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【放談】I am Japanese.

大地の芸術祭2018

 一見あれっぽいあれですがだからなにってこともないです。

ゆたか:最近、テレビに外国人みたいな見た目をした日本語のあやしい日本人出てるじゃん?

ちはや:お母さんがよく言う「あれあれ! あの番組に出てるなんだっけ、そうあの人!」みたいな言い回しになってるけど、某スポーツ関連の人という認識でよいかな??

ゆ:たぶんそれ。

ち:いやー最近のスポーツ界すごいよね。「期待の高校生!」とかで「その見た目はいったいナニ人!?」という人をたくさんみかける。

ゆ:まあね、今までも何人かいたよ。でもさ、見た目が日本人離れしててもだいたい日本で生活してて普通に日本語も使ってたじゃん? だから「おう。せやな」って思ってたんだけどさ。その最近テレビでよく見る人は、名前こそ日本人のそれだけど、見た目は外国人、日本語はあやしい、英語はペラペラ。しかもちょっと調べたら日本に住んでたのはほんとに小さい頃だけで、あとはずっとアメリカ住まい(ソースはwiki)って話じゃん? 「『日本人初』って騒いでるけど、そもそも『日本人』ってなんだ?」って思ったよね。なにをもって「日本人」というのか教えてくれ。

ち:期待の高校生たちは見た目は違えど、中身は普通の高校生なのよね。会話してる様子を見ると見た目とのギャップに驚くくらい普通の日本の高校生。この場合は「あー、ハーフ(最近はダブルって言うの?)でこっちで生活して学校通ってるのねー」って納得できるのよね。あ、今回の放談は繊細な部分を含むので「差別! はいそれは差別!」とかなんだかんだ思われる可能性あるなーという内容です。ただ、同じように引っかかってる人、「『日本人』ってなんだ?」って思ってる人は少なくないと思うので書きます。

ゆ:国籍が日本* なら日本人? オーケーオーケー。じゃあ、日本人のアイデンティティは国籍が日本であるということだけなのか? 日本語もしゃべれない。日本で暮らしてるわけでもない。それでも国籍が日本なら「日本人」なのか? この疑問を持つことは差別になるのか?

* 厳密には日本とアメリカの二重国籍状態らしいがこまけーこたいいんだよ。

ち:調べたらテニスはインタビューを受けたら自らの国籍の言語で答えるのが通例らしい。なんだこの決まり……

ゆ:そうだったのか! 普通に英語で答えりゃいいじゃんって思ってたけど、日本国籍で登録してるから日本語で答えなきゃなのか。なんか、すごくイギリスっぽい……

ち:「日本人か否か」って、結構感情論的な側面もあるじゃない? それぞれがいろんな考えを持っている部分だと思うのです。でも最近の流れだと「え? 日本人?」って発言すること自体が許されない感じになってません?

ゆ:なあみんな、いい子ちゃんやめようぜ? お前らだって思ってるだろ? 「『日本人』ってなんだ?」って。ちょっと想像してみなよ。自分の通ってる学校(勤めてる会社)にそんな感じの新入生(新入社員)が入ってきたとするじゃん? 日本語がわからない。日本で暮らしてもない。見た目も平均的な日本人とは違う。で、自己紹介でそいつが「I am Japanese.」ってネイティブなイングリッシュで言うわけ。「アメリカンジョークかな?」って思うでしょ普通。そう思っちゃうのって排他的だからなの? ちがくない?

ち:いい子ちゃんをやめた発言をしてみよう。自分の学校や会社に日本国籍の見た目外国人が入ってきても「oh!(どんな事情がおありで?)」って思うだけだと思う。ただし、スポーツで「日本代表」(しかも日本記録更新しそう)ってなるとなんかちがくない?? ってなる。

ゆ:さっそく問題がごっちゃになってるな。彼女を取り巻く議論はだいたいそれがぐじゃぐじゃになってる。なぜ、彼女が日本代表として取り扱われることに違和感を感じるのか。

ち:……日本人っぽくないから。

ゆ:それな。日本語がわからない。日本で暮らしてない。見た目も日本人とはいいがたい。でも国籍は日本人。それがひとつめの違和感。そして、ふたつめはその「日本人」を日本代表として祭り上げる違和感。「日本人?」ってご意見はだいたいそのふたつの違和感が入り交じっている。

ち:じゃあ「日本人っぽい」ってなんだ? ってなるわけですが。日本人に見える容姿、日本語が使えるってあたり?

