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これで印象が変わる!観光地の接客ワンポイント – お辞儀・礼

 観光地の売店・チケット売り場では、丁寧なお辞儀はそんなに必要ないと思っているのですが、民宿や旅館で働いている人や、観光地で名物を出す飲食店(たいていちょっと設定が高め)で働いている人は、ある程度お辞儀の知識があった方がいいかと思います。物販系の人も知らないよりは知っていた方がいいと思うので、今回はお辞儀・礼について。

 お辞儀の角度等についても書きますが、なにより重要なのは「お辞儀のタイミング」。タイミングを間違えると、活気を出そうと今まで頑張ってきた声・笑顔・目線が台無しに!ぎゃーす!

 スーパーなどで買い物をしていても、丁寧なお辞儀に出会うことが多くなりました。それだけ企業も接客に力を入れ始めたということでしょうか。
 ですが。丁寧にしようとした結果「もったいない!」もしくは「それは逆効果!」となってしまっている場合がけっこうあるんです。

 その辺を突き詰めていく前に、まずは基本となるきれいなお辞儀の仕方、そしてお辞儀の角度から!

お辞儀の仕方

 さてみなさん、どんなふうにお辞儀をしてますか?

 お辞儀は普段の生活の中でやっている事だし、出来て当たり前なんじゃない?という感じで、お辞儀の練習をしたことがないお店、店員さんが大多数ではないでしょうか。それゆえに自己流で通している、または気にしたことが無い、という人が多いと思います。自分もきちんと接客研修のあるお店には当たったことがないかも。そんなわけで一度見直してみましょー!

普段のお辞儀と接客のお辞儀は別物

 小学校で習ってから、普段も使っているであろうお辞儀、これは首と背中を使って頭を落とす感じの「頭を下げる礼」です。これはこれでお辞儀としては正しいです。大事にしてください。
 接客も「頭を下げる」ことには違いはないのですが、普段のお辞儀の仕方は、残念ながら接客向きのお辞儀ではないのです。会釈ならいいのですが、角度が深くなるほど苦しい体勢に。素早く礼をしようとしても、頭の移動距離が長いので難しい。その上そこに遠心力も加わるので、深いお辞儀をして体を起こすとクラッ・・・となる可能性も。。

よく聞く接客用のお辞儀

 接客用のお辞儀の仕方としてよく聞くのが「背筋は伸ばしたまま、腰から曲げる」とか「おへそを床に向けるイメージで」等。「頭を落とす」のではなく、「背中を伸ばしたまま」というのがポイントです。
 おお!なんかきれいにできそうだ!と思って実際にやってみると。
 きれいな礼な気がする。でも・・・なんか前のめりになっちゃうんですけど・・・あ、ももの裏側がつりそう。。そんな感じで、形はきれいになるのですが、なーんかうまくいかないのです。

きれいにお辞儀をするコツ:おしりを突き出してみよう!

 接客用のきれいなお辞儀ができるようになるコツ、それは「背筋を伸ばした礼」で「おしりを後ろに突き出す!」です!へっ?はぁ?と思った方も一度お試しあれ!自分も教えてもらった時は、はぁ?と思いました。それでは全員stand up!

 気を付け、もしくは手を前に組んで、背筋は伸ばした状態で礼!(お尻を後ろに出す!)体を前に倒すのではなく、重心を後ろに逃がす感じです。その感覚をつかんでください!

 こうやるときれいに、そして楽に頭を下げることができます。あんまり露骨にプリっ!とやると怪しい人になるので、イメージがつかめたらその後はさりげなくやる程度にしてくださいね。(お尻アタックで後ろの商品とか飛ばす可能性もありますし。)

下げる時は早く、上げるときはゆっくり。

 卒業式練習を思い出しちゃいますが、お辞儀は下げる時は早く、上げる時は少しゆっくりめで。こうやるときれいに、そして作業の邪魔をすることなくお辞儀ができます。(この辺は慣れてきたらで良いと思いますよ!)

 お辞儀の仕方を確認したところで、次はお辞儀の角度の使い分けです!

