変えなさいよ」と言い出す始末です。
まあ、誰も、何事も、提示されたそれが必要だと思えばイノベータになるし、そうじゃなければラガードになる。そんなもんじゃないでしょうか。うちの洗濯機が未だに二層式であるように。
料金が約3倍
現在のところ、携帯代金はだいたい2,000円前後で推移しています。内訳はだいたい以下のような感じ(端末の代金は計算に入れていません)。これで「パケ代結構使っちゃったなぁ」と言う感じ。
- タイプシンプルバリュー: 780円
- iモード: 315円
- 通話料: 100円
- パケ代(パケホーダイシンプル): 1,000円
- 合計: 2,195円
これがスマホになるとどうなるか。
- タイプシンプルバリュー: 780円
- spモード: 315円
- 通話料: 100円
- パケ代(パケ・ホーダイフラット): 5,460円
- 合計: 6,655円
この通り、大して使い方は変わらなかったとしても、料金が約3倍に跳ね上がります。ちょっとバカみたいです。
パケホーダイシンプルのままにして、パケ代を節約して使うという選択肢もなくはないです。ただ、それはあまり現実的ではありません。
ガラケーは、基本的にはユーザが通信を必要とする操作をした時にだけ、通信が行われます。メールを送受信するとか、サイトを見るとか。
ところが、スマホは待受状態でも何らかの通信(なんだかよくわからないけど、更新の確認とかそんなんだと思う)をバックグラウンドで行っています。なんだかんだで、1日あたり1MB程度の通信が発生するようです。1パケットは128byteなので、1MB/日は 1*1024*1024/128 = 8,192パケット/日となります。パケ・ホーダイシンプルやパケ・ホーダイダブルの上限のパケット数は52,500パケットなので、何も操作せず、ずーっと待受状態で放置しているだけでも、一週間で上限に達してしまう計算になります。
そのため、パケ代を節約するというのは、あまり現実的な選択肢とは言えません。もちろん、3G通信を強制的にシャットダウンするとか、やろうと思えばいろいろ手はあるようですが、手間を考えるとビミョーというのが個人的な印象です。
個人的に気になったのは
ところで、先日、docomoの新商品・新サービスの発表がありました。テレビ的にはハイスペックな新機種だの音楽や動画の新サービスだのに注目が集まるところですが(そっちの方が分かりやすいし)、個人的に気になったのは「らくらくスマートフォン」限定のパケット定額プラン「らくらくパケ・ホーダイ」です。
月額は2,980円で「パケホーダイ フラット」よりも2,480円も安い。その代わり、その月の通信量が500MBを超えると、通信速度が最大128kbpsに制限されます。
メール中心でたまにインターネット、くらいの使い方だと通信量は10MB/日程度、月にして300MB程度らしいので、500MBでも十分に思えます。そもそも、メール中心なら128kbpsでも別に不便は感じないと思います。ウェブサイトの閲覧も、まあ、不可能ではないレベル。googleマップは厳しいけれども。
……いや、こう考えるんだ! ISDNの2チャンネルをフルで使った速度と同じであると! 夢の128kbps!
これ、ガラケーで月2,000円前後をうろうろしている、自分のようなユーザがスマホに移行するにはちょうどいいプランじゃないかと思います。それでも2倍にはなりますけれども、たぶんそうなればスマホでググることもそれなりに増えるだろうと思うので、甘受します。
惜しむらくは、らくらくスマートフォン限定のプランであるというところ。これ、らくらくスマホ限定じゃなかったら、ちょっとスマホに機種変考えた。惜しいなー。らくらくスマホはおサイフケータイに対応してないからちょっと候補に入らないなー。(そこかー。)
だからガラケー使ってます。
最近の携帯各社の発表を見てると、どうも映画だとか音楽のコンテンツに力を入れてるみたいです(前からそうか)。誰がケータイで動画なんか見るんだよバロッシュと思っていたら、「最初の携帯がスマホ」世代は普通に見てました。俺バロッシュ。だから回線パンクしたりするんだろうなぁ、と思ったりもします。あればあるだけ使う、というのが人の性ですもの。
考えてみると、自分の場合、普段、PCの前にいることが多いので、わざわざ小さい画面で動画を見る必要がないんですよね。仕事に使うにも、キーボードがないと何ともならないですし。
仮にスマホを使うとしたら、外でメールを確認するとか、地図を見るとか、そんな程度に落ち着くような気がします。長文を入力しなきゃいけない場面ではPC使っちゃいます。……って、それ、ガラケーでも出来るじゃん。
また、家も仕事場もWi-Fiがあるので、その分、パケホの恩恵にあずかり損ねるような気もします。いっそネット環境をモバイルに統一するという手もありますが(ヘタすりゃADSLより早いし)、転送量が多いと速度に制限がかかったりすることもあるみたいなので、それもビミョー。せいぜい、たまに出先でテザリングがいいところでしょうか。Xiはテザリングしても料金変わらないみたいですし。
まさに「帯に短し、たすきに長し」と言った感じです。
「じゃあ、もうガラケー使っとけよ」? はい。だからガラケー使ってます。
でも、最近、新しく発表された機種ってみんなスマホなんですよね。この間のdocomoの新機種発表会ではガラケーなんか1台も発表されませんでした。もう、ガラケーにしたくても出来ない環境になりつつあります。
ガラケー回帰の動きがあるなんて話も耳にしますが、個人的には、ポケベルのサービスがなくなったように、携帯もなんだかんだでみんなAndroid機(とiPhone)になるんじゃないかと思っています。キャリアとしてはAndroidの方が料金稼げますし、開発者としてもガラケーとAndroidの開発、どっちやりたいかっていえば、やっぱAndroidだと思うんですよね(ハード的にもソフト的にも)。
もう、キャリア側としても開発側としても、ガラケー切ってAndroidにリソースを傾けたいところじゃないかと思います。
まあ、もうちょっと様子見と言うことで。
携帯のディスプレイ棚がスマホの幅に合ってなくて、置かれているモックが斜めってたりするのを見ると、「こちらも変化が早すぎて対応し切れてないんだな」と、心の中でつぶやいてみたりするのです。