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Tジョイ長岡で12年ぶりに見た映画が「宇宙兄弟」だったという話

Date 2012/05/12 02:18  Modified date 2016/05/10 Author Yutaka  Tags Tジョイ 宇宙 映画 行ってみた 見てみた

 「映画のどこがいいの?」

 そう聞かれて、良いところをあげようとした。良いところのひとつやふたつ、簡単に見つけられそうなものだが、果たして、その答えは出てこなかった。
 ぶつぶつとシーンの解説をする客。携帯の電源を切れと言っているのに切らない客。イマイチしっくりこないイス。高すぎるドリンク。食べきれないポップコーン。
  なにひとつ、どれひとつ、ロクなもんじゃない。見に行くたびに「家でDVD見る方がいろいろ楽だよな」と確認して帰ってくることになる。

 それでも人は、映画を見に行くのだ。

 大人1,800円。映画1本見るために支払わなければいけないお金だ。最近の映画館は完全入替制をとっているので、どんなに空いている映画だったとしても、一日席に座りっぱなしで同じ映画をヘビーローテーションするなんてことも出来ない。
 大人1,800円。2,000円出して200円しかお釣りが返ってこない。レイトショーでも1,200円。これでやっと、「んー、普通じゃね?」と思えるレベルだ。個人的に。

 リバセンが完成し、長岡にもシネコンが出来るという話を聞いた時には「やっと長岡にもきたか……」と思ったものだ。けれど、フタを開けてみたらレイトショーの割引設定がなかった。その代わりというかなんというか、「シネマチネ」とかいう割引があった。あるにはあるのだが、これが平日の15:00-17:00の時間帯を対象としており、どう考えても仕事のない暇人しか見に行けない。
 Tジョイ全部がそういうものなのかと思ったら、どうもそういうわけではなく、Tジョイ新潟万代にはレイトショー割引がある(ついでにシネマチネもある)。Tジョイ長岡は、もう、長岡の勤労者に映画を見せたくないか、あるいは仕事をさせたくないか、どちらかなんじゃないかという気さえしてくる。

 逆に言えば、平日の昼間からTジョイ長岡で映画を見るような人間は、ロクでナシなのだ。ロクでナシがロクでもない映画館で映画を見る。実に結構なことだ。

 だから、仕事をさぼって映画を見に行くことにした。

「Uchu-kyodaiですね。」

 最後に映画を見たのは、去年、ワーナーマイカル新潟南で見た「はやぶさ HAYABUSA BACK TO THE EARTH」である。しかしあれは映画としてカウントして良いものなのか、ちょっと悩ましい。最後に映画館で見た映像、と言うのが正しいような気もする。

 では、最後に映画館で見た「映画」は何かと言えば、それから一気に10年くらいさかのぼることになる。たぶん、友人から招待券だか割引券だかをもらってワーナーマイカル県央に見に行った「Thirteen Days」だと思う。調べてみたら「Thirteen Days」は2000年公開の映画なので、12年も経過していることになる。

 さて、自分の中では映画としてカウントするにはちょっとアレな「はやぶさ」ではあるけれども、その映像は驚くほどにキレイだった。デジタルなんとかとかいうのになってキレイになったのか、あるいはもともとキレイだったけど、10年の間に自分の記憶の中の映画映像が劣化していただけなのか。なにせこの10年、映画っぽいものはプラネタリウムくらいしか見てなかったので。
 はやぶさを見た時は、「このキレイさならまた他の映画も見たいかもしれない」と思ったのだけれど、そう思ってすでに1年が経過してたりする。そんなもんだ。前にしていた「ライフ」という映画は割引券もあったので「見ても良いかな」と思ったりもしたけれど、思っただけで、いつのまにか上映が終了していた。

 そんなわけで、実に12年ぶりの映画館で見る映画である。
 正直、映画の体をしていればなんでも良かったのだけれど、どうせ同じ金を払うなら一番大きいスクリーンで見た方が得だよなぁ。ってことで、一番大きいスクリーンでやる作品を見ることにした(そのまま)。

 「あの、一番大きい劇場でやる作品ってどれですか。」

 それに対して、まるでその質問がくることを事前に知っていたかのように、「『宇宙兄弟』ですね」という答えが返ってきた。あまりにも返答が早すぎて作品名がうまく聞き取れず、画面に映し出されている作品リストの中から、今、受付の女性が発した音と似たような音の名前を検索して「たぶん『宇宙兄弟』と言ったんだろう」と推測補完したくらいだ。

 「宇宙兄弟」か……自分的に、DVDが出ても見ない、金曜ロードショーにでも出ればひょっとしたら見るかもしれない、微妙なラインが出てきたな……

 どうせなら「バトルシップ」みたいなクソ派手な、クソばかばかしいのが良かったのだけれど、まあ、いい。テレビCMで出てきたような打ち上げシーンがあるなら、それなりに楽しめそうだし。「きかんしゃトーマス」じゃなかっただけ、いくらかマシじゃないか(後で調べたら、その日の午前中はこの一番大きなスクリーンで「きかんしゃトーマス」が上映されていた)。いや、トーマスも見たら見たで以外と面白いのかもしれないけれども。

 「じゃあ、それで。」

 「席はどこがいいですか? 白い席から選んでください。青い席はすでに埋まっています。」

 「あー、もーめんどくさいんであなたが決めてくれませんか」と思いつつ、再び画面を見る。いつの間にか画面が座席表に切り替わっていた。

 みんな良い席は知っているようで、真ん中よりやや後ろの席はいくつか既に取られていた。というか、300席のシアターの中で、その場所だけが集中して10席くらい取られていた。その画面は、全国的には晴れなのに、新潟だけがなぜか雨、という時のアメダスの映像を思わせる。