お辞儀の角度

 しっかりと接客を学んだことのある人や、ホテル・旅館で働く人はお辞儀の角度をきちんと使い分けているかと思います。まずは(私自身の確認も兼ねまして)お辞儀の角度から。

接客用語別お辞儀の角度

  • 15度(軽めの礼):すれ違うとき、かしこまりました、少々お待ちください
  • 30度(普通の礼):いらっしゃいませ
  • 45度(深めの礼):ありがとうございました、申し訳ございません

 接客7大用語や8大用語なんかを定めているところも多いと思いますが、物販や飲食等、業種で違ってくると思うので、その辺はそれぞれのお店で判断してくださいね。(という丸投げ。)
 基本的に「かしこまりました」とか「少々お待ち下さい」みたいなのは浅めの15度、「いらっしゃいませ」は30度、「ありがとうございました」「申し訳ございません」は深めの45度という感じで覚えておけばOKです。
 ただ「申し訳ございません」は45度から無限大。やっちゃった内容によっては90度とか、ジャンピング土下座とか。。

 で。お辞儀の角度はそんなに重要じゃないです。(えー。)きちんと接客を身につけたい!という意気込みのある人だけ挑戦してみて下さい。「自分には無理そうだなー」と思ったら、角度は気にしなくていいですよ!角度を気にして他がおろそかになったら本末転倒。なので華麗にスルー推奨。

 ただ。お辞儀のタイミングだけは気を付けてください!

お辞儀のタイミング

 さてさて、やっと本題に入ります。角度等、細かいところを述べてきましたが、お辞儀で重要なのは何よりもタイミングです!ここは声を大にして何回でも言いたい!お辞儀で重要なのはタイm(略
 お辞儀はタイミング次第で丁寧な印象にも、明るい印象にもできます。その反面、タイミングを間違えてしまうと今まで頑張ってきた声・笑顔・目線全てが台無しになっちゃうんです!お辞儀・・・恐ろしい子!

お店で見たタイミング失敗例

 自分がよく利用するスーパーマーケット。レジの店員さんは、手を前に組んで丁寧な礼をしてくれます。そんなにかしこまらなくていいですよー!と思っちゃうくらいです。たぶんお辞儀がマニュアルに追加されたのだと思うのですが、それによって暗い印象になっちゃってまして。

 なぜ暗い印象なのか。それは「いらっしゃいませ」と「深々としたお辞儀」が同時だから。

 お辞儀で下を向いている状態で「いらっしゃいませ」と言っているので、声がくぐもってしまい、せっかくの声がよく聞こえないのです。そしてお客さんがレジに来た瞬間の、目を合わせる・笑顔を出すタイミングを、お辞儀をすることによって失ってしまっています。
 支払いが終わったあとの絶好のアイコンタクトタイミングも深々としたお辞儀、そしてそのまま目線を上げずにレジにお金をしまう作業へ。印象を良くするために丁寧にしたはずが、お客さんに対して冷たい印象を与える結果となってしまっているのです。

 これが完全にお辞儀のタイミングを失敗してしまっているパターン。目を合わせてくれない店員さんは、だいたいこの罠にはまってます。逃げてー!罠から抜け出してー!

先言後礼・語先後礼

 このような場合「先言後礼」(または「語先後礼」。どっちも同じなのでどっちでもOK)で回避できます!「先言後礼」とは「いらっしゃいませ(と言ったあとに)お辞儀」「ありがとうございます(と言った後に)お辞儀」という感じで、言葉と礼を分ける方法。これで声も通り、アイコンタクトのタイミングも失いません!

高級感を出したい時にこそ先言後礼

 旅館や料亭、ホテル等で、高級感を出したい時に「先言後礼」は効果てきめんです。手を前に組んで「いらっしゃいませ・ゆっくりお辞儀」。言葉も礼も丁寧に。ほら、そこはもう高級料亭。貴方はもう女将にしか見えません。しゃなりしゃなり。

 先言後礼は普段の挨拶でも使えるので、明るく爽やかな挨拶をしたい場合に取り入れてみましょう。元気に見せたい時は「おはようございます!(素早く)ペコリ」「よろしくお願いします!(素早く)ペコリ」。あとは上品に見せたいときにもよいかも。「よろしくお願いいたします・深々お辞儀」。

