我が家の屋根裏、というか1階と2階の間に野生生物(たぶんハクビシン)が入り込むという事案が発生しました。業者とのやりとりや自治体の補助等、駆除までの顛末記です。
ハクビシンの特徴
ハクビシン(白鼻芯)の名の通り、額から鼻に向かって白い筋が入っているのが特徴。その他の生態は以下の通り。「悠久山小動物園」の看板を書き起こしました。
- ハクビシン(白鼻芯) ジャコウネコ科
- 住んでいる所:スマトラ、ボルネヲ、マレー半島から中国大陸、台湾、日本に分布する。日本では存在の報告がされているが、在来種なのか移入されたものか不明です。(かつて日本に渡来したものが野に放たれて野生化した帰化種とする説も強い)
- 体の大きさ:体長50-60cm位 体重3.5kg位
- 特徴:鼻に当たるところに白色のしま模様が入っており、タヌキに似ているようにみえるが全体として細長く、尾もはるかに長い。つめが指の中に入れられる点でネコ科に似ています。
- 食べ物:木の実、果物。野外でも小動物、昆虫やニワトリ、卵などを食べ、食性の適応力は強い。飼育されると、米飯や肉も食べます。
- 生活の様子:木登りが巧みで森林に住み、なかば樹上生活。隠れ家は岩かげや樹木の穴で、日中はそこでごろごろしています。夜行性
体色は灰褐色-焦げ茶色。鳴き声は聞きませんでしたが、キーキー、ピーピーといった鳥のような声で鳴くようです。雑食性のため、果樹や野菜を狙う他、近年は生ごみを食べに市街地に来て、そのまま住居に侵入・住み着く事例が増えているとか。
また糞尿の臭いが強く、一ヶ所にまとめて糞尿をする習性があるため、臭いや天井のシミによってその存在に気付くことも多いそうです。
侵入された我が家の様子
天井から音がする!何かいる!
今住んでいる家は借家で、住み始めてはや6年。その間に一回だけ「天井になんかいるっぽい?」という気配を感じたことがありました。その時はすぐに音がしなくなったのでそのまま放置。あとで聞いた話によると、前の住人からも一度だけ「天井になにかいる」という訴えがあったそうです。
侵入時の様子
それからしばらくしてから「確実に天井に何かいる! 歩いている!」という気配が! 具体的には以下のような感じ。
- 天井を歩くコトコトと言う音(足が短い感じの足音)
- 断熱材に毛が触れている感じのザッ、ザーッという音
- 音は主に夜聞こえる
- 気配から察するに小柄なネコくらいのサイズの生き物
- 天井にシミが増える
うちはネコを飼っているのですが、足音や気配が体重3kgのネコと似ていたため、そこから天井に潜む生物の大きさを推測しました。ちなみにネコは天井に向かって必死に鳴いて威嚇したりするものの、効果は一切なし。猫を飼っていてもお構いなしのようです。むしろ天井が気になってしょうがないネコの方が疲れている。
天井のシミ
天井のシミは入居前からあり、電気に近い所の天井板は一度張り替え済み。貼り替え時に様子を見ましたが、ネコのものに似たフンが転がってました。右側の方は新たに出てきたシミです。
もう一ヶ所、こちらも新しくできたシミ。ハクビシンは糞尿の臭いがきついと言われますが、我が家では臭いは気になりませんでした。(ここまで書いていてハクビシンじゃないかもしれないという疑惑。でもアライグマも糞尿の臭いはキツイらしい。)
進入経路
突き止めた進入経路は写真左側の三角になっている所の隙間。ここに穴が空いており、そこから進入を繰り返していた模様です。ハクビシンは数センチの穴があれば通れるそうで、通風口や床下の穴、古い家にできた隙間等から簡単に入り込んでしまうとのこと。入れそうな隙間、いっぱいありそうである……
駆除までの流れ
民家の屋根裏に入り込んで住み着く、糞尿を同じ場所にするという生態、足音から察する大きさから、姿は見ていないもののハクビシンと断定。ここで駆除を計画します。
ハクビシンは勝手に捕獲してはいけない
ハクビシンは鳥獣保護法によって捕獲が禁止されています。捕獲する場合は保健所や市役所等に申請が必要。罠を設置する場合には狩猟免許が必要だったりとなかなかやっかいな相手なのです。
でも駆除(追い払う)はやってOK!
捕獲は禁止されていますが、家から追い出したりするのは問題ありません。煙が出るタイプの殺虫剤(燻蒸剤)を屋根裏等に設置し、煙で追い出す方法は個人でも可能。ハクビシンが外に出たのを確認して入り口を塞げばとりあえず駆除は完了です。
駆除を専門業者に依頼
駆除が難しい場合や、申請や許可等が心配な場合は専門業者に頼んだ方が安心です。我が家は大家さんと相談し、電話帳で調べた駆除業者に頼むことにしました。
ひとくちに専門業者と言っても「駆除(追い出し)まで」「捕獲まで」「駆除後、入り口を塞ぐところまで」「駆除後に糞尿の始末・消毒、天井等の修繕まで」という感じで、やってくれる内容が業者によって異なります。業者に依頼する際は、どこまでやってくれるのか、またどこまでやって欲しいのかを明確にするのを忘れずに。内容によって料金も異なるので注意が必要です。
市町村の助成金・補助が使える場合がけっこうある!