 その集中豪雨を避けるように、一列空けた前の席にした。

それにほら、オレ、堤真一好きだから。

 「原価いくらだよおい」と思わず突っ込みを入れたくなるような値段のドリンクを片手に映画を見る。炭酸飲料だからかなんなのか、ストローが浮いてきて落ちそうになるのはなんとかならないんだろうか。
 あと、ドリンクのサイズに「K:300円 L:450円」ってあったんだけど、「K」って何。ふと「King」という単語が思い浮かんだけれど、Lの方が値段が高いって事はサイズ的にはLの方が大きいと言うことだろうし、KingよりLargeの方が小さいとは考えにくい。Lが「Large」じゃないとか。「Luxurious」? ちょっと微妙かな。「Lady」? あぁ。あぁ……

 映画は、ムッタ的にはJAXAの試験に通るまでの話。ヒビト的には月で事故に遭って生還するところまでの話。
 あまりの詰め込み具合に、「これ、ラストで『続く!』なんて出るんじゃないだろうな……?」とちらっと頭をよぎったりもしたけど、ちゃんと2時間9分で終わった。確かに、原作の流れを踏襲することを考えた場合、ムッタが試験に挑んで、ヒビトが月に行くところで終わるのも微妙だし、JAXAの試験だけ取り上げても微妙だし、ヒビトの月での事故だけ取り上げても微妙なので、ああいう流れにならざるを得ないような気もする。まあ、良くまとめたんじゃないでしょうか。
  個人的に好きなブライアン・Jが出てこなかったのは残念だけど、この尺じゃ仕方ない。その辺絡めると2時間じゃ終わらない。ちなみに月ではブライアン・J級の存在がヒビトを助けます。ブライアンが好きな人も、これなら仕方ないな、と思えるはず。

 まあ、内容は良いの。「宇宙兄弟」っぽいあれなら。ムッタの役は大泉洋しかないだろ、と思ってたけど、実際見てみたら、別に洋ちゃんじゃなくても良かった。他の配役もあんま違和感なく見られた。それにほら、オレ、堤真一好きだから。堤真一出てれば後はなんでもいいみたいなところあるから。ツルミーがつるつるじゃなかったけど、別に気にしないから。

 そんなことより、何はともあれ打ち上げシーン。その辺は作ってる側も分かってるんじゃないかと思う。見どころっちゃ見どころではあるし。これはやっぱり映画館で見たい。ご家庭の再生機でこのシーンを見ても、イマイチ迫力に欠けて間の抜けたシーンに映ると思う。

 以前、電気屋のテレビで「タイタニック」が再生されていたのを見たことがある。ちょうど船が沈むあたりで、傾く船の上を人が右往左往するというシーンだった。劇場で見た時は全くそんな風には感じなかったのに、この時見たその映像は、ハリウッドのどこかにある、倉庫の中に作られたセットの上で撮りました、というのがありありと感じられてしまって、なにかとても滑稽に見えてしまった。

 テレビの映像は、どこか他人事に思える。第三者的な目で見えてしまう。N.Y.で崩れるビルも、爆発した原発も、それはたしかに現実に起きていることなんだと頭では分かってはいるけれども、実感がともなわない。東京タワーがゴジラにぶっ倒されるのを見るのと、さほど変わらない。

 だから、テレビなんか今すぐ窓から投げ捨てろ。本当に起きたことを、自分のその目で確かめに行け。……というつもりは毛頭なく、どうせこの打ち上げシーンを見るなら、映画館のでかいスクリーンで、映画館の音響で見た方が良いと思うという話です。部屋が震動するほどの重低音は、映画館じゃないとなかなか体感出来ない。あと足りないのは爆風くらい。
 そしてこれを見ると、いよいよ本物の打ち上げを目の前で見たくなって困る。

 同じ作品でも、劇場で見るのと家で見るのとでは、やっぱりちょっと印象が違ってくるかもしれない、とこれを書きながら思った。100円のレンタルDVDでは「100円無駄にした」と思った作品も、1,200円払って劇場で見れば「まあ、悪くなかった」と思えることもあるのかもしれない。

 そうして人はまた、映画を見に行くのだ。

参考

宇宙兄弟(1) (モーニング KC)

  • 著者/訳者:小山 宙哉
  • 出版社:講談社 ( 2008-03-21 )
  • コミック:224 ページ

HAYABUSA -BACK TO THE EARTH- 帰還バージョン [DVD]

  • 販売元:有限会社ライブ ( 2011-06-06 )
  • 時間:107 分
  • 1 枚組 ( DVD )

13デイズ ~コレクターズ・エディション~ [DVD]

  • 販売元:日本ヘラルド映画(PCH) ( 2001-08-10 )
  • 時間:146 分
  • 2 枚組 ( DVD )
  • 定価:¥ 5,724

ライフ -いのちをつなぐ物語- DVD スタンダード・エディション

  • 販売元:エイベックス・ピクチャーズ ( 2012-02-03 )
  • 時間:88 分
  • 1 枚組 ( DVD )
  • 定価:¥ 3,065

タイタニック [DVD]

  • 販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン ( 2010-06-25 )
  • 時間:195 分
  • 1 枚組 ( DVD )
  • 定価:¥ 1,490
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