先言後礼の弱点

 丁寧、そして高級な印象も与えることのできる「先言後礼」。万能かと思われますが、実は最大の弱点が。それは「スピードが出せない」「時間がかかる」。混雑している時に「いらっしゃいませ・お辞儀」とやっていると、時間ばかりかかってしまい、お客さん・店員さん双方のストレスに。これもよろしくない!
 そして先ほど「高級感を出したい時に」と書きましたが、売店やスーパーのレジなどでは「不必要な(ムダな)丁寧さ」にも見える場合もあったり。さらば、先言後礼・・・

 以上の理由から「先言後礼」は物販・レジではおすすめしません。ゆっくりゆったりと接客のできるお店限定です。「お客さんをお待たせしたくない」「そんなことしているヒマがない」というお店では使わない方が良いです。
 でもやっぱりお辞儀はしときたい。そんな時に「ま」でお辞儀をする「まお辞儀」が良いですよ!

「ま」でお辞儀をする「まお辞儀」

 先言後礼のいいところを取り入れつつ、アイコンタクトも失わない最高のタイミング、それは「半先言後礼」とでもいいましょうか、言葉の後半に礼をかぶせる方法です。具体的には「いらっしゃいませ」の「ま」でお辞儀、名付けて「まお辞儀」!これ、オススメです。

 でも「ま」でお辞儀って案外むずかしいんです。いらっしゃ、、あれ?いらしゃいま、、、ペコリ、、あれ?という感じで、考えれば考えるほどできなくなるるー。。なので、ちょっとポイントを。

まお辞儀のコツ

 まず「いらっしゃい・ませ」という感じで2拍に分けます。1拍め(いらっしゃい)で膝を落とす、2拍目(ませ)で頭を下げると、いい感じのタイミングで「ま」の所で礼ができるんです!1拍めは膝でなくても、体を後ろに倒す等、何かしらのアクションを入れるのがポイント。おしりを出すのと同じく、慣れたら1拍目はさりげない動きにしてください。
 「ありがとうございます」も2拍に分けるとちょうど良いタイミングでできます。「いらっしゃいませ」でコツをつかめば「お願いします」「おはようございます」等、もうなんだってできるはず!

謝るときは最初から頭を下げる

 「申し訳ございません」「大変失礼しました」等の謝罪の時は、笑顔も不要なので最初から頭を下げます。謝罪の時は言葉とお辞儀がかぶってOKです。深々と、勢いよく「申し訳ございません!」。勢いよく、速く頭を下げることで、より謝罪の気持ち伝わります。

 そんな感じで、臨機応変に、それぞれの場面、お店の雰囲気、混み具合にあったお辞儀を取り入れてみて下さい!

個人的な意見:観光地の売店は丁寧なお辞儀は不要

 ここまで書いておいてなんですが、個人的にはスーパーなんかでは、いらっしゃいませと同時に会釈、もうレジに通してる!この店員さんすげー!くらいでいいと思ってます。深々とお辞儀をするから笑顔を見せるタイミングがなくなるのであって、会釈にしておけばそれを気にする必要がなわけで。なによりもレジが早いというのはお客としてありがたいですし。(でもお客様の声とかに書かれちゃうのかも。。がんばれ!スーパーの店員さん!)

 旅館・高めの飲食店はともかく、売店なんかではあんまり丁寧さはいらないと思います。自然に出てくる会釈で良いんじゃないかと。SA・PA、駅の売店なんかは、バス・電車の発車時刻との戦い。こんなときにゆっくりやってたら間に合わないっ!お客さんもイライラ!
 そうならないために、お辞儀は省いちゃっていいと思うんです。「あ、店員さんも急いでくれてる!」みたいな方が、よっぽど印象いいと思いますし。お辞儀なしで「お待たせしましたー!」と元気よく見送ってくれる方がきっとうれしいです。

お店の雰囲気、混み具合にあったお辞儀を。

 お辞儀は入れるのならタイミングに注意!入れないならそれはそれで!です!先にも書きましたが、臨機応変に、それぞれの場面、お店の雰囲気、混み具合等の状況にあったお辞儀を。それが一番大事だと思います。

 活気という観点から見ると、「お辞儀よりも声出していこうぜー!」という感じです。なのでまずは声と目線、余裕があればお辞儀、という優先順位で良いと思います。接客は案外体育会系なのであるっ!

 自分、中学時代は吹奏楽部、高校は美術部だったけども。

お辞儀

  • メーカー:パンローリング株式会社
  • カテゴリ:Audible版
  • 発売日:2022/06/21

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