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長岡市立中央図書館で開催されている「山下清展」に行ってみた

Date 2013/07/19 21:37  Modified date 2016/05/10 Author chihaya  Tags 図書館 行ってみた
山下清展

 2013年7月13日(土)から8月8日(木)まで「長岡市立中央図書館」で開催されている「生誕90周年記念 山下清展」を見に行ってきました! 見てきた感想などをご紹介!

 「生誕90周年記念 山下清展」について詳しくはこちらをどうぞ!

「生誕90周年記念 山下清展」

※今回は「長岡市立中央図書館」の方から許可を頂き、特別に展示風景を撮影させて頂きました。

 「山下清展」は幼少-放浪時代までの第一章、放浪後に画家として活躍する姿を中心にした第二章、そしてヨーロッパを旅した晩年の第三章という三部構成になっています。1922年(大正11年)に生まれ、49歳で亡くなるまでの作品を年を追って見ることができます。

第一章

山下清展

 現在の年代に当てはめると小学・中学生時代の作品から並んでいるのですが、1年変わるといきなり作品のレベルが上がってる様子を見て取れます。「この期間にいったいなにがあった!?」というような才能の伸びを感じることも。表現したいものに技術が追いついたのか、技術を手に入れて才能が開花したのか。

 代表作「長岡の花火」は放浪時代に描かれた作品(貼絵ですが『描かれた』という表記にしたいと思います)なので第一章で展示されています。年表を見ると新潟には3回ほど訪れているようです。

第二章

山下清展

 放浪を終え、有名になり画家として活躍した時代の作品が展示されています。貼り絵だけでなくペン画も多数展示してありました。ペンで描くときも点描で描いているところが興味深かったです。
 放浪時代は緻密さと大胆さが入り交じった生き生きとした印象、画家として活躍するようになってからは緻密さ、繊細さが増した感じでしょうか。年代毎に並んでいるので、そういった違いを感じることができます。

第三章

山下清展

 放浪時代はスケッチブックは持たず、風景は全て記憶、帰ってきてから制作という方法をとっていたそうですが、第三章ではスケッチブックを持って行ったヨーロッパの旅の作品を中心に展示、そして最後の大作となった「東海道五十三次」が展示されています。晩年ということもあり緻密さと繊細さがよりいっそう増した作風を見て取れます。

感想とみどころなどなど

半立体とも言える貼り絵は間近で見るといい!

「桜島」貼絵 / 1954(昭和29)年
「桜島」貼絵 / 1954(昭和29)年 ©清美社

 貼り絵だから間近で見るといいんだろうなーとは漠然と思っていたのですが、行ってみたら予想以上に良かったです! 上の「桜島」は水面の表現がすごい。これは実際に見てみないとわからない。美術館と比べて作品との距離が近い気も。間近でじっくり見ることができたのがすごく良かったです。

「ともだち」貼絵 / 1938(昭和13)年
「ともだち」貼絵 / 1938(昭和13)年 ©清美社

 よく見ると切手をちぎって使っている作品もあったりと、間近で見てびっくり、離れて見てすごい! という作品がたくさんありました。点や線を置き、離れてみると色がうまく混じり合う様子はまさに「日本のゴッホ」。

「伊豆大島の風景」貼絵 / 1954(昭和29)年
「伊豆大島の風景」貼絵 / 1954(昭和29)年 ©清美社

 制作途中のまま残された作品。これにより手前から貼っていったという制作過程がわかります。下絵はけっこう濃く描いていたんだなーと思ったり。

「長岡の花火」はやっぱりいい!

「長岡の花火」貼絵 / 1950(昭和25)年
「長岡の花火」貼絵 / 1950(昭和25)年 ©清美社

 花火を見る人々、水面、花火、夜空で使っている紙の大きさや形を変えているのがよくわかる作品でした。山下清は花火が好きで、各地の花火大会によく足を運んでいたとか。開ききった花火と開いている最中の花火。わかる、きっとそうに違いない。そして群衆の描き込み(貼り込み?)の細かさがすごい。これは実物を見ておくべき!

