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観光地の接客ワンポイント – 災害後のお客さんとのトーク

あぐりの里

 地震や台風、水害、豪雪等々、観光地が災害に遭い、被災地となることも少なくないです。私の住む新潟県も中越地震、中越沖地震、水害、地滑り等ここ数年の間にいくつかの災害に見舞われています。
 もし自分のところが災害に遭い、被災地となってしまったら。そしてその後訪れてくれるお客さんにはどんなふうに接したらよいか。こんなふうに接するといいんじゃない? というまとめです。

 災害が起きた後はどうしても客足が遠のくもの。「滞在中にまたなにかあると怖いから」「今行ってもちゃんとしたサービスが受けられなそうだから」、そう思って旅行を敬遠するお客さんも多いと思います。でもその影には「大変な時期だろうし、今、観光に行くのは悪い気がする」という遠慮の気持ちから行くのを取りやめているお客さんも多いのではないでしょうか。

 しばらく経ってから「観光に行ってお金を使うことが復興に繋がる」と思って来てくれるお客さんもたくさんいます。それでもやっぱり「この時期に来て良かったのかな?」という気持ちを抱えながら来ているはず。そこで店員さんとの会話が重要になってくるのです。

お客さんに被害を聞かれたら話してあげよう

 お客さんにしてみると「災害時はどんなだったのか」「この辺の被害はどうだったのか」という点はとっても気になるもの。「現地に来たのだから、報道では知ることのできないことを知りたい」という気持ちもあると思います。何回か書いていますが旅行先で出会う人はそのほとんどがお店や宿の人。おのずと聞く相手、聞きやすい相手は接客業・観光業に携わっている人となります。

 災害時の様子を聞かれたら、自分の体験、当時の様子、または見聞きしたことを話してあげましょう。もちろん、大切な人を失ったりして辛い場合は無理をする必要はありません。その辺はお客さんも察してくれるはずです。業務に支障のない範囲で、時間が取れたら是非。

「なんともなかったですよ」の一言で終わらせない

 災害のニュースを聞いた時、多くの場合は県名や大きな市の名前などが印象に残ります。このため水害や土砂崩れなどの局地的な災害や直下型地震の場合、そこからちょっと離れているとお客さんのイメージに反して全く被害がない、またはそれほどじゃなかったということも。

 この時、「この辺はどうだったんですか?」という質問に対し「この辺はなんともなかったですよー」と一言で終わらせてしまうと、お客さんも聞きたいことが聞けてないのでモヤモヤしてしまいます。その地に住む人にとっては「県内と言っても、あんなに離れてるのにねー」という感じでも、お客さんには距離や被害地域の広さはわかりません。
 そんな時は「このあたりは大丈夫でしたが、ここからちょっと行った○○という地域はけっこう被害があったみたいで……」「人から聞いたのですが……」という感じで、知っている範囲でいいので何かしら話してあげると良いと思います。

 また「お客さんに不安感を与えたくない」「楽しんでいるのに水を差したくない」という気遣いから「なんともないですよ!」と答えたいこともあるかもしれません。そんな時は「当時は○○でしたが、今はもう大丈夫ですよ」という順番で話すといいと思いますよ!

繰り返しの質問でも答えてあげよう

 「この辺の被害ってどんなだったんですか?」という質問、たぶん度々されると思います。「またこの質問!?」とちょっとイラッとしてしまうこともあるかもしれません。店員さんにとっては何十回と投げかけられている質問かもしれませんが、お客さんは毎回違う人です。まして興味本位でおもしろおかしく聞いているわけではないと思います。会話の間を埋めるための何気ない質問であったりすることも。繰り返しの質問でも丁寧に。そのお客さんとは一期一会ですよ!

感謝を伝えるのを忘れずに

 被害のことを聞いてくるお客さんは心配してくれたり、復興の手助けになればと考えて来てくれているお客さんです。被害について話し終わったら、最後に「来て頂きありがとうございます!」「こうやって訪れて頂くのがなによりです。」と、来てくれたことへの感謝を述べることを忘れずに。この一言でお客さんは「ああ、来て良かったんだな、またいつか来たいな。」と思ってくれるはずです。

宮城、福島への旅行で感じたこと

仙台の旅2012
塩釜水産物仲卸市場に入っている「水上商店」。黙々とマグロを切るおとうちゃんと元気なおかあちゃんが素敵でした。マグロ、とっても美味しかったですよ! 仲卸市場に行ったら是非立ち寄ってみてください!

 東日本大震災から1年後の2012年の3月に宮城県と福島県に旅行に行ってきました。意図したわけではないのですが日程がちょうど3月の中旬に。この時期に被災地を訪れてしまっていいのかなぁと思ったのですが、行ってみると松島や塩釜のあたりはもう観光地として復活しており、店員さんはものすごくウェルカムな感じ。「来て良かったなー」と思ったことを覚えています。

仙台の旅2012
福島県田村市滝根町にある「あぶくま洞」。全長約600mの鍾乳洞を楽しめます。

 その中でも印象に残ったのは福島県の「あぶくま洞」。震災、そして原発の事故後は観光客が激減。「この仕事をしていると、この土地は離れられないですしね」と、そこで働く人がいろいろと話してくれました。ここで聞くことができた話しはすごく印象に残っています。
 なんだかんだと話し込んでいるうちに閉館時間に。すでに閉店の準備に入っていた売店ですが、店員さんが「どうぞ見ていってください!」と閉めかけていたお店を開けてくれました。観光地で働く人の鑑だなーと感じた出来事。これ、できそうでできないことです。ちょっと気になっていたあぶくま洞内で貯蔵したワイン「北醇」を思わず買っちゃいました。美味しかったー。

そんな感じ

 今回のポイントをまとめると「なんともなかったですよ」で会話を終わらせないこと、これに尽きます。お客さんが欲している内容を考え、それにあった内容を話してあげてください。
 逆に考えれば、質問されるということはお客さんの方から話題をふってくれているわけで。これはまたとないフリートークのチャンス! お客さんが求めている現地の人とのふれあいを提供できます。観光地で働くあなたの話がその地域の印象に、そしてその旅の印象になることを忘れずに。売り上げ的な話しをすると、お客さんと一通り話したあとに商品をおすすめすれば買ってくれる可能性がぐーんとアップ。災害の後だからこそ、がんばっていきましょー!

UNIDEN 地震津波警報機 EWR200

  • メーカー:Uniden
  • カテゴリ:エレクトロニクス
  • 発売日:2010/08/30

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