ゆ:日系アメリカ人とか日系ブラジル人なんかは見た目日本人だけど、日本語喋れないあたりで日本人じゃないんだな、って感じる。

ち:あと育った場所とかバックグラウンド的な部分かなぁ。それが日本語の喋れなさに繋がるんだけど。

ゆ:それって「文化」ってもんじゃないかしら。日本の文化の中で生きていない者は、たとえ国籍が日本になってても「日本人ではない」と感じてしまうのでは。さっきなんとなく「イギリスっぽい」って言ったけど、それも同じじゃないかな。コーヒーじゃなくて紅茶を飲むし、トーストは片面だけ焼く。アクセントでわかるだろ? 私はN.Y.の英国人さ。

ち:「日本で生活していない = 日本の文化の中で生きていない」って感じか。

ゆ:文化の理解において言葉ってのはかなり重要な要素だし、「日本語しゃべれないから日本人ではない」と思う人が出るのは(良い悪いは別として)仕方のないことだと思う。日本語ってくくりだと大きすぎてわかりにくいかもしれないけど、方言って言えば「あーね」ってなる人は多いのでは。

ち:方言というくくり、わかりやすい気がしてきたぞ。「おいどん新潟出身でごわす」って言われたら「貴様に新潟のなにがわかる!!」ってなる。反面、新潟弁を完ぺきに使いこなしていたら「新潟のことちゃんと知ってる人だな」ってなる。

ゆ:「日本語がしゃべれなくても国籍が日本なら日本人」ってのは、確かに書類上はそうかもしれない。しかし「日本の文化を理解している者」という意味での「日本人」はそれとはまた別になる。その感覚って別に日本に限らずどこの国でもあるんじゃないか?

ち:そうなのかな? 亡命とか難民とかが当たり前な地域ではもっと気軽に国籍を選んでるのかも? ってちょっと思ったのよね。国籍については日本人は気にしすぎかも……と。

ゆ:国籍の話ではなく、文化を含めたその国の人間、国民としてのアイデンティティの話な。いつも杖を小脇に抱え、決して走ったりはしない。私はN.Y.に生きる英国人。みたいな話さ。イタリア男はママを大事にするし、フランス人は糞便を窓の外に投げ捨てるし、日本人は幼い頃から忍者の訓練を受けている。

ち:まったく逆なんだけどさ、これって「在日韓国人はなんで帰化しないの?」って感覚に似てるよね。日本で生まれて日本で生活し、(多くの場合)日本語しかしゃべれないなら、それもう日本人以外の何者でもなくない? みたいな。

ゆ:それ、初めて知ったときびっくりしたわ。新潟の朝鮮学校が生徒数の減少で閉鎖ってニュース聞いたとき「みんな国に帰ったとかなのかな?」って思ってたんだけど、別にそういうわけじゃないのな。在日韓国人(朝鮮人)って言ってもだいたいの人は日本語べらべらだし(っていうかもはやハングルわからない)、日本人と変わらない生活を日本で送ってるのな。だからたぶん、子どもたちは普通に日本の学校に通ってるんだと思われ。それもう日本人じゃん、みたいな。「在日は帰れ!」とか言われても、そりゃ普通の日本人に韓国・朝鮮で暮らせって言ってるようなもんで、無理な相談だわな。一方で、そこまでどっぷり日本文化に浸かっていながら、なぜ帰化しないのかがオレにはよくわからない。

ち:それについては友人の韓国人女子高生に聞いてうっすらわかりかけた部分がある。「日本と韓国の二重国籍状態から親が(勝手に)韓国籍を選択する」「ルーツとして韓国籍を残しておきたい」っていう2つの理由っぽい。

ゆ:親が国籍を選択するのとか、ルーツとして韓国籍を残したいっていう考え方って、儒教文化が色濃く反映されている感じがする。でも、墓仕舞いも考えているようなオレにはそれ以上の理解が難しい気がする。日本で暮らしてるんだから帰化しちゃったほうが合理的じゃんってなりそうなものだけど、そうはならないダークマターが存在するっぽい、というあたりまではわかったつもりでいる。

ち:韓国人・在日韓国人ともに当たり前すぎて(自分でも気付かないほどベースになってて)説明できない感情・思想があるっぽいよね。だから日本人には理解が難しい。逆に言えばこちらの「え? なんでそんなとこにこだわるの?」という気持ちも相手には理解されない。お互いに「??? なにを言っているのだ……??」となる。ちなみに韓国も宗教が生活に溶け込みすぎててなにがなんやららしいですぞ。先日、法事の話をしたら「葬式のときだけ宗教色が濃くなるの同じ」と言われた。

ゆ:儒教文化って言えば、慰安婦問題で韓国JKが「なるほどそういう考え方」ってこと言ってたよね。

ち:それまとめて記事にしようかと思って書きかけた状態になっている。

ゆ:三行で頼む。

年上は敬うもの
慰安婦 = おばあちゃんが謝罪を求めている
若者はそれを手伝わねば!