ネットで「ハクビシン 市町村名」で検索すると、駆除にかかる料金を助成している自治体がけっこうあります。助成対象は駆除と侵入口を塞ぐところまで、修繕費用は個人持ちというところが多い様子。新潟市は専門業者を無料で派遣する制度があり!
我が家のある長岡市も助成してた!
我が家のある長岡市はそういうのはないっぽい……と思っていたのですが、業者に問い合わせてみたところ「長岡市から補助が出るので、市を通してからの方がいいですよ!」と逆に紹介されました……業者から教えてもらった担当部署に電話を入れ、それから作業日時を決定するという流れになりました。
長岡市の場合は以下のような感じです。
- 補助対象となるのは駆除(追い出し)から侵入口を塞ぐ所まで
※修繕費用は対象外 - 作業時に業者・住人・市役所職員の3人が立ち会い
- 状況・作業を職員が確認
- その場で必要書類に記入
市役所職員の方の立ち会いが必要になるため、作業は平日のみ。
そんな感じで無事に作業日時も決定。しかも補助が受けられる! これで安心! あとは作業日を待つだけ! と思っていたのですが、ここでまさかの急展開を迎えます。
追い出しに成功しちゃった。
穴を塞いでみたら、タイミング良く……
市役所の方から「侵入口は突き止めておいてください」と言われたので、侵入経路を確認したときに「今、天井にいる気配がしないぞ? 一回入り口を塞いでみる?」という感じで穴に板をあてて塞いでみたところ、1回目は閉じ込めてしまったものの、2回目はちょうど出払っているタイミングで穴を塞ぐことに成功! 天井から音がしなーい!
じゃあ、今回はこれで終了ということで。
業者さんに「なんかちょうど追い出せちゃったみたいなんですけども……」と電話をしたところ「入り口塞げてます? じゃあそれでいいと思いますよ!」というお返事。これにて終了となりました! 市役所の方も「あ、わかりましたー」というお返事であっさり終了!
その後の処理
実は近いうちに引っ越すことが決まっており、その後は取り壊す予定ということで、汚れてしまった天井は修繕等せず、そのままにしておくことになりました。臭いはないので気持ちの問題という気もしますが、野生生物ですので衛生面も考え、しっかりと掃除・消毒等々はしておいた方がいいかと思います。退去間近ゆえのゆるい対応です。
そんな感じでハクビシン駆除騒動は終了となったのでした。
各自治体の助成について
サイトに情報がない場合が多い
ハクビシンの駆除で調べた時に出てきたのが新潟市。自己防除が困難な場合、1世帯(1住宅)につき1回に限り、市が専門業者を無料で派遣するという制度がある旨がサイトに記載されています。長岡市のようにサイトに情報はないものの、じつは助成しているという市町村は少なくなさそうです。
業者を探すより、まずは行政に相談がおすすめ!
今回、じつは手間取ったのが駆除業者探しなのです。電話帳を見て何社かに電話をかけてみたものの「今はやってないですねー」「担当者が不在でして……ハクビシンはちょっと無理ですかねー」という感じでなかなかやってくれる業者が見つからない! そんな中、数件目にかけた業者がやってくれることになったわけですが、これ、先に市役所に問い合わせていたら即、業者を紹介してくれたんじゃないかと!
市町村に問い合わせる場合の窓口ですが、市民生活課・区民生活課の「生活環境係」、「環境政策課」等々、「〇〇環境課」「環境〇〇課」というような名称の課が担当となっている場合が多いようですよ!
まとめ
まずは侵入されない環境作りを
家が古くなってくるとどうしても随所に隙間が空きがち。なにかが住み着いてしまう前に随時塞ぐよう心がけましょう。
ハクビシン等が侵入したらこの流れで対処!
- タイミングをみてor燻蒸剤を使って自分で追い出し
- 難しい場合はお住まいの市町村・役場に相談
- 業者を紹介してもらい、助成金の有無を確認
- 駆除後、侵入経路を塞ぐ
- 必要に応じて修繕
という感じです。結局我が家は自分で駆除しましたが、駆除が難しい場合は市役所に相談するのが手っ取り早いです。それでは、みなさんの健闘を祈ります!
ネットだと害獣駆除業者がけっこうみつかる
その後ネットで探してみたところ、害獣駆除・害虫駆除をしている業者が簡単にみつかりました。見るべきなのは電話帳よりネットだった……