昔は全然姿を見なかったのに、近年になって突然その数を増やしているセイタカアワダチソウ。彼らの黄色い大侵略に対して、我々はただ手をこまねいているしかないのでしょうか。
ここ数年、秋になるとその黄色い花で土手や道路端を埋め尽くすセイタカアワダチソウ。気にしてみてみると、本当にもうそこら中、セイタカアワダチソウの黄色があります。
そして同時に、どうもススキの量が減ってきているような…これ、このままにしておいて良いのか?
と言うわけで調べてみました。
セイタカアワダチソウの戦略
長岡辺りではほんのここ10年くらいで急激に増えたような印象があるセイタカアワダチソウですが、関東以西の地域では昭和40(1965)年代頃からすでに大繁殖をしていたようです。
んー。これは単純に、新潟の方にその勢力が流れ込んできたと考えるべきか、それとも新潟の気候が繁殖に適した温度になってきたと考えるべきか。
セイタカアワダチソウは種子でも、地下茎でも増えることが出来るので、他の植物が入り込む隙間もないくらい急速にその勢力を拡大していきます。さらに、このセイタカアワダチソウは「アレロパシー」という恐るべき特性があります。
「アレロパシー」。それは、周囲の植物の生長を抑制する成分を出すという恐るべき現象です。
アレロパシーとは「ある植物の根などから出される物質がその回りの植物の発芽や生育に影響を及ぼす現象」と定義されています。雑草の話(第15話・セイタカアワダチソウ) [シンジェンタ ジャパン]
セイタカアワダチソウが群生しているところに、他の植物がほとんど見られないのはこのためです。なんという恐ろしい戦略。
この勢いでやられたら、日本中がセイタカアワダチソウだらけになってしまう日も遠くないのではないか?これは今のうちに根絶やしにしておかなければ、取り返しのつかないことになってしまうんじゃないか!
ところが。
ここ最近、西日本ではむしろ、セイタカアワダチソウの勢力が衰えてきているらしいです。
その原因は、勢力を広げすぎたことで栄養成分を使い切ってしまったこと、そして、他の植物がなくなったことで、今度は自分自身がアレロパシーの影響を受けたこと、などがあげられます。結果、今度は逆にススキなどに取って代わられたりすることもあるそうです。
その勢い、欠けたることもなしと思えたセイタカアワダチソウ、まさに諸行無常。
で、どうすりゃいいの?
というわけで、調べて得られた結論は「放っておけばそのうち収まる(かも)」。関西の例を見ると、だいたい30、40年くらいで勢いが落ち着いてくるようです。長岡辺りで目にするようになってから10年程が経過したと考えると、今が盛りとも考えられます。
まあ、上を刈っても地下茎が残っていれば出てきますし、地下茎を全て掘り出すのは困難なので、そもそも根絶は難しいというのもあるのですが。
「いやいや、そんなに悠長に待てない!在来種消えちゃうよ!」という切羽詰まっている方は、除草剤で何とか出来るようです。
従って地上部がある程度生育した後であれば、移行タイプの茎葉処理剤をタイミングよく適量処理すれば地下部まで枯らせるのでほぼ根絶することもできます。雑草の話(第15話・セイタカアワダチソウ) [シンジェンタ ジャパン]
ただし、中途半端にやると余計繁殖したりするらしいです。難しい。。駆逐したい場合は、やはり専門家の支持を仰ぐのが一番のようです。