ゆ:それ聞いて「あー、すげー儒教っぽい」って思った。

ち:慰安婦問題が解決しない理由が垣間見えた気がしました。相手の思想がわからないとこの問題は終わらない。

ゆ:日韓両方の戦争体験者が死に絶えるのを待つしかないでしょうね。

ち:韓国JKの話からすると死に絶えたらたぶん終わる。「その世代のことはその世代の問題」という意識が強い。だから「なんとしても生きているうちに謝罪を!」と過激化している模様です。

ゆ:あれ、ほんとにBBAのために戦ってるのな。年長者(敬うべき者)が虐げられているのを助けなければと本気で思ってるっぽいな。

ち:政治的思想とかではなく美徳。ボランティア活動っていうか、部活動みたいなものなのかな? ある程度の自由さと熱心さがある感じ。

ゆ:そこんところの感覚が全然ピンとこないんだけど、そのへんが文化の違いなんかなって思ってる。

ち:そう思う。理解はできなくても把握しとかないとっていう部分。こういうのってその国を知ってる人じゃないとわからないよね。そうか、これが文化か。

ゆ:文化よね。で、今日はなんの話だったっけ。

ち:国籍が日本人ならそれは日本人と呼べるのか問題。デーンデンデン!ドン!ドドン!

ゆ:「書類上は日本人かもしれないけど、文化も含めて考えた場合はそうとも言い切れない場合もあるんじゃね知らんけど」って感じかな? あ、一応断っとくけど、件の日本人については別に「あいつは日本人じゃない! 殺せ!」とか思ってるわけじゃないから。むしろ日本国籍選んでくれてアリガテェ……アリガテェ……日本語もちょっとずつ覚えてるみたいでアリガテェ……アリガテェ……って思ってる。でも、「日本国籍だから日本人! 日本人初! 日本人すげぇ!」っていうのはちょっと違うだろ、とも思っている。日本人がすげーんじゃなくて、アイツがすげーだけだから。この複雑な心境わっかるかなぁ。わっかんねーだろうなぁ。

ち:わっかる。あと「書類上は日本人! ハイこの話はおしまい!」はよくないんじゃないかという感じ。

ゆ:それな。そうやってなにも考えずに違和感にフタしちまうと、中で腐ってふいに吹き出したりすることがあるから気を付けたほうがいい。すぐ差別とか排他とか言うけどさ、そうやってなにも考えずにフタしちまうほうがよほど差別的で排他的だとオレは思う。違いに目を向け、たとえ理解は出来なくてもまあそういうのもあるんだなと受け入れ(受け流し)、その違いを容認することこそがダイバシティじゃないですか? と。で、「ダイバシティ」ってなに。お台場?

ち:うんそう、ゆりかもめに乗れば行ける。こういう疑問を投げかけても叩かれず、それぞれの考えを吐き出せる世の中であって欲しいと思うのです。言いたいことが言えず、結果、アングラに潜ってこじらせるのが一番よくない。前にも言ったかもだけど最近、差別やらハラスメントやらに対して潔癖過ぎません? 人類が変化するにはもう少し時間がいると思うのです。中には変化できない人がいるのもしょうがない。そういう人もいるんだと、ゼロにはできないのだと認めてあげてください。認めないからより溝が深まる。

ゆ:まあ、わかりあえるはずのニュータイプも時代が進むにつれて衰退し、ほとんど伝説上の存在になっちまうからな。わかりあえないままになるのもしかたない。まして重力に心を縛られた人類など。このシャア・アズナブルが粛正しようというのだ!(憑依)

ち:そういや銀英伝読んでて思ったんだけどさ、あれだけの未来で宇宙に行ってなお人種とかお国柄のある名前とかって残ると思う? 地球人としてごちゃまぜになってそうなイメージがあるんだけど。

ゆ:わかんねけど皇室は残ってそう。全銀河のジジババがFTLで皇室グラフティ見てそう。

ち:なんだろう……皇室という言葉にちょっと日本人のアイデンティティを感じてしまった……

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