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話半分で受け取ってください。

新潟の怪談 – 猫憑き

 生きてる人も死んでる人も、家族オールスターズ大集合のお盆の夜、皆様いかがお過ごしでしょうか。第1弾を読んで、「そういえば俺もこんな話持ってる」という方が幾人か現れて嬉しい限りです。君の投稿、待ってるよ!
 さて、第1弾はテキスト多めだったので、第2弾はライト・テイストなお話をお送りしたいと思います。関係ないけど、話数カウントは「第n談」のほうがぽくていいかな。

 それでは第2談「猫憑き」、お話開始でございます!

富士総合火力演習2011
※画像はイメージです。

 それは高校へ向かうバスの中でのことだった。朝のバスは混み合うが、その日は先に乗っていた友人の隣が空いていて、運良く座ることが出来た。
 後ろの方の席だったので乗客の背中が見える。そんな乗客の後ろ姿の中に、同じ中学だったAさんの立っている後ろ姿があった。そして、そのAさんの肩の上に猫が、いた。

 それは白っぽい猫だった。もちろん、Aさんが猫を連れてバスに乗っているわけではない。肩に猫を乗せて登校するような変わった人でもなかったし、そもそもその猫は、Aさんの左肩の上、ちょうど頭の横の空間に浮いているのだ。それは透明な階段に前足をあげているような格好にも見える。脇を抱えられて持ち上げられた猫のように、手足はぶらーんと、ぶらさがるままになっていた。

 自分のいる位置からはAさんの後ろ姿しか見えず、その猫もAさんと同じ方向を向いていたため、猫がどんな表情をしていたのかまでは分からなかった。
 猫は、次の瞬間には見えなくなっていた。

 そんなにはっきりと何かが見えたことはそれまでなかったし、それでなくてもそういうものが見えたりすると嫌な感じがするものだが、その猫に関しては、不思議と嫌な感じはしなかった。
 Aさんはその後も特に何事もなく高校生活を送っていたという。

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