去る2010年8月31日に昭和シェル石油の新潟石油製品輸入基地で行われた「雪国型メガソーラー発電所竣工式」に参加しました。icoro史上初のプレスとしての参加!
(たいくつで息苦しい)ぶら下がりも終了し、いよいよ見学編!
ぶら下がりが終わるとプレスの皆さんはがやがやと屋外に出て行きました。まるで新鮮な酸素を外に求めるかのように。我々もとりあえず外に出ることにしました。
部屋を出てすぐ脇にあった太陽電池の模型。2枚の異なる太陽電池が設置されています。
右はよく目にする結晶系の太陽電池。左のマットな質感のパネルがこの雪国型メガソーラー発電所で使用されているCIS太陽電池です。どちらのパネルも定格出力3.4W、最大作動電圧10.2Vとなっていました。
備え付けられている黒いシートでパネルを隠して、発電の具合を実験してみることが出来ます。それぞれのパネルの下には、発電している様子が分かるようにLEDが付いています。
遊んでいたら伊武雅刀似のスタッフの方が説明をしてくれました。
結晶系の太陽電池パネル。
こちらはCISの太陽電池パネル。製造コストは結晶系よりもちょっと高めとのこと。
「CIS」はCopper(銅)、Indium(インジウム)、Selenium(セレン)の頭文字をとったものです。
一般によく出回っている結晶系の太陽電池はシリコンを使用していますが、CISは一切使用してません。シリコンを使用していないので原材料の供給不足の影響を受けることはない、というのが一つの売りになっています。でも、レアメタルのインジウムとセレンを使用しているので、その辺は五分五分じゃないか?と言う気もします。まあ、使用割合とか、シリコンの供給具合がどうなってるのかとか、全然分からないので何とも言えないのですが。
原材料の問題で言えば、今、長岡高専で研究が進んでいるCZTS薄膜太陽電池が熱い!銅、亜鉛、スズ、硫黄というありふれた材料から太陽電池が出来てしまうのです。この辺もそのうち取材したいものです。
個人的には原材料よりはむしろ、発電効率の高さの方がイケてる気がしました。
写真はないですが(写真班、絵足りないよ、なにやってんの!)、さっきの黒いシートで同じ面積だけパネルを隠してもCISの太陽電池の方がLEDが明るく輝いていました。これには発電できる光の波長が広い事、太陽電池の新しい構造といった要因があるようです。また、発電効率だけではなく、従来型の1/100の厚み(従来型の結晶系は200-300μm、CISは2-3μm)というのも特筆すべき点ではないかと思います。
その辺の寄り詳しい内容は参考にあるページをご覧下さいませ。
同じフロアに展示されていたソーラーパネル。雪国型メガソーラーに使用されているパネルはこれと同サイズのものです。(たしか。)これよりもさらに大きいパネルの開発も進んでいるとか。
てな事をしている間に空いてきたので、屋外見学場に出るぜ!
おお!
おぉ……
出入り口付近には座り込んでノーパソを開いている人やどこかに電話している人、タオルをかぶって遠い目をしている人、様々でした。これは戦争なのか……
死屍累々のプレスにお水の差し入れだ! さすが昭和シェル! 貝のマークはダテじゃない!
手前には結晶系と思われるソーラーパネルも設置されていました。設置角度の違いといい、全体に実験的な要素が見られます。
このソーラーパネルが設置されているエリアは「発電所」として機能しているそうです。具体的に言うと、
この柵の向こう側。
自社で使用するためにソーラーパネルや発電機を設置して、余った分は電力会社に売電するというものはこれまでもありましたが、この雪国型メガソーラー発電所は発電した電力を全て東北電力に売電しています。太陽電池による商業用発電施設としては国内初だそうです。
来たときには0kWhだった発電電力量ですが、帰りに見たときはすでに641kWhも発電していました。この数時間で一般的なご家庭が一ヶ月に消費する分くらいの電気量を発電したことになります。すげー。
というわけで、雪国型メガソーラー発電所の竣工式レポートでした。
初めてのプレスでしたが、なかなかにinterestingでした。またなんかあったら行ってみたい。でも、ぶら下がりは参加しなくても良いな。。
丁寧にCIS太陽電池の説明していただいた伊武雅刀似のスタッフの方、なんと事前にicoroをチェックしていただいていたスタッフの方(記事の公開が遅くなりまくってすみません。。)、そして、このクソ暑い中、車を誘導していただいたスタッフの皆さん、本当にありがとうございました!
雪国型メガソーラー発電所
所在地 | 新潟県新潟市東区平和町15 (昭和シェル石油株式会社 新潟石油製品輸入基地内) |
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見学について | 40名までの見学のみ受付。希望団体は昭和シェル石油株式会社 広報部に問い合わせ。 |
TEL | 03-5531-5793(昭和シェル石油株式会社 広報部) |