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CentOS on Slicehost – ログインとユーザの設定

 全国80万人くらいのレンサバ難民の皆様、こんにちは。
 先回はSlicehostの申込みの手順を追いました。今回からはいよいよ実際にサーバの構築を行っていきます。操作は全てコマンドラインでの操作なので、これまで全くターミナルやMS-DOSプロンプトを使ったことがない人は激しく分かりにくいかもしれませんが、がんばっていきましょう。

 Windowsの場合は、「PuTTY」などのターミナルを使うためのソフトが必要になるようですが、MacやLinuxを使っている場合は特になにか新しくソフトを用意する必要はありません。その代わり、いくらかの新しい知識は必要です。

テキストエディタを使いこなす

 サーバを設定するためにいくつかの設定ファイルを編集する必要があります。このとき「テキストエディタ」を使用するのですが、これももちろん、コマンドでの操作が基本です。マウスは使えません。

 テキストエディタは幾つか種類がありますが、特にこだわりがなければどのLinuxでも大概利用出来る「vi」を使うのが良いと思います。(ちなみにSlicehostのチュートリアルでは「nano」を使っています。)
 しかし、これがまた、GUIのテキストエディタに慣れちゃてる自分のような人間には、激しく使いにくい代物。それでも使い続けていると逆に使いやすく感じるようになってきちゃうので、慣れるまでがんばって使っていきましょう。

  viの使い方については、「vi」でググれば使い方を説明したサイトが無数に出てくるので、詳しいことはそちらを参照した方が良いと思います。
 Macであれば(たぶん多くのLinuxも)、ターミナルを起動して以下のコマンドを入力すれば、詳しいチュートリアルが出てきます。正確には「vi」ではなく「vim」のチュートリアルなのですが、基本的な使い方は同じです。

vimtutor

 viを解説した書籍もあります。

入門vi: UNIX text processing

  • メーカー:オライリー・ジャパン
  • カテゴリ:単行本

 意外に高機能なviですが、ここではとりあえず以下のコマンドが分かれば乗り切れるかも。

  • i (テキストを入力)
  • x (1文字削除)
  • /文字列 (文字列を検索)
  • :0 (カーソルを行の先頭に移動)
  • :$ (カーソルを行の末尾に移動)
  • ctrl + f (次ページ)
  • ctrl + b (前ページ)
  • :wq または ZZ (保存して終了)
  • :q! (保存せずに終了)

 「入力モード」と「コマンドモード」の違いは、実際に触ってみれば分かるかと思います。迷ったらとりあえずescキー押しておけ。
 あと、解説だとカーソルの移動はh、j、k、lキーを使用するように書かれていますが、普通にカーソルキーでも移動出来ることがほとんどだと思うので気にしなくても良いです。

サーバにログインする

 そんなわけで、準備ができたところでとりあえずログインしてみます。ターミナルを立ち上げて、以下のように入力します。「123.45.67.890」となっているところは、メールで送られてきた自分のサーバのIPアドレスを入れます。

ssh root@123.45.67.890

 すると多くの場合、以下のような表示が出てくると思います。

The authenticity of host ‘123.45.67.890 (123.45.67.890)’ can’t be established.
DSA key fingerprint is 12:34:56:78:90:ab:cd:ef:12:34:56:78:90:ab:cd:ef.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?

 考えてもしょうがないので、「yes」とタイプしてエンター。次にパスワードを聞いてくるので、メールで送られてきたパスワードを入力します。キーを入力しても「****」というふうに表示されたりしないので、焦らないように。
 パスワードが正しければ、以下のような表示になります。

[root@server ~]#

 「server」の部分はその人の設定で変わります。「#」はrootになっているという意味です。以降、[root@server ~]#と言う部分は省略します。

 これでログインは完了です。

 ログインしたついでにrootのパスワードをデフォルトのものから変更しておきます。変更したパスワードはお忘れなさらぬよう。

passwd

ユーザを作成する

 rootはなんでも出来ちゃうユーザなので、便利な存在である反面、危険な存在でもあります。なので、普通は普段使いのユーザを作成して、そのユーザでサーバに入ります。

 ユーザを作成するにはrootでログインした状態で以下のコマンドを実行します。特にエラーメッセージなどが表示されなければ、ユーザーの作成完了です。
 ここでは「demo」と言う名前のユーザーを作成しています。実際は別にどんな名前でもかまいません。以降、「demo」という文字列は自分の作るユーザ名と置き換えて考えてください。

adduser demo

 次に、新しく作成したユーザのパスワードを設定します。

passwd demo

 次に、新しく作成したユーザーを「wheel」というグループに入れます。

usermod -a -G wheel demo

 ユーザーの設定が完了したら、次はwheelグループがすべてのコマンドを使用できるように権限を与えます。viの操作技術を役立たせる時がやってきた!(以下、viが使えること前提です。)
 次のように入力します。

visudo

 ファイルの中から以下の部分を探し出します。「%wheel」とかで検索をかければ簡単に見つかると思います。

##Allows people in group wheel to run all commands
# %wheel  ALL=(ALL)       ALL

 「%wheel」の前の「#」を削除します。削除するとこんな感じ。

##Allows people in group wheel to run all commands
%wheel  ALL=(ALL)       ALL

 編集が終わったら保存して終了します。

 これで管理用の一般ユーザの作成と設定が完了です。以降はこの一般ユーザ使ってサーバの管理をしていきます。

ルートに化ける方法

 システム関連の設定ファイルをいじるときはroot権限がないと設定出来ないという事がほとんどです。そんなときは、suコマンドを使用して一般ユーザからrootにクラスチェンジ出来ます!この時、「-(ハイフン)」を忘れないように。ハイフンがないと環境設定が引き継がれず、sbinのパスが通らなかったりして面倒です。

su -

 パスワードを求められるので、rootのパスワードを入力します。(demoのパスワードではありません。)ログインすると以下のようにrootになれます。

[root@server ~]#

ログアウト

 ログインしたら逆にログアウトする必要があります。ログアウトするときは

exit

とすれば、サーバからログアウトできます。

参考

標準テキスト CentOS 8 構築・運用・管理パーフェクトガイド [CentOS Stream対応]

  • メーカー:SBクリエイティブ
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  • 発売日:2021/07/21

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