ドラマのイメージとはちょっと違うらしい

山下清展
放浪中に使用したリュックサックと名前の彫られた認識票

 1980年から1997年にかけて放送されたテレビドラマ「裸の大将放浪記」を見て山下清を知っているという人も多いのではないでしょうか。自分も山下清と言えばこのイメージ。もちろん芦屋雁之助主演の時代です。

 作中では旅先で貼り絵を制作している光景がよく出てきていましたが、旅先で制作することはほとんどなかったらしいです。風景を覚え、帰ってきてから制作に入るというスタイル。数年後に全く同じ絵を描くこともできたとか。まさに天才。
 そしてドラマではおなじみのランニングと短パンですが、実際は浴衣姿で旅をすることが多かったそうです……でも! 実際に使っていたリュックサックが展示してありましたよ! その人が使っていたものを見られるのもいいですね。

作品脇の飾らない言葉がいい

山下清展

 画家として活躍し始めてからは行きたいところ、描きたいものではなく、指示されたモチーフを描くことが増え、あまり乗り気ではなかったことも多いのかなーという印象が作品に添えられた文章から感じ取れます。作品に対するコメントなのか、どこかから抜粋したものなのかはわからないのですが、飾らない率直で正直な言葉に本音がちらほらと見えるのが面白いのです。貼り絵はもちろんですが、作品に添えられた文章もお見逃し無く。

そんな感じ

山下清展
階段でも大プッシュ。

 70年代、80年代生まれの人はやはりドラマ「裸の大将」のイメージが強いのでは。80年代生まれの自分もこのドラマがなければ山下清のことを知る機会はなかったかもと思います。ドラマ故、実際とは異なった描写も多々あるようですが、こうやって興味を持つきっかけを作ってくれた点は良かったかなと思います。

山下清展

 放浪を終え、画家として活躍していた頃はテレビにもけっこう出演してたとのこと。これ、ちょっとびっくりしました。知らなかった……戦前・戦後と激動の時代、そしてテレビの影響が大きくなった時代。それぞれの世代でそれぞれのイメージがある画家なのかもしれません。

山下清展
音声ガイドは年配の方にもけっこう人気でした。

 7/20(土)の14:00-と16:00-、そして21(日)の11:00-は甥の山下浩氏による展示解説が開催されます。メディアを通さない実際の姿をより詳しく知りたい人には良い機会だと思います。貴重な話しも聞けそうですね。

 とりあえず、「長岡の花火」は一度見ておいて損なしですよ! というか見ておいた方がいいです! 長岡まつり前に、もしくは花火の余韻に浸りつつ是非!

生誕90周年記念 山下清

  • 開催期間:2013年(平成25年)7月13日(土)-8月8日(木)
  • 会場:長岡市立中央図書館2階 長岡美術センター
    所在地:新潟県長岡市学校町1-2-2
  • 開催時間:10:00-18:00(発券は17:30まで)
  • 休展日:7/16(火)、22(月)、29(月)、8/5(月)
  • 観覧料:一般700円、大学生・高校生300円、中学生以下無料、障害者手帳をお持ちの方(+介助者1名)は無料

関連イベント

記念講演会「家族が語る山下清」

  • 日時:7月21日(日)14:00-15:30
  • 会場:長岡市中央図書館2階 講堂
  • 講師:山下浩 氏(山下清作品管理事務局代表、山下清の甥)
  • 対象:高校生以上
  • 定員:180人 ※要申し込み
  • 備考:観覧券(半券可)が必要

山下浩氏によるギャラリートーク(展示解説)

  • 日時:7/20(土)14:00-、16:00-、7/21(日)11:00-
  • 備考:当日の観覧券(半券可)が必要

栃尾美術館との観覧料相互割引

  • 栃尾美術館「鈴木孝枝写真展」の観覧券で「山下清展」が割引
    一般700円が500円、大学生・高校生300円が200円
  • 「山下清展」の観覧券で栃尾美術館「鈴木孝枝写真展」が割引
    一般400円が300円、大学生・高校生200円が150円

参考にしたサイト

山下清作品集

  • 著者/訳者:山下 清
  • 出版社:河出書房新社 ( 2012-08-23 )
  • 単行本:109 ページ
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