※弊社記事はたぶんにPRが含まれますので
話半分で受け取ってください。

越後追分の音源

 信州に端を発すると言われる越後追分。同じ越後追分節でも、場所によって歌詞も曲調も異なります。音源アリマス。

 追分節は次のような特徴をもつ民謡です。

  • 明確な拍節を持っていない(調子よくパンパンと手拍子を打てない)
  • 音域が広い(高い声から低い声まで出さなければいけない歌が多い)
  • 母音を伸ばす(一音多声型。歌詞等の一文字を長く伸ばす場合が多い。)

 越後追分の起源について、確かなことはわかりませんが、碓氷峠の「馬小唄(馬追が馬を引きながら歌う歌)」が、浅間三宿の女達の唄う三味線唄の「追分節」となり、これが参勤交代の北陸武士や瞽女(ごぜ)等によって越後に伝わって越後追分となった、というのが現在の定説となっているようです。

各地の越後追分

 一口に「越後追分」といっても、新潟の越後追分と寺泊のそれとは、歌詞も曲調も異なります。なぜ歌詞も曲調も異なるのか、詳しいことはやはりよく分かっていないようです。

寺泊の越後追分

唄:藤乃井月子 三味線、太鼓:大矢千代栄、小笠厚
音源:昭和44年国立劇場第7回民俗芸能祭り出演 記念録音

 ハーソイ ソイソイソイ

櫓も櫂も ソイ 波にとられて ソイ
ハー身は捨て ソイ 小舟ヨ

 ハーソイ ソイソイソイ

どこへ ソイ アーとりつく ソイ 島もない

 ハーソイ ソイソイソイ

(送り唄)

よくも染めたよ 船頭さんの厚司 ヤラサノエー
腰には大船 裾に波 背なに錨の 紋所をネー
質には入れても 流りゃせぬ

 ハーソイ ソイソイソイ

新潟の越後追分

ハアー荒い ソイ 風にも ソイ
あてない ソイ 主を アーソイソイ
やろか ソイ えぞ地の ソイ
荒海へ ソイ ソイソイ

(合の手)
船は出て行く 港の沖に
エンヤラサーノサー
思い偲んで 見送れど
誰も知らない 私の胸の中
沖の鴎が 知るばかり

佐渡へ八里の 荒波越えて
鐘が聞こゆる 寺泊

(合の手)
立山しぐれて 越後は雨よ
かすかに見ゆるは 佐渡島
佐渡と越後の境のさくら
花は越後へ 実は佐渡へ

参考

  • Wikipedia contributors. “追分”. Wikipedia. (online), (accessed 2007-05-22).
  • 江差追分の由来 〜江差追分の起源〜”. 北海道 江差町. (online), (accessed 2007-05-22).
  • 日本放送協会. “越後追分”. 日本民謡大観 中部編(北陸地方). 1000部限定版. 日本放送出版協会, 1955, p. 111-114.
  • “昭和44年国立劇場第7回民俗芸能祭り出演 記念録音”.

関